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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_75 破れ鉄壁! VS学園軍第二陣!!

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Bonus Track_75-5 うさぎ軍師、指揮を執る! VS第二陣、第二ターン!~アスカの場合~

『0-G(ストラーダ)』。

『グランドマザー』との二度目の謁見に臨んで、月萌・ソリステラス合同チームで王手をかけた、イツカの第四覚醒――ただし、未完成の。


 イツカ自身も当時『なんか……んー。スッキリしない……』と言っていたし、これはやはり、未完成形なのだ。

 けもそうびである『イエネコの耳(黒)』も、なにやらぼやんと燐光を放っていたことだし。


 それでも、強引にでも攻撃技として使ってしまう、そして、充分すぎるほどの効果を出してしまうあたりは、イツカの経験とセンスのたまものといっていいだろう。


 おそらく完成形は、完全に切り離した闘気の帯を空中に残し、時間差とかでいろいろ操る、といったものになると考えられた。

 アニメやゲームではよく見るが、実際にこれをできるものはほとんどいない、それこそトウヤやノゾミ先生ぐらいっきゃ手の届かぬレベルの、超高難度のシロモノである。



 つか、すでにいまの時点でむちゃくちゃなのだ。こっちの防壁全部ひとりでずばんどばんとか。

 ぶっちゃけかなりやばかった。なぜって、そのあとすかさずソラがさっきの爆発をこっちにお返ししてきたからだ。

 さっきのアレはただのパフォーマンスでなく、素早くこっちに爆風攻撃をするための準備だったのである。

 あらかじめ待機してもらってたメンツにより、張り直しは僅差で間に合ったものの、僕もちょっぴり冷や汗をかいた。


 やってくれる。さすがは、カナタだ。

 これなら、だれが見たって思いようもないだろう。これにいまだ、『出来レース』なところがあるなんて。

 いまだグダグダと疑いを垂れ流す輩も、これですこしは大人しくなることだろう。

 そうすれば、あとはより捗るというものである。



『イツカとカナタを、世界の『犠牲』とするため、いっちょまえの大魔王に育て上げる。そうしながらも、利用しつくす』。外道クソとしか言いようのない施策だ。

 ならは逆に利用してやろう。『魔王軍』を勝たせ、勝たせて、ラストバトルで完勝とする。それが、僕たちのきめたプランだ。


 この戦い、次の戦いに敗北すれば、第四陣でソリステラスの最強たちが参戦、捕虜を経て『魔王軍』に加わる。

 彼らを手始めにしてソリステラスの兵力を取り込んでゆくことで、『国家間での戦争を避けての世界大戦ワールドバトル』の構図ができあがる。

『魔王軍』の進撃は、そこからだ。



 しかし今はまず、この戦いを無事にやり遂げることだ。

 後方の遊撃手がソラを狙撃し足止め。イツカは前衛砲撃手からの攻撃をかいくぐり、前衛ハンター部隊に迫っている。

 このタイミングなら。僕はパチパチと手をたたくと、レンに誘いをかけた。


「はーおみごとおみごとー!

 つかレンレン? どーしてテラ投げてこないのかなー? もしかして『爆殺卿』は卒業かなー?

 せっかく『テラシャイ』攻略のためにこの布陣にしたのにさー」

「バァカ言っちゃいけねーぜ!

 さっきおめーがよこしたの、どっちもコナコナボムだったろーがよ。

 ンなもんにオレとチアキの愛の結晶をぶっこめるかってんだ!

 出して来いよ最新ッ! 出し惜しみしてっとこのまま全員ブッとばすぞゴルア!!」


 レンのやつ、絶好調だ。

 いやしかし、それはノロケか。ノロケなのか。


「ふあああ、レン?! あ、あのっ、あいのけっしょうってえええ?!

 えっと、えっとね、レンのきもちはとってもとうといし、だいじだとおもうし、僕もうれしいし、でもねえっとね……」


 さすがにチアキも真っ赤になってる。

 レンもあっと真っ赤になった。


「あっわりっ、そっそっそういうんじゃなくって!!

 ほら、その、そう、友愛っ!! 友愛の愛だから!!」

「はわわ、そ、そう、そうだよね! そ、そう、そうだよねっ!!」


 どうやら口が滑っただけらしい。クレハとチナツが召喚した召喚獣(と勝手に出てきた女神クレイズ)たちが、全員なんか残念そうにそっちを見ているのが笑える。

 さすがに正規の月萌軍人たちはそんなそぶりを見せない。いや、前衛たちとクラフター部隊はそもそもそれどこじゃないのだが。あ、プリースト部隊はチラチラ見てる。つかリンカさんサクラちゃんは嬉しそうだ。いいのかそれで。

 フリーランスである尼僧衣の遊撃手は、フリーダムにひゅーひゅー。しながら、ふたたびソラをどばんと狙撃。肝の据わった女性である。


「んっまあ、そーゆーことならエンリョせずいこうかなー? ごめんねカルテット――!」


 間合いよしタイミングよし、僕はこんどこそテラフレアボムを召喚。

 もちろんご要望通り、両手から最新だ。

 レンもうれし気に笑うと空高く舞い上がり、独自カスタムの最新と思しき三連式をブチおとしてきた。


「おっしゃあそーこなくっちゃなあああ!! 下がれソラァァ!!」

「『レッツ・パーリィ』ッ!!」


 僕たちふたりの声がハモると同時に、計五本の破壊の象徴が煙を吹いて飛び出した。


「今よっ、発動!」

「『セント・フローラ・アーク』ッ!!!」


『ハナイカダ』隊のガーディアンである、ルリさんの声がりんと響く。

 いまだ騎士団創始者カルテットによるマイナー版も稼働しているが、それだけではしのぎ切れない、と彼女は判断したのだ。

 また、月萌軍前衛部隊とイツカはもう接敵しているため、イツカもまたセント・フローラ・アークの庇護下に入ってしまうが、それでもかまわない。まずはとにかく『テラシャイニー』を食い止めなければ、とも。

 ――ぶっちゃけ、それは大正解だ。


 ハナナさんとルイさんが、ぎゅっと手を握り合って覚醒発動すれば、とりどりの花びらと花の香りの舞い散るエフェクトとともに、ほんのり薄紅色の守護フィールドが月萌陣営を包み込む。


「よし、チアキ!!」

「おねがい!!『優しき牧陽犬シャイニー・ドッグ』――!!」


 全力退避するソラの水の鳥。その尾羽を焦がす勢いで激突した強指向性テラフレアボムの爆炎は、ほとんどすべてがこちらの防壁に襲い掛かってきた。


「うわああ!! シロウ――!!」


 コウの悲鳴に近い声が上がる。

 みれば、マイナー版SFAが効果限界で消滅。同時に、シロウの全身を覆っていたウィッカーワークスの回路が、ばちばちと音を立てて焼き切れた。


「だい……じょうぶだ。俺には、ダメージは、ない……つかれた、だけ、だ……」


 コウの腕の中で脱力するシロウ。TPBPが完全に切れているようだ。

 いちおう、月萌製の『バッテリー』もウィッカーワークス経由でつないであったのだが、そっちもすっからかんだ。

 ダイトがシロウをおぶいつつ、僕に声をかけてきた。


「アスカっ! 俺たちで二人を下がらせる! すぐ戻る!」

「おいさ! ありがとねっ!」


 非情なようだが、最初からこうなることは予測されてた。

 マイナー版SFAは、二回の爆発で限界を迎え、回路は破壊される。

 四人は、それでもギリまでがんばると言ってくれたのだ。

 その撤退を、バトンタッチを安全なものにするために、僕はあえて、この序盤にカードを切ったのだ。



 さあ、これでひとくぎりだ。

 SFAの影響でお互いダメージを入れられなくなった前衛たちとイツカが、武器を収めて格闘戦を始めてる。

 もちろんこれも想定ずみのオプションで、盾使い含めてイツカを囲み、とらえる手はずになっている――もちろんそんなことできるわけもないのだが。

 イツカは『超越者オーヴァーロード』の黒猫だ。その身ごなしと覚醒技で、するりにょろりとすりぬけてしまう。


「捕まえろー! 後衛には近づけるなー!!」


 虎娘の姿のスゥさん、巨鳥のルゥさんに守られて、『ハナイカダ』隊、プリースト隊が後退。

 ヴァラさんが猪神獣の力を使い、後方警戒を続ける一方で、こういうとき要員の蛇神獣シャシャが捕縛に向かう。


 前に後ろに、わさわさと動く陣構え。

 けれどそのなかにかくれ、月萌軍クラフターのひとりは、必殺の上級錬成魔術『メギドフレア』の発動準備をそっと進めている。


 さて、カナタは気づいているのか。どう対処するか。

 僕は期待を込めて、親愛なる好敵手の様子をうかがったのだった。


なんか長い……バトル大好きなのかわたしゃ。(※うまいとは言ってない)

次かその次で決着予定ですっ!

どうぞ、お楽しみにっ!!


なお本日中に冬童話投稿します(やっと書きあがりました)! よろしければそちらもぜひどうぞ!!

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