表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_74 アフター第一陣! 高天原のあれやこれ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

854/1358

Extra Stage_なんとなく何かがちがう、高天原十二支物語!(完)

バトロワの予定なんかなかったんや……orz

 アナウサギたちのうち三人は、後衛一人・前衛二人でパーティーを組みました。

 すなわちネザーランドドワーフ(ピーナッツ種・黒)のシオン、ライオンラビット(グレー)のソーヤ、フレンチロップ(クリーム)のミズキで結託。

 専門用語で『うさもふ三銃士』。安定の体制で戦いにのぞみます。


 対して少数派のノウサギと空想上のうさぎ――オグロジャッカスラビット(黒)のイズミと、でかもふロップイヤー(ミントブルー)のカナタも手を組み、それぞれの相棒を加えて四人パーティーを結成。前衛二人、遊撃二人で対峙します。


 残るひとりのアナウサギ、ブリタニア・ペティート(白)のアスカはというと、相棒のハイイロオオカミ・ハヤトとともに、すこしひいて両軍の様子見です。

 なぜって?

 ハヤトともども『うさもふ三銃士』に合流すれば、この場は有利になります。

 けれど、問題はそのあと。

 つぎの戦いはシオンたち三人と、アスカたち二人になるでしょう。

 それではぐっと不利になってしまうのです。


 おなじことは、イズミ・カナタの混成軍がわでも言えました。

 三つのバディで力を合わせ、六人で三人を倒すなら、大幅に有利です。

 けれどそのあと、もしもイズミバディとカナタバディが結託して向かってくれば、まず勝てません。


 かといって、ハヤトと二人だけで孤立していれば、まっさきにやられてしまうって?

 実はそうでもないのです。


 イズミとカナタの混成軍は、アスカたちには仕掛けてこられません。

 というのも、そうしたらアスカたちは、同じアナウサギのよしみでシオンたちのもとに逃げ込み、混成軍は不利になってしまいます。

 シオンたちもそれを期待して、アスカたちには仕掛けてきません。


 そんなわけで、にこにこにんまりのアスカと、ため息をつくハヤトの目の前で、壮絶なチームバトルが幕を開けました!



「『クロックアップ』!」

「『0-G+』っ!!」


 俊足をほこるスピードスター・イズミが一気に斬りこみます。

 イズミにつづき、イエネコ(黒)イツカもぴょーんと突撃です。


神聖強化ホーリーインフォース!」

「『アトリエ・ラパン』!!」


 迎え撃つのはミズキとソーヤ。

 冷静に唱えた強化の神聖魔法と、覚醒もふもふバリアを駆使してふせぎます。


 せめぎあう前衛四人の後ろで、それそれの後衛たちも技を準備し、あるいは繰り出します。


「もうすこしもたせて! いま錬成陣かきおわるからー!」

「がんばれイズミー! おりゃあああっ!!」

「イツカ、もう一発『0-G+』いこう!」


 シオンは地面にしゃがみこみ、とくいの上位錬成魔術『メギドフレア』の錬成陣をかりかりと描き進めます。

 イズミの相棒であるクルペオギツネ(オレンジ)のニノはおりゃああと気合を入れて、『クロックアップ』のためのパワーを送ります。

 そしてカナタは相棒のイツカを近くで支援するため、大きなおみみを羽ばたかせて飛び立ちました。


 激しく戦う二つの陣営。その様子をたしかめて、アスカがにんまり笑います。


「位置よーし、タイミングよーし。

 よっしゃああ、『レッツ・パーリ」

「こらー!!」


『レッツ・パーリィ!』とテラフレアボムをぶん投げようとした、その時です。

 かわいらしい声がふたつ、戦場にひびきわたりました。


「みんなー! なにやってるのー!」

「新年早々けんかはだめでしょ、お兄ちゃんたちっ!」


 みんながふりかえるとそこにいたのは、晴れ着姿もかわいらしい、まめしば(チョコレート)とこうさぎ(サクラピンク)のカップル。そう、みんなの弟分のミライくんと、カナタの妹のソナタちゃんです。

 かわいいふたりが一生懸命に『お兄ちゃんたち』をしかる様子は、もうかわいいとしか言いようがありません。

 かくして満場一致で、この争いの勝者は決定したのでした。

 ついでに、次の十二支メンバーも決まりました。


4th……でかもふロップイヤー(ウサギ目ウサギ科でかもふ亜科)※空想上の種類

11th……シバイヌ(ネコ目イヌ科イヌ属)




「あああ、かわいい……みなさまほんとにかわいらしい……

 今年も年明けから幸せです……やっぱりチナツ様の召喚獣になって正解でした……」


 その様子を物陰から見守る、知的な眼鏡の女性が一人。

 なんだかちょっと息が荒いような気がしますが、走ってきたせいです。間違いありません。

 それでもしっかり着込んだ晴れ着ときっちりセットしたヘアスタイルは一ミリも乱れていません。謎です。


「何をしておるのじゃ、そんなところで?」

「ふぴゃあっ?!」


 しかし、いつのまにか背後をとったシャスタさまに肩をたたかれれば、かわいらしい声を上げて飛び上がります。

 ギャップもえに弱いチナツくんが、思わず鼻を押さえました。


「ほらほらヴァラ、せっかくおしゃれしてきたんですから、中に入りましょう。

 今なら『かがみもち』ももらえますから、ね?」


 内気すぎて……いやうそです、物陰から見守るの大好きすぎて、へたすると不審者ムーブになってしまう同僚を、シャシャくんがやさしくエスコートします。

 もちろん、十二番目の入場者になったヴァラさんには、セレネ様からかがみもちが手渡されます。


 こうして、高天原の十二支が全員めでたく決定。

 月晶宮での新年会が、にぎやかにスタートしたのでした。


12th……イノシシ(ウシ目イノシシ科)※ただし神獣



おしまい!


ネザーランドドワーフの『ピーナッツ』というのは、ざっくりいうと『ちっちゃくなるぞ遺伝子』をフルに持って生まれた、超超ちっちゃいうさぎです。

(ふつうの子うさぎの半分もないのです!)

そのほとんどは成長することができないという悲しい定めですが、ごくごくまれに生き残ることもあるのです。

まさしく、尊いとしかいいようのない存在です……画像見ているとそれだけで涙が( ;∀;)


シオンはこの子たちに自分を重ねています。

そのエピソードは、またいつか。


さて、そんなわけで次回は新章突入!

レンとチアキの必殺コンボを覚醒技で耐え抜いた奇跡のバディ『ハナイカダ』のふたりに、試練が訪れます。

二人の少女に手を差し伸べるのは……?

どうぞ、お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ