75-3 イツカ、第四覚醒発動?! 翔撃の『0-G*(ストラーダ)』!!
「いやっは――! さーって今日も、がんばろ――っ!
というわけでー、どっちがホンモノでっしょーかっ?!」
アスカはにぱにぱふりふり手を振ると、先週のように両手を広げる。
掌の上に開いた異空間ゲートから飛び出すのは、人の背丈を超える大きさ、白い弾頭を有したあいつが一本ずつ。
同時にあちらの左翼前衛に陣取る月萌軍砲撃手が、だまってもう一本をぶっ放してくる。
同時に、月萌軍全体をオレンジ色の錬成陣が包む。左翼後方の月萌軍クラフター陣が、『エリアインフォース』の護符を発動したのだ。
全軍強化。もちろん三本の飛翔体こみでだ。
もちろんこちらも同じ手を取っている。こちらの左翼後方でバックアップを担うクーリオが護符を発動した。
イツカとソラ、『魔王軍』前衛ツートップの呼び声高い二人は、ぎりぎりその恩恵を受けつつ、地獄の爆発のただなかへ飛びだした。
『え、ちょっ?!』
『むちゃ! いくらなんでもむちゃだろ!!』
『えっえっ、シャイニーでいかないの?!』
時空を超えるおれの耳に、だれかの悲鳴がとびこんだ。
それはあちらのだれかのものでもあるし、いまネット中継でこの戦いを見ているギャラリーのだれかのものでもある。
だが、それはすぐに驚きと称賛の声に代わる。
おれたちを守るのは、青くすきとおる翼をひろげ、仁王立ちした水の巨鳥。
その冠羽のただなかでりりしく立つ、戦いの天使。
白くまぶしい戦装束も、ほとんどプラチナに近い金髪も、もちろんその繊細な美貌にも、一ミリの傷も焦げもない。
日差しを受け、水の翼にキラリと光ったのは、サンフラワーゴールドの文様。
響き渡るのはこんな声。
「そんなのじゃ、俺は倒れない!
俺と、俺の仲間たちはっ!!」
今日は仮面をつけてない、悪党モードじゃないソラだ。
絵面的にかんっぜんに、正義の味方である。いろいろな意味でありがたい。
けれどそんな輝かしさは一瞬で吹っ飛ばされた。
『チィ、こき使ってくれやがってよォ!』
『とかいって余裕なんでしょアンタ? トーゼンよね、このバニーさまが支援してあげてんだから!』
『おいくっついて高笑いすんじゃねえっ! おいっ、ちょ、当たってるだろ、おいって!!』
そんな夫婦漫才が始まってしまったからだ。
そう、今のはこっちにむかう爆風と衝撃の八割程度を『強欲』が収納したから可能になった、はなれワザだ。
もちろん三発すべてがテラではなかったとはいえ、計算しつくして起こされた粉じん爆発の威力はすさまじいものがあった。こなせたのは『虚飾』の愛のこもった補助のおかげである。
ちなみにグリードがしまいきれない分も、けしてノーガードで受けたわけではない。
ソラ本人へのダメージは『色欲』のもつ技『ヘイズ=ルーン』、『嫉妬』の恩恵『獲得BP上昇』、スキル『ブラッドサッカー』を組み合わせた被ダメからのBP獲得(※ボーナスつき)→BPHP変換による『永久機関コンボ』でゼロにしてある。
イツカのほうはというと、レンからかけてもらった『爆神のお気に召すまま』の効果で身を守り、すでに爆域を駆け抜けていた。
すでに、コウとシロウによる『マイナー版セント・フローラ・アーク』が発動。
さらにはS級プリーストたちが多重展開した神聖防壁が重なり、その内側はいくつもの強化の輝きに満ちていた。
にもかかわらず、その中の彼らは狩られるものの表情をしていた。
それはたぶん、予測していたからだろう。
イツカが不完全にでも、第四覚醒を発動させることを。
「っしゃあ!! ダメもとフルスロットル、いっくぜぇっ!!
0-G、ストラーダァッ!!!」
戦装束の黒猫騎士は、走りつつ抜刀。刃の軌跡は輝く闘気の尾をひいた。
やがて大地をひとけり、ゆうに校舎を飛び越す高さから剣を振りぬけば、イツカから続いた光のリボンが、すべて斬撃となって守りの壁を切り裂いた。
一ターンで一話……だと……
あ、とりあえずグリードさんは爆発してください。
なお、冬童話が書けてないのがいちばんのピンチです。((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
次回、つづき!
お楽しみに!!




