77-2 放たれしもの、留め置かれしもの
『いやマジ? マジにチェシャリリースしちゃったん?
ほんと主人公すぎでしょ、マジに!!』
アスカは馬鹿ウケしていた。
そう、このことももちろん予見されていた。
捕虜交換で要求されるだろう、そして月萌がわにつつがなく帰ってもらえるだろう人は、第一陣にも第二陣にもいた――すなわち、第一陣のルシードとマユリさん。第二陣では、サクラさんとリンカさん。
もちろん、『黒チェシャ』は捕虜にしてない。味方集めをおれたちへの贖罪の形とするということで、紐なしでの解放である。
「うん、トウヤさんたちには悪かったとは思ってる。
ただ、それ以上の解決は思いつかなくてさ」
『ヤツの戦歴からして、その理由は予測されてた。嘘は言ってないだろうね。
である以上、しばらく大人しくなるはずだし、ま、悪くはない。そう言われてるよ。
まーやっぱ世界の敵だーって言ってる奴もいるけどさ、そこはね』
「うん……」
それは、そうとしか言えない。
おれも彼らの立場なら、安らかならざる気持ちだろう。
安らかならざる、といえば。
「ルシードとマユリさん。今もまだ基地から出られないでいるんだよね」
そう、この二人は高天原に戻って以来、自由に動けずにいるらしい。
非番でない軍人は、基本的に軍施設に詰めている。しかし、勤務時間を終えれば外出は可能だ。
しかし、健康診断と事情聴取を終えてなお、経過観察の名目で、二人は施設内に留め置かれていると聞く。
もちろん外部との接触も制限されている――一体どっちの捕虜なんだという勢いだ。
『それだけどね。
第三陣に加わることになったよ。トウヤの口利きでね』
短めというか短いですね……すみません、めずらしく少々体調を崩しておりますorz
熱とかないんですけど、関節が痛い……今週忙しかったためと思います。
早く回復するよう休養に努めたいと思います(__)
次回、トウヤさんとルシード・マユリバディの面談の様子の予定です。
どうぞ、お楽しみに!




