表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_74 アフター第一陣! 高天原のあれやこれ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

845/1358

Extra Stage_優しすぎるうさぎ王子様と、剣の妖精〜たれみみ聖者さまのおはなし〜(1)

クリスマス回はたれみみ聖者さまのおはなし、逆輸入です^^

二回に分けます!(←おい)

 むかしむかし、あるところに、ひとりの王子さまがおりました。

 ぴんとはねた、晴れやかな白のおみみと、青い瞳をもった、たいそう美しく、優しいうさぎの子です。

 道ばたに咲く小さな花にも心を寄せる、心優しい王子さまを、みんな大好きでした。



 王子さまは、とてもよくできたお子でした。

 勉強も運動もよくできて、ダンスも得意。

 むずかしいお作法も、すぐに覚えてしまいます。


 でも、剣術だけはからっきし。

「誰かをたたくなんて、かわいそうなこと、できないよ!」

 そう言って逃げ出してしまうのですから、みんな困ってしまいました。


 お父さまである王さま、お母さまである王妃さまは、それならと一計を案じました。

 お誕生日のおくりものに、とてもきれいでかっこいい剣を作らせて、王子さまにプレゼントしたのです。


「わあい、おとうさま、おかあさま、ありがとう!

 ぼく、この剣を宝物にします!」


 王子さまはとてもよろこんで、その剣をいちばんの宝物にしました。

 どこに行くときも腰に下げ、夜寝るときもいっしょです。

 毎日きれいにお手入れをして、ときには優しく話しかけます。


 それでも、王子さまは、剣をふるうことができませんでした。

 それは、王さまや先生から、どれだけ厳しくいわれてもです。

 王子さまのお姉さまたちは、王子さまを馬鹿にしてか、下働きの女の子の服を着せたりするようになってしまいました。

 あの腰の、立派な剣はお飾りか。陰口をたたく者もあらわれます。

 このままではいけません。王さまたちは集まって、どうしようかと相談しました。


「どうしよう、どうしよう」

「これでは、この国そのものも馬鹿にされてしまいます」

「こうなったら、お隣の国の、たれみみ聖者さまにお願いしてみてはどうでしょう?」


 この国と、お隣の国は、仲良しです。

 さっそく王さまがお手紙を書いて、聖者さまに来ていただけることになりました。



 さて、たれみみ聖者さまとは、どういった方なのでしょう。

 この方は、となりの国の王子妃さまです。

 大恋愛のすえに、森ねこの王子さまと結ばれるまでは、得意の発明であちこちの動物たちを助けていた、美しく優しいたれみみうさぎです。


 空色の毛並みに、アメジストのひとみ。首には黒いマフマフという、うわさどおりの姿の聖者さまは、王さまや王子さまやお城の人としばらく話をしていました。

 しかし最後に聖者さまは、こういいました。


「わたしがしてあげられることは、もう何もありません。

 あともう、ほんの少しでいいのです。王子さまをそっと、見守ってあげてください」


 これをきいて、血気盛んな騎士さまたちは、おこってしまいます。


「なんだ! 聖者さまというから、期待していたのに!」

「結局、なにもしてくれないのか。帰ってしまえ!」

「まって、まって!」


 王子さまは、あわてて飛び出します。


「聖者さまを、悪く言わないであげて!

 聖者さまは、僕のおはなしを、ちゃんと聞いてくれました。

 そのうえで、そうすることを、選んでくれたのです。 

 どうか、お願いします。怒るなら僕を、怒ってください!」


 すると、王子さまのお姉さまたちがいいだします。


「ならば言うわ。あなたもあなたよ、王子」

「未来の王さまならば、いざというときには剣を取り、弱き者たちを守らなきゃならないのよ」

「それができないというならば、あなたは王子にふさわしくない。

 いますぐ、この城を出て行ってしまいなさい!」


 そのときです。王子さまの腰で、宝物の剣が輝きます。

 まばゆい光が引くとそこには、王子さまにどこか似た、かっこいい騎士さまが一人立っていました。


さて、キャストはだれが誰でしょう?

次回、大団円とキャスト明かしです。

どうぞ、お楽しみに!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ