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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_75 破れ鉄壁! VS学園軍第二陣!!

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75-4 飛び込め、風樹鎧<シルウェストレ>! 勝ち取られた自由と、押し掛け捕虜たち!

うわああ大遅刻ごめんなさい……14:00まで所用でしたのです……!!m(__)m

 イツカをよけて陣形を変える、そのわさわさにまぎれ、月萌軍クラフターのひとりが護符『メギドフレア』の発動を準備している。

 気づいていないわけがない。だって、おれでもそうする。


 シオンの十八番『メギドフレア』は、超高エネルギーの極太レーザーをぶっ放す錬成魔術だ。

『陣が精緻で書きにくい=その場で書いて使うことはしづらく、護符も高価なものになる』『直線上のすべてを薙ぎ払うため、射線を開けないといけない』『サイズとポイント消費が直結する』という制約はあるものの、その攻撃力はピカ一。

 イツカやソラでも大ダメージは免れないし、おれもまともに当たったらアウト。

 しかも爆発属性がないので、レンの『爆神のお気に召すまま』で防御もできない。火と風、神聖の三属性複合なので、属性無効で防ぎづらい。打ち出し速度が速いので、一度放たれてしまえば操れない……と、もう『防ぐより射線外れて逃げるのが得策』という類の攻撃だ。


 おれの横には仲間たち。後ろには(そこそこ距離があるが)みんなでつくった基地。

 みんな気づいているし、回避も余裕だし、基地の防衛システムも、『メギドフレア』一発二発程度でどうにかなりはしない。


 しかし、ここはとっこむところだ。

 おれたちには、みんなで練った作戦がある。

『セント・フローラ・アーク』を、必携の防御技の座から降ろす。そうしてハナナさんとルイさんの自由を勝ち取るための。


「みんな『あれ』お願い! ちょっと行ってくる!」

「おう!」


 おれは自分に『絶対爆破防御アブキャン』の護符を使うと、『玉兎抱翼』で飛び立った。

 月萌軍陣地へとむけて飛びながら、向かい風をとらえて風の樹鎧ツリーアーマー<シルウェストレ>を形成。スピードを上げていく。

 もちろん、迎撃がガンガン飛んでくる。砲撃、銃撃、必殺技。

 大丈夫――『レッツ・パーリィ!!』――後ろから追いついてきた無敵の爆風が、すべてをぶっ飛ばしてくれた。

 一方護符の力で爆破ダメージを受けないおれは、<シルウェストレ>の大きな翼で、爆風をめいっぱいに受けさらに加速。一直線に『セント・フローラ・アーク』の効果範囲に飛び込んだ。

 それと同時に、『メギドフレア』の白い閃光が、おれにぶつかってきた。


『セント・フローラ・アーク』。舞い散る花びらと、花の香りのエフェクトとともに、『安全地帯』を作り出す合体覚醒技。

 出入りは自由だが、その中にいる者たちは、一切のダメージを受けなくなる。

 たとえテラフレアボムがさく裂しようが、メギドフレアの直撃を受けようが。


 つまり、おれも全くの無傷だ。

 宙にふわりと浮いたまま、ニッコリ笑ってこう言い放った。


「さすがは『セント・フローラ・アーク』。

 敵であるはずのおれたちでも、ちゃんと守ってくれるんだね。

 欲しくなっちゃったな。譲ってくれない?」


『ハナイカダ』隊の前まで移動し、静かに着地。

<シルウェストレ>を解除すると、ハナナさんとルイさんにむけて手を差し伸べた。


「ねえ、ハナナさん、ルイさん。おれたちのお城に来るなら、アルバイトと受験勉強のお邪魔はしないよ。

 ちょっと疲れて息抜きしたくなった時だけ、再現実験に協力してくれればいいだけだから。

 おれたちが、きみたちを守るよ。その身柄も、夢も、自由もね」


 月萌隊に動揺が走る。

 みんな、わかっているのだ。ハナナさんとルイさんの苦しみを。よくないことと思っているのだ、それを押しての出陣を。

 全員が止まった。距離を取ろうとしていた後衛たちも、イツカをとらえようとしていた前衛たちも、魔王軍陣営とけん制しあう遊撃たちも。


「……そうさせてあげたいのはやまやまだけどね」


 最初にきこえてきたのはアスカの大きなため息だった。


「それしちゃったら、月萌軍はもうダメなんだよ。

 すでに、『チコニアン_ウィッカーワークス』による再現はメドが立っている。今回は念のためにこうして二人に出陣してもらったけれど、次回からそれは必須じゃない。

 つまり、君たちの申し出を受けずとも、無事に帰りさえすれば、ふたりはアルバイトと受験勉強に専念できるのさ――ちょっと疲れて息抜きしたくなった時だけ、再現実験に協力してもらうことにはなるけどね。

 ふたりのご実家は高天原にあるんだ。親御さんたちにご心配をかけないためにも、ここは退いてはもらえないかな?

 もちろん、タダとはいわない。軍師たるこのおれ、自ら投降しよう。

 このまま抵抗をつづけたところで、ハナナさんとルイさんのTPBPが尽きるまでの命運だ。ラスボス二人にそろってここまで肉薄されちゃったんだからね?」


 ハヤトを従え、進み出たアスカはうっすらと笑んでいる。会心の笑みだ。

 おれはうなずくと手を下ろす。


「おれとしてはそれでもいいんだけど、ほかのみんなはそれで大丈夫?

『代わりに自分が』という人がいるのを無視したりしたら、遺恨が残るだろうからね」


 結局おれたちの基地には、あとがいろいろ面倒になる現役軍人のみなさん以外の全員。

 つまり、ハナナさんとルイさんも含む学園生と新卒たち、そしてなんか見覚えのあるフリーランスの遊撃手さんまでが、わさっとそろって詰めかけたのであった。

やっと決着がつきました(所要ターン数:3)(∩´∀`)∩ワーイ

カナぴょんは再会後ライムさんに(可愛く)叱られそうです。


次回! おしかけ捕虜たちと、かえってきた捕虜たちがたのしく宴をする予定です!!

どうぞ、お楽しみに!!

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