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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_72 開戦、ラグナロク!

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Bonus Track_72-6 ヒトがヒトであるゆえん(2)~イツカの場合~

出先より投稿です。

激しく遅れ申した……m(__)m

『概況です。本日今までの両軍への投げ銭の額はほぼ同等です。

 これは昼過ぎと夕刻に入った高額の投げ銭による影響が大きく、現況をそのままに保ち、利用し続けたい高天原の思惑あってのことと推測されます』


 シオンが立ち上がり、概況を発表した。

 いつもふわショタ可愛いシオンだが、さすがに今は仕事向けのふるまいだ。しっかりと表情も口調も引き締めている――逆にギャップ可愛さが激しくなってるのは公然の秘密である。

 隣のソーヤは必死にまじめな顔をしてるけど、もえもえが隠しきれてない。その気持ちはよくわかる。


『こうした状況はしばらく続くと思われますが、情報筋によれば高天原側は資金の回収策をすでに講じているもようです。

 すなわち、今予定されているアイドルバトラーライブ、ならびに、早ければ今週末にも協賛ライブを行わせ、その収入の一部を学園軍に供出させる。

 これにより、実質の増資を行うという筋書きです。

 これに対抗して、こちらもまたアイドルイベントを打っていくことになります。

 アイドル戦略の詳細については、トトリさんとアイラさんにお願いしまして、オレからは以上です』


 アイドルデータ担当がぺこんと頭を下げて着席する。特に質問はないようで、俺はトトリさんとアイラさんを指名、アイドル戦略についての発表をお願いした。

 まずはミルクティーのような髪色も、雰囲気もほんわか柔らかい系男子のトトリさんが話し始めた。

 軽くメガネを直して言うには。


『先ほどシオンくんが言ってくれました通り、こちらもアイドルバトラーたちによるイベントを行っていきます。

 といっても、あちらの方が格上とみなす向きもあります。実際に、長年不動のトップアイドルであり続けるレモンさんの動画再生数は群を抜いており、下手に真っ向勝負を挑んでも、勝ちの目は見えないと言ってよいほどです。

 ですので我々は、この状況だからこそ可能な手を講じます』


 イチゴ色の髪、チョコレート色の猫耳が可愛いアイラさんがニコッとチャーミングなスマイルひとつ。ちゃきちゃきとあとを続ける。


『具体的な例を上げますと。

 ライブをぶつけるのでなく、むしろ胸を借りるつもりでコラボを申し込みます。

『歌を愛する心は立場を超える』これがキーワードです。

 ただし、コラボは早くて来週です。まずは今週から来週にかけてそれぞれ別にライブを。このことでお互いのカードを広げ、動きやすい状況を作りだします。すなわち、こちらはあちらの、あちらはこちらのパフォーマンスに感銘を受け、あくまで無理なくコラボを打診し、受諾できる下地を作るのです。

 順番としてはまず、『おこんがー!』と『アオゾラミッツ』、ついで『ウサモフミライ』。

 これは、リーダーであるイツカさんとカナタさん、並びに各部門リーダーへの負担を分散するためです』


 なるほど。ミズキは騎士団、ソーヤはうさもふ、シオンはシステム系を仕切る役目がある。

 それらの仕事がない五人なら、最初からレッスンに、ステージに全力出せる。

 納得の声がほとんどだ。俺もぶっちゃけ言ってありがたい。けれど。


「えっと、そこは俺たちが先陣切らなくていいんですか?」


 笑顔のアイラさんから帰ってきたのは、こんな答え。


『先陣は、もう切ってもらってますよ。

 世界をかえる。そのために矢面に立つ。そんなことを言って高天原を飛び出したんですからね』

「え、いや、高天原でたのは成り行きっていうか逃げてきたっていうか」

『そこは志を胸に飛び出したって言っちゃいましょう?』

「あっ、ハイ」


 アイラさんのペースに巻き込まれて思わずハイ言ったら、バーチャル会議室は爆笑に包まれた。


 そのあと、細々した確認事項を終えて、その日はお開きとなった。

 あしたは朝食後一番に、トトリさんが連絡つけてくれたボイスとダンスの先生にご挨拶にいくことになっている。

 カナタが起きたら、すぐ伝えないと。

 しかし驚きはまさにそのとき起きた。


「イツカ、イツカ起きるよ!

 今日はボイスとダンスの先生まわってご挨拶でしょ? 寝ぼけた顔じゃ行けないよ!」

「ん〜〜…… え」


 翌朝、俺を起こしたのはいつものカナタの声。

 けど、問題はその内容だ。

 仰天した俺は飛び起きた。


「おっおいカナタ、俺それいつ言った?!」

「……

 あ。

 聞いて、ない、……ね」


 カナタもしばしぽかんとして。


「ええええ!」

「にゃあああ!!」


 俺たちは互いに素っ頓狂な声を上げてしまったのだった。

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