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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_70 追放、高天原!

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Bonus Track_70-3B 憂鬱な(ほんとだってば)土曜日~ライカの場合~

 この日ほんとうなら、僕は別件でお出かけの予定だった。

 けれど、この状況で『でぇと』なんかできやしない。

 たとえ、内容が健全極まる、野郎同士の甘味補給だとしても。


 いや、僕は体はいっぱいあるからそこは問題じゃない。ひとえに、約束の相手のほうが面倒な立場にあるためだ――これまではお飾り貴公子としてフリーダムに過ごせたのに、いまは『まだ実権もソコソコなのに注目だけは集まってる』という、こんちくしょうな状況なのだ。

 いっそ一通り落ち着いたら、拉致ってにげたろか。そんなふうにしょんもり考えてると、優しい天使たちが声をかけてくれた。


「ねえライカちゃん、どうしたの?」

「ライカちゃんもよければ水着、選ばない?」

「そうそう、ボディーガードならご一緒しなくっちゃ、ね?」

「だいじょぶ、ライカちゃんかわいいから! ね!」

『えっあっいえ? おっおっおれは~~!!』


 そんなわけで僕――正確には分体の一人なんだが――はサクッと水着売り場に拉致られたのだ。

 こうなったらカクゴを決めるほかはない。これから見るものは厳重に封印することと決め、僕は自分の体を少女のそれにそっとつくりかえた。



「あの、あの!

 わたしたちこれから、体育の授業でつかう水着も必要だし、……だから、えっと、わたしは学校指定の水着だけでも、いいんだけど……」


 けなげなことを言ってるのはサラサラの黒髪ボブも清楚なコユキちゃん。

 うん、彼女にスクール水着はすっごく似合うはずだ。

 でも、だめだ。なぜって、似合いすぎて危険だ。狼どものうようよしている公営プールなんかで披露させるわけには、断じていかない。僕たちは結束した。


「え~、せっかくだし、別の色の水着もみたいな~」

「そうそう、コユキ色白いから、かわいい色の似合うと思うし!」

『だねー! ほらこれ、……じゃない! これとかさ!!』


 僕が手に取ったのは、フリフリがスカートのようについた、あわい水色のワンピース水着。

 最初に手に当たったのはこともあろうに、黒のビキニだったので急いで水着の山に突っ込んだ。こんなんもっとハンザイだろ、誰だこんなの入れたやつ。


「かわいい!」

「かわいい!」

「コユキ、どう?」

「……うん、かわいい」


 白いほっぺたがちょっぴりポッと染まってかわいらしい。どうやらお気に召してくれたようだ。


「えへへ、じゃーわたし、これにしちゃおっかな!」


 ソナタちゃんもフリフリをご所望のよう。胸元にリボンとフリフリがついたワンピースタイプをチョイス。色は大好きなピンクだ。


「かわいいっ!」

「ほんとソナタピンク好きだね~」

「えへへっ」

「いーじゃんいーじゃん。じゃああたしはこっちにしよっかな!」

「かっこいい~!」


 シュナちゃんが手に取ったのは、赤と黒の切り替えがダイタンなセパレート。スレンダーでボーイッシュな赤毛美少女にはよく似合う。


「えへへ~。じゃあたしはこれ~」

「それは却下っ!!」


 最後にヒトミちゃんがニッコニコで手に取ったのはよりにもよって、さっきおれが戻した黒ビキニだった。

 念のため復習しておくと、ヒトミちゃんはちまっとかわいいちびっこだ。

 ぶっちゃけ、シマリスの妖精と言って差し支えないような。

 つまり、こんなのもはや、完全犯罪で死屍累々で確定的な案件でしかない。

 結局、シュナちゃん寄りにビタミンカラーのセパレートに決まった。



 それから。

 コユキちゃんのお姉さんのコハルさんは花柄プリントが大胆にはじけるワンピース(パレオ付き)。ヒトミちゃんのお姉さんのルネさんは、シルバーの羽根のワンポイントがひかる、シーブルーのセパレートをチョイス。

 年長組のもう二人、メイさんとリノさんは、明るめのグリーンとオレンジの色違い、おそろいのタンキニ。

 ミナちゃんにチトセちゃんは、猫モチーフと子ガメモチーフのワンポイントが可愛いワンピースに。


「よーし、あとはライカちゃんだね!」

「いつもはメイドふくだし、ちがうかんじもいいよね〜」

「ライカちゃんスタイルいい〜! ビキニでも大丈夫そうじゃない?」

「ビキニはかんべんしてっ! オムコにいけなくなっちゃうっ!!」

「もーライカちゃんたらおもしろーい!」


 そうして僕が着ることになったのは、さわやかな青地に大小の白の水玉を散らした、『着るソーダ水』といった感じの『モノキニ』だった。

 別名、『つなぎビキニ』。前から見るとふつーにワンピース水着なんだが、後ろから見るとビキニという、僕たちの抗争の中間をとるかのようなしろものだった。

 武器の扱いと格闘技はエキスパートの僕。けれど、まさかこんなものがあるなんて。

 世の中まだまだ、面白いものはいっぱいあるものだ。


 そんなわけでホクホクしながら僕は、みんなと一緒に水着店を出たのであった。


なんとお星さまいただきました模様であります!

ありがとうございます!! ありがとうございます!!


次回、新章突入!

それぞれの週末、運命の月曜日に向けて……!!

次回はソリステラス視点です。どうぞ、お楽しみに!

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