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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_77 新たな仲間と新たな敵と? VS『ダンサーズ』な第三陣!

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77-4 『リガー』が仲間になりました! ▼

 巨大落とし穴と『フェザーフォール』の組み合わせは、ほぼ全ての残存者を捕らえてくれた。

 残念なことに、リーダーらしきニ名は逃してしまったけれど。

 その場からまったく動かなかった二人は、落とし穴に落ちることもなく、いつの間にか姿を消していたのだ。


 消えたといえば、落とし穴にはめることのできた者たちも、ほぼ半数の6名が『アバター破棄してのログアウト』で撤収してしまい、尋問ができたのは7名だけだった。


 まずは、軽い雰囲気のハンターと兼業クラフター。抜け道を探して移動し、オウマとムネツグと戦った二人だ。

 彼らはやはり、参加費だけが目当ての賞金稼ぎであると自供した。

 なお彼らは仲間3人での参加だったのだが、一人は運悪くアイラさんの作った地割れに落ちて、早々に退場したという。

 この二人は特別な事情も情報も持っていないようなので、そのままお帰りいただいた。


 次に、白い車両に乗っていた二人組。

『ファニーフォレスト』を破壊しようとしていた者たちに追走していた、クラフターコンビだ。

 彼らは、双方の陣立てを見定める目的で参加した、情報屋であるという。

 身柄の解放と引き換えに情報をもらい、アドレス交換の上で丁重にお帰りいただくことにした。


 彼らによれば、アバター破棄で逃げていった六名――ハンター三人、プリースト、プリースト兼業のハンター、そしてクラフター――は、おそらく全員立国党のタカ派。

 さらに、トトリさんの怒りを買ってこんがりローストされた三ハンターのうち、一名もその一員だ。

 が、実のところこの七名のタカ派たちは、一枚岩ではないらしい。

 ローストハンターズの下品な言動に引いていた二人のうち、プリースト兼業でない方。そして、終盤まで最後部から支援をしていたプリースト。この二人は、ほか5人とは所属が違うようだという。

 おそらくは、彼らより上からの命を受けた『お目付け役』的ポジション。

 すなわち、5人組を見張り、過ぎたところがあれば止めるために来ていたのだろう、ということだ。


『あと、これは車壊さないでくれた分』として付け加えてくれたところによれば。

 ローストハンターズの残り、タカ派でないほうの二人は、たんに暴れるのが目的で参加した者たちだったもよう。

 暴れ組の仲間は実はもう一人いて、それは今、おれたちにつかまってここにいる人物だという。

 チナツのファニフォレを焼き払おうとし、森が解除されればとっこんできて、巨大落とし穴に落ちた若いハンターである。


 彼はどうやら心が折れた様子だった。

 背中に羽がある鳥系装備にも関わらず、素直に落とし穴に落ちていき。

 着地で『フェザーフォール』が解けた後も逃げるそぶりなく、ひたすら従順に連行され。

 さらには尋問がはじまるやすぐに『スミマセンでしたあああ!!』と頭を下げてきた。

 大丈夫、取って食ったりしないからと落ち着かせ、『バトルしてお金がほしいなら、いずれおれたちの仲間のトレーニング相手を公募するから、その時応募しておいで』と言ってやれば、何度も頭を下げて帰っていった。


 彼と対照的だったのは、一度見た顔のメイド服――以前ソラに『盗聴器付きメッセージカード』を持ち帰らせようとしたエージェント。

 コードネームは『サイレントシルバー』、と名乗った彼女は、機関銃のように罵声を吐き散らすと、自らアバターを破棄して消えていった。

 同じ女性同士ということで一緒に取り調べの席についてもらった、赤いドレスの召喚士も椅子を離して鼻白んだ様子。

「あたしは召喚士として『ナンゴクボンバーズ!』とやりたいから来たの。彼女と一緒にしないでね」とため息をついた。


 たっぷり楽しんで気は済んだわ。このあたしは生身だから、あなたたちが好きにしていいのよ、なんていわれたが、はいそうですかと言えるわけもない。

 行くあてはある、町まで行ければいいとの確認をとると、星降町までルゥさんに送ってもらった。


 最後は『仲間になりたい!』と頭を下げてきたクラフター。銀色のワンボックスカーに『サイレントシルバー』を同乗させていた人物だ。

 彼の顔にも見覚えがあった、というか今日見たばかり。星降町からの帰りと、かつてのソナタ送迎の際の襲撃で、『黒チェシャ』を乗せていた運転手役だ。

 聞けば彼は『シルバー』に作戦への同行を頼まれ、彼女の事情を聴く代わりに参加してきたのだという。


「車、……壊さないでくれたし。なんか……天使みたく見えて。

 俺も、やっぱ、あんたたちの側がいいって……

 ご、誤解しないでくれよ?! べっべつにそんな、不埒な気持ちなんじゃなくってそのっ」


 彼の気持ちはどうやら、暴れたかった鳥装備氏とは別方向に折れてしまったらしい。

 ともあれ、お車係がタカヤさん一人というのも負担が大きい。彼の腕前ももう知っていることであるし、ありがたく仲間に加わってもらうことにしたのであった。

「俺もお姫様抱っこしてもらえたらなんて、おもってないんだからねっ///」

『フェザーフォール』おそるべし。


次回、第三陣前に臨んで戸惑うスケさんたち。

彼らのモノローグを経て、第三陣開戦の予定です。

金曜闘技会『湖の乙女』の内容は、次章の上映会までお待ちくださいませ。

どちらもどうぞ、お楽しみに!!

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