Bonus Track_75-2 守りたい、守ってあげたい、それでも~ツクモエ航空防衛隊ルリ・ツヤマの場合~
ただのつぶやき回も、最後の一文でサービスシーンになっちゃう! 不思議!!(おい)
ルリさんはStage19、こよみん事件のときに一度モノローグしてくれた人です。
一体どのくらいの人が覚えてるのだろうか(無茶)
次回、学園生たち視点。
チコニアン_ウィッカーワークスの開発を進めるコウたちです。
どうぞ、お楽しみに!
『こんなことになってしまって、ごめんなさい。
二人のことは、私たちが絶対に守るわ。だから、安心して』
そう伝えれば、少しだが、笑ってもらえた。
心苦しくないわけがない。高天原町立第二幼稚園は、わたしたちもかよった場所だ。
なんなら、親戚の子だっていまお世話になっている。
そこではたらきたい、子供たちを育て守ってあげたい。そんな希望に燃えていた後輩を、その意に反して戦いに引っ張り出す。
そんなこと、しないで済むなら、それに越したことはないのだ。
その気持ちは、幕僚長を務める父たち――『上の人間』もだいたいおなじなのだ。
しかし『テラ・シャイニーコンボ』は、『0-GX』とならぶ脅威。
参加者全員に『絶対爆破防御』を所持、もしくは装備させればいいのだろうが……
次段階の覚醒でチアキ君は属性付加や変更の類を身に着けるだろうと予測されていた。そしてそれが第二陣に間に合ってしまう可能性だってある。
S級レベルの神聖防壁を何重にも重ねれば防げないことはない。
けれど、そのレベルになると消費も大きい。
その場で安定して連発できるのは、軍でも上のほうの実力を持つもの。エクセリオンや、それに次ぐ者たち。そして希少なタイプ・『白妃』の特化型プリーストたちくらいだろう。
つまり、現時点確実に防ぐにはどうしても『セント・フローラ・アーク』が必要となる。
だからこそ『魔王軍』も、ふたりを真っ先に狙ってくるに違いない。
守らなければ。そして無事、第二陣の戦いを乗り越えさせてあげねば。
――それでも、思うのだ。
いつまでもこんなことをつづけていちゃだめなのだと。
そもそもイツカとカナタが突然『世界の敵』なんてのも、理不尽な話なのだ。
まあ、それを言うなら、戦争自体。それをするよう定められたこのセカイじたい、理不尽なものなんだけれど。
それでも、目の前のことは乗り切らねばならない。
出陣は週明け月曜。ルーキー以外の現役を加えた戦い――否、襲撃戦は、もう決まってしまっているのだから。
もう一度、大きくため息をつくと、わたしはシャワーを止めた。




