73-1 おさぼりとおしおきと! 戦士たちの昼下がり!
2021.12.28
サラッと間違ってました……修正いたしました。m(__)m
それに週末には、もっと手ごわい第二陣が来る。
↓
それに週『明け』には、もっと手ごわい第二陣が来る。
「たっだいまあああ!!」
基地にもどるなり、イツカは駆けだした。
なぜか。
「おおお! 帰ったか――!」
「お待ちしておりました!!」
「イツニャンおかえりー!!」
「さーバトルバトル――!!」
「バトルだああああ!!」
非番のハンターたちと、一人ちょっと早めに哨戒切り上げたやつが我も我もと走ってくる。
そう、戦技指導という名のバトルの予定があったためである。
基地やその設備を作るクラフター、環境をととのえみんなの体調を見るプリースト、そしてイベントを控えたアイドルたちは忙しい。基地の警備はどうしても、それらの役を背負っていない、もしくはサブにとどめるハンターたちの肩にかかってくる。
月萌国は今、おれたちを切り崩すわけにはいかない。
だからといって、不測の事態はいつだってあるもの。けして、無防備でいていいわけではない。
それに週明けには、もっと手ごわい第二陣が来る。
だから一日でも、一時間でも早く、強くなる。
それが、『魔王軍』警備隊たちの最優先課題なのだ。
そのために、訓練は欠かさない。イツカも、全力でそれにこたえる所存だ。
そう、まるっきり武器防具装備してじゃれあってるようにしか見えなくても。
一部、どさくさにまきれてモフモフしてるようにしか見えなくっても。
「っていやモフモフはあとにしなさ――い!!」
とりあえずおれも、つっこみのギガフレアボムをぶんなげた。
「いや~効いたな~」
「あっははー、開幕ギガフレアボムに終盤斉射とかさすが『うさぎ男同盟』だわー!」
「だーなー!!」
「でもみんなギガで倒れねかったじゃん! すげーつえーわ!」
そして数分後。
戦技指導は終わり、ニコニコ顔のハンターどもがその場にごろごろしていた。
これは、おもに暴れたための体力切れである。おれが無差別斉射をかけたためではない、はず。たぶん。きっと。
身の丈を超えるグレートソードと並び、楽し気に転げている大柄な黒髪少年がオウマ。
双剣を両手に笑ってる青髪がソウジ。
手からすっぽ抜けたバスタードソードが頭のちょっと上にブッ刺さった状態でも、元気な声を上げてるちょっと小柄な金髪がルーファス。
そして最後、イツカブレードをしっかり握ってブッ転げてる黒猫野郎がイツカだ。
「ありがとうございます、カナタさんもお忙しいのに加わってくださって」
「ほんとねー。カナピョン後でお礼するねー?」
おなじ剣士でも、ムネツグはちょっと趣が違う。いち早く立ち上がると納刀し、ていねいにお礼を言ってくれた。
クラフター兼業のクーリオは、どっちかというと補助ポジなので転げるハメになる必要まではなかったのだが、最後に「あははははー!」ととっこんできた。なんというか、そのエンターテイナー魂には敬意を表さずにはいられない。
「ごめんね、ルーまで混ぜてもらっちゃって。ていうかモフりにきちゃって。
もうこいつすきなだけモフり倒してくれていいから!」
と、アウレアさん――ルーファスの相棒――がいい笑顔で、魅力的な提案をしてくれた。
ルーファスの金色の狼耳(冬毛仕様)はふっかふかのもふもふだ。
だが、紳士なおれはるんるんとモフったりしない。
「大丈夫だよ、イツカも楽しんでたからさ」
「こーら、カナタは優しすぎだぞ?
哨戒ブッチとか、ぶっちゃけサボリなんだから。ちゃんと『めっ』しないとダメなんだからね?
そういうわけでおしおきにアウレアをあたしがモフりまーっす!」
しかし、そこにキビシイ先輩がやってきた。
月萌空軍からやってきた、現役軍人のマユリさんだ。
彼女はお仕置き宣言ののち、アウレアさんをモフりはじめた。
客観的に描写するとこれは、コウモリ羽根の美少女がくまちゃん装備美少女をモフモフしてるという構図だ。
つまりマユリさん、それはむしろごほうびです。心の中でそう叫んだおれたちだったが。
「ええええ!! ちょー、まってだめええ!! アウレアはオレの、っじゃなかったあわわー!!」
跳ね起きるルーファス。ざわつくそのへん。
どうやらお仕置き効果は絶大だったらしい。
コウモリ羽根の鬼教官はいい笑顔で親指を立てた。
・新規加入の皆さん設定し終わったの今朝ですよ(泣)
・『ブラックアイスバーン』って現象名、めっちゃ厨二……ッ!!
・経験値かまどがダメになるという訃報をうけて軽くショックです。
※下二つの文章は内容と全く関係ありません(爆)
次回、こつこつ錬成するクラフター陣……うまく書けるか謎!
どうぞ、お楽しみに!




