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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_73 できたて魔王軍はおおいそがし!

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Bonus Track_73-7 こうさぎだって、がんばります!~ソナタの場合~

 高天原学園のサイトには、対『魔王軍』バトルイベントによる入学受け付け、ならびに授業や実習のカリキュラムへの変更はいっさいありません、と書いてある。

 さらに、新入生がイベントに強制参加させられることはないので、今までと変わらずにティアブラをプレーし、『戦士昇格』を目指してくださいとも書いてある。


 でもお兄ちゃんたちは逆に、しばらくティアブラをプレーするペースを緩めてほしいと発表していた。

 理由は、いま高天原には『神の呪い』がかかっているから。

 つまり、もしいまAランク100万を達成して、高天原に行ったら、そこにある『呪い』につかまってしまう。

 そうして、イツカお兄ちゃんとカナタお兄ちゃんのことを、敵だと思いこんで、狩りの目標にしてしまうからだ、という。


 お兄ちゃんたちが急に高天原から逃げてきたのも、そのせいなのだ。

 セレネさんも、ライムお姉ちゃんも。みんなおかしくされちゃったのだという。

 いくらなんでも、あんまりだ。

 そう思ったわたしたちは、全力でお兄ちゃんたちに味方することにしたのだ。

 星降園に戻ってきたお兄ちゃんたちを捕まえて、みんなで頭を下げた。


「ねえお兄ちゃんたち。わたしたちも『魔王軍』に入りたい!

 ミズキお兄ちゃんにも聞いたとおり、星降園にはのこるけど。

 でも、一緒に戦いたいの。お願い!」


 でも、おにいちゃんたちは『ごめんね』という顔になった。


「あー。気持ちはうれしいけど、そのー……」

「あのね。落ち着いて聞いて。

 基地やその周辺は、ヴァルハラフィールドにあるんだ。

 だから学園生とか卒業生、シティメイドじゃないと、そもそも入ることができないんだ。

 一時的に空間をいじって、ちょこっと見て回るとか、お茶するぐらいはできなくないけど……」

「えええ……」


 つまり、役に立つことはできないという。

 カナタお兄ちゃんが、優しく言ってくれる。


「みんなの気持ちはほんとにうれしい。

 いざってときにはたすけてほしいって、ほんとに思ってる。

 でも、こっちにきたら真っ先に狙われる。

 なぜって、おれならそうするもの。

 実際の戦いの場をヴァルハラフィールドに絞ったのは、そうしたことを避けるためなんだ」


 冷徹な軍師の顔をのぞかせるお兄ちゃん。ちょっぴりこわい感じもしたけど、でもそれは、それだけがんばってるってことの裏返しだ。わたしはさらに食い下がった。


「それじゃあ、依頼! ミッドガルドで依頼出してるでしょ。これ、ソナタたちにやらせて!」

「………………」


 すると、お兄ちゃんたちは顔を見合わせた。


『これは、おれから言おうかな。

 おれをつくったマスター、アスカの昔ばなしさ』


 すると、ライカちゃんがしずかに話し出した。


『みんなさ。『竜の涙とエンジェルティア』って都市伝説、しってる?

 あれね。ほんとにあることなんだ。

 これはって目をつけたプリーストとその相棒を、特殊なクエストに巻き込んで、強引に高天原に連れていく。

 アスカとハヤトは、奇跡ともいえる『生還エンド』を達成して特待生として学園に入れたけど、その後も理不尽な苦労を強いられた。

 今でもこれは、システム的には可能なんだ。

 いや、『エンジェルティア』なんてまだ生ぬるい方だ。

 さすがに冒険者ランクCからAっちゃ無理だけど、Bからの特例入学は『オッドアイの黒ウサギ』イベントで実現してる。

 さらにTPなんかは、テキトーに財宝なり落とし物なりつかませりゃどーとでもなる。300TP突破しちまえば、その他一切すっ飛ばして天使化で召喚だ。

 ことしまだ15になってない子はそれでもまだ大丈夫だろうけど、それ以上の年齢の子供には、いつお迎えが来ても不思議じゃない。

 いま月萌政府には、差し出すことのできるでっかい首が一つあるんだ。そいつに全部をおっつけて、面倒なことをすべて片付ける、そんなことだって考えられないことじゃない』

「それって……」

『リュウジ・タカシロ。

 彼自身もそのつもりのはずだ』


 その名前は知っていた。月萌で最大の与党『月萌立国党』の党首。

 セレナ・タカシロに力を借りて、いろいろよくないこともしたと明らかになり、近々引退することになっている。


「マジか……」

「もう引退するつもりのひとに、そんなことさせるの?!」

「えげつねえ……」


 コユキちゃんはだまってうつむいてしまう。かわいそう、そう思っているのだ。

 なんとか、なんとかしたい。そう思ったら、ひとつのアイデアがわいてきた。


「……逆に、わたしたちなら。

 まだ15じゃないわたしたちなら、依頼やクエストどんどん受けても、大丈夫ってことだよね!

 入学可能年齢引き下げは、来年のことだし!」

「いやまってソナタ。手術と引き換えにハートチャイルドが高天原に行けるようになるのが、12歳だったよね。

 学園に入らなくても、高天原に迎えるルールはとっくにある。危険だよ!」

「だいじょうぶ! そのときは、こっそり『魔王軍』のエンブレム付けていくから。

 そうして、高天原からお兄ちゃんたちの味方する!」


 カナタお兄ちゃんは絶句していた。

 声を上げたのは、イツカお兄ちゃんだった


「よし。

 頼もうぜ、せっかくだから。

 だいじょぶだ。あっちにも味方はたくさんいる。

 ノゾミ兄ちゃんや、ミソラ姉ちゃん。エクセリオンたち。

 タクマやエルマーだって来てるし、ライカがブラックムーン中継してくれれば、スターシードでないやつらだって正気でいられるんだ。

 高天原のみんなと、ソナタちゃんたちを。信じてみようぜ。

 それにそもそも、そんなことにはなんないかもしれないしな!」

「うー……………………」


 カナタおにいちゃんはうーんうーんとうなった。

 でも、やがて顔を上げると、言ってくれた。


「でも、控えめにね?

 リアルが最優先。無理なことや、無茶はしないで。

 約束できる?」

「うん!」


 わたしたちがそろってうんというと、お兄ちゃんもようやく、OKをくれた。


「……わかった。

 ミッドガルドのいくつかの町に、いまうさねこの名前で依頼をいくつか出してるんだ。

 みんななら、信用できるし。

 どうか、おねがいします!」


 お兄ちゃんは決意の表情で、頭を下げてくれた。

 こうしてわたしたちも、お兄ちゃんたちの仲間として、がんばれることになったのだった。


綺麗だろ、これ二日しかたってないんだぜ……(爆)

次回、新章突入! ふたたび高天原に視点移ります。

この章では第二陣が来ます! こんどはあまり新キャラ入れずに済ませたいです(心の叫び)

どうぞ、お楽しみに!!

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