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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_76 解き放たれる者たちと~第三陣に向けて

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Bonus Track_76-5-2 イエネコだって意地がある! 白猫王子、特訓する!(2)~トラオの場合~

 この二人と俺は、以前からの知り合いだ。

 俺が『ガーデン』にいた頃、こいつらが入ってきて、少し話したりもしたというくらいのものだったが……

 この間『ガーデン』つながりで頼まれて、マウントブランシェ攻略隊に参加した。

 善戦したこいつらはシャスタ様に気に入られ、贈り物をもらっている。

 シラサギのイツキは、『白波の手袋』。

 フリージアン・ホースのザインは、『水馬のアンクル・フェザー』。

 見た目は白のスラリとした手袋と、黒のふさっとしたブーツ飾り。どちらも、シャスタの泉水晶と、跳ねる波をかたどった銀細工をあしらった一点ものだ。


 これらは二人のバトルを大きくパワーアップした。

 イツキの刺突や投てきは、倍以上も鋭くなり――

 ザインの脚力や錬成魔術の威力も、ぐっと増した。


 覚醒はおそらく、その延長線上にあるとみられていた。

 が、あと一歩がつかめない状態で、やつらはトレーニングを重ねていた。


 別に、人助けというわけでもない。それでもなんとなく、そうしたかった。

 たぶんこいつらも、意地を見せようとしていたからだろう――俺と同じで。


 覚醒ヌキでふっつーに戦った一戦目は、特筆することもない、ドロー。

 イツキ、ザインとも覚醒ならず。

 ザインがうなる。


「うーん、後衛スプフレとトラップで手の潰しあい、前衛は斬りあって……になっちゃうとお互い突破口がないんだよねー……どっちもシャスタ様装備持ってるし……」

「このパターンになると、トラオたち覚醒技(コメブラ)使えないよね?

 とりあえず二戦目はそっちボスパターンで行ってみようよ」

「あっじゃあ、三戦目は逆に俺たちの妨害を潜り抜けて覚醒やれるようやってみる感じでどう?」


 イツキがポンと手を打つと、ザインが三戦目を申し出てくれた。


「おお、それで頼むわ」

「よろしくね!」


 そうして始まった二戦目。俺たちはそろって後衛スタートラインについた。

 よし、こういうのは雰囲気だ。俺は咳払いして片手を広げ、スタート代わりにこう言った。


「『よくぞここまできた、勇者ども。まずは一太刀だけもらってやろ』」

「ぷふっ」


 すると後ろで上がる笑い声。サリイだった。

 いや、サリイだけじゃない。ザインとイツキまで笑い出した。


「あははは!」

「ちょ……ぷふふふ……まってまってその不意打ちなしっくふふふ……」

「えぇー……つかサリイよー……」

「ふふふだって面白かったんだもんくくくく」


 くそう、サリイのやつ、相変わらず笑う時には容赦ねえ。横っちょむいて笑ってやがる。


「なんで舞台んときはヘーキなのにバカ受けしてんだよっ」

「えーだって~そっちはそれなり台本とか流れあるのにいきなりねえ?」

「ごめんごめんいきなりキメ顔になったからさ」

「ひー……ちょ、ちょっとまってっツボに……はいって……」


 ザインはなんとか笑いをおさめてくれたが、イツキはツボにはいっちまったらしく、物静かなイメージがぶっこわれるイキオイでひーひー。

 結局自ら『鎮静』のポーションをかぶって、笑いを止める羽目になった。



 そんなこんなで仕切り直し。

 とりあえず、サリイが俺たちの前に『シャスタの水壁』を展開。

 俺の補助もいれて厚めに仕上げると、「いいわよ」と手を振った。


「よっしゃ! それじゃあ俺は、トルネードタイプで全力展開してみるね。

 いっちゃん、『パウカルト』またちょっともらえる? 五枚くらいあればうれしいけど」

「うん、どうぞ。

 あ、どうせならさ、俺の突きとタイミングあわせて一緒にぶつけられるかな」

「ちょっとまって。イツキそこに立って放つ? だったら俺はこっちの角度からこういって、水壁のところで合流するかんじにしようか」

「それがいいね。よし、やってみよう!」


 イツキが言っていたとおり、ちゃんとしたターゲットがあるとないとじゃまとまりが違う様子だ。

 よろしくねーとあらためて声をかけてくれたやつらの顔には、不思議な確信が輝いていた。



「そいや!」


 まずはザインがカードを地面に配置しつつぴょんぴょんと跳ね回る。

 着地のそのたび、『水馬のアンクル・フェザー』とそれを装着したブーツが青い燐光を放つ。

 ザインのブーツは特別製だ。ぐっと踏み込むと同時に足裏から力を流せば、小さな錬成陣が地面に刻まれるようになっている。

『地走り』。陣に一定の衝撃を与えると、あらかじめ設定した方向への衝撃が、地を割くように走り抜ける。主に相手の足を取るのに使われるアース・トラップだ。


 ザインはこいつを利用して、闘いながらフィールドに仕込みをしてくる。

 かつてソーヤが火を噴くダーツでフィールド全体にでかい錬成陣を描いたように、ザインは跳ね回りながらフィールドに『地走り』を刻み、戦況に応じて発動。多数誘爆させたり、連鎖ででかい錬成陣をつくり、一発ドーンとかましてきたりする。


 ぶっちゃけ『どこにどっちむきの陣を置いて、どう発動させるか』全部アタマに入ってるとか、俺からしたらチートなみのアタマとしかいいようがない。

 ぶっちゃけ今だって何やってんのかわかんねえ。予告通りなら『アーストルネード』の陣なんだろうが。


 ともあれ時間にして三秒ほど。あっという間に仕込みを終えたザインは、「いくよー!」と言いつつ足を踏み込んだ。

 起きたのは、予想を上回ることだった。

 地面にでっかい錬成魔術の陣が出現。その内側に土の渦巻きがぐるぐると沸き起こった、そこまではいい。

 だが、その丸い中心に夜空のような水面が現れ、さらに漆黒の馬が飛び出してきたのには驚いた。


「おい?!」

「ざっくん、これって?!」

「あれっ? 俺なんかまちがっちゃったかな?

 でもいいや! いっちゃん、馬さんと一緒に当たるよう攻撃してみて!」

「そうだね、やってみる!」


 おいおい、それでいいのかクラフター。

 だが、ザインの漆黒の馬しっぽが、そしてイツキの純白の翼があの輝きを放っているのをみて、俺は口をつぐんだ。


 謎の黒馬がかけてくる。

 タイミングを合わせて突き出されたイツキの件からは、まばゆいばかりの白光の鳥が羽ばたいた。

 これは、ぶち破られる。


「サリイよけろ!『ホワイト・ソニック』!!」


 直感した俺はサリイを逃がし迎撃。

 それでも俺の体は、大きく後ろに跳ね飛ばされていたのだった。


今回はトラオ君「が」特訓する感じでした。

次回はトラオ君とサリイさんが新パターンの覚醒発動をマスターする予定です。

どうぞ、お楽しみに!

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