76-3 結論:『赤』はパワーワード!
すみません、次回分をうっかり投稿してました。
いま投稿しなおしたものが今回分です……!!
「それじゃあねー、太郎と次郎と一郎と仁之助!」
「最後だけ違いすぎる!」
「それ以前に誰が次男系よ?」
「はいはい! 俺長男!」
「なにいってんの、どっちかというとおれでしょ?」
「それでは次郎仁之助に変えて『伯』と『エルダーブラザー』の使用を提案します!」
「かっけぇぇぇ!! なんかかっけぇぇぇ!!」
「ブラザー・カナタ! すげえ教祖っぽい!! いーじゃんそれ!!」
「やだよはずかしい! ブラザー・イツカでいいじゃ……なんか似合わないね……」
「はいはい俺『伯』がいい! ほら『辺境伯』ってかっけーじゃん!!」
「おおお! いーじゃん『辺境伯』! 確定的につええやつ!!」
「字は間違ってないけどこの伯は『長男』て意味だからね? 伯爵の伯ってことじゃないからね?」
「えー」
「えー」
「というか……どちらのイツカさんも『伯』がいいかんじですね?」
「うぐっ」
「やっぱり……
ではここは逆転の発想です! カッコイイ系はやめましょう! もめます!!」
「おおおお」
「その発想はなかった!!」
「代案は、トトリ?」
「もちろんありますとも! それは……」
その日の会議で決まったのは、わかりやすくて簡便で、もめようもない方法だった。
「赤の」「白の」をつけて呼ぶのだ。
この「赤」と「白」。なにかというと、魔王軍芸能部アイドルチームの区分を差している。
白組は芸能部専従組。芸能部以外に役職を持っていないメンツだけで構成されている。
すなわち、『おこんがー!』と『アオゾラミッツ』の五人。
このうち、アオバは白組リーダーでアイドルチーム総監督。
ミツルは楽曲制作、ソラは国立研究所の被験者兼用心棒もやってるけれど、いずれも芸能部以外の役職は持ってない。アイドル活動とレッスンを最優先し、何かの時にパッと動けるアイドル軍団だ。くぐつのおれたちはこちらに所属する。
対して赤組は、ほかに役職を持ってるメンツの集まりとなる。
『うさもふミライ』。そしておれたち『0-GKB』。
おれとイツカはこの『魔王軍』のリーダーだし、シオンはデータ・システム面総括で、ソーヤはその秘書。総務部お料理科の主力でもある。
ミライとミズキは、そもそも今ここにいないし、こっちにきたらそれぞれうさねこ、騎士団に元所属があるメンバーを総括的に見てもらうことになっている――現状その代理をやってくれているのがソーヤだったりする。
つまり、どうしてもほかの活動も入ってくるので、白組に先鋒を任せ、追っかけてくのが赤組というポジションだ。
まとめるなら、くぐつのおれたちが『白のイツカ』『白のカナタ』。
本体のおれたちが『赤の』以下同文。
これならもめようもない。満場一致で採用となった。
……もっともそれはすぐに砕けたのだけれど。
「赤にゃーんおーよしよしよしよし♪」
「可愛いのう可愛いのう♪」
「ニャー!!」
そう、現在赤リボン装備の本体イツカは『赤にゃん』と呼ばれていじられて(※物理的にも)いる。内心はまんざらでもなさそうだ。
だがほのぼの眺めていたら、調子ブッこいた奴らがこっちを向いた。
ほほう、お前たちがそういうつもりなら。おれはニッコリと笑っていった。
「そういえばおれ魔王だしー、赤系統ならブラッディなんとかっていうのもわるくないよねー……?」
「すんませんでしたぁぁぁぁ!!!」
いや、実際『ブラッディカナタ』なんてちょっとヘンだし似合わないから却下なんだけど、効果はてきめん。奴らは一目散に散った。
「でもたしかに『赤カナタ』ってのもちょっと長いよなー。アカナタとか?」
「いやそうなってくっと俺もシロイツカだし。なんか珍獣みたいじゃん」
「んー……じゃもう赤さんでよくね?」
しかしその次は、残ったイツカどもが好き放題言い出した。
ツッコミどころはいっぱいある、というかツッコミどころしかない。だがとりあえず、赤さんてそれどうなんだよ。まるでただものじゃない赤ちゃんのようだ。
緊急協議の結果。『赤』がパワーワードすぎたという結論により、くぐつたちは『白にゃん』『白ぴょん』本体のおれたちはそのまま呼ばれることとなったのだった。
ブックマークいただいておりました。ありがとうございます!!
がんばりますっ('◇')ゞ
次回、優しき戦乙女の祈り。
どうぞ、お楽しみに!!




