70-7 えんじょい・ざ・ほーむるーむ! 週末を遊び倒せ大作戦!!
「はーい、それでは全校ホームルームをはじめまーす!」
登校してすぐおれたちは、体育館に集められた。
行事の時はこんなんだったっけ。懐かしいきもちでいすを並べて座れば、先生たちが壇上に登った。
カナン先生と、ノート先生。
ちなみにノート先生はおれたちがチビのころ星降園を出て、外から通っている先輩である。
そのノート先生が、明るく優しい調子で言うには。
「今日の議題は、こちらです。
『この週末、みんなでどこに遊びに行きましょう?』」
先生たちもみんなも、いたずらっぽく笑っている。
そういえばまえに、コユキちゃんをつうじて『里帰りできるときがあったら、みんなで遊びに行こう』と伝言した。
まさかこんな形で実現とは思ってなかったが、ともあれうれしいものである。
遊園地がいいかな。ケーキバイキングだよね? ピクニックもいいなあ。プール行こうよ! え、水着持ってない! そんなふうにわいわいがやがや、決まった計画は。
まずは街でお買い物。
ハートチャイルドたちは水着をもってないし、私服もそんなに持ってない。
さらにいうならおれたち四人は、ほぼ着の身着のまま――ライムが気をきかせて、タカヤさんの車に新しい肌着一式とジャージを忍ばせてくれてなかったら、とくにミズキは着替えもままならなかったことだろう。
なのでまずは、その辺をそろえる。ついでにみんなも、新調したい服があったら買う。
ひとやすみしたら、屋内プールへレッツゴー。
あらかじめ予約がとれていれば、ケーキバイキングへ。とれていなければ、ファミレスで食事。
そのあと、疲れた子や年少組には先に帰っててもらい、スーパーで食材を買う。
帰ってひとやすみしたら、体力余ってる連中で明日のお弁当作り。
翌日日曜は、お弁当を持って星降遊園地へ。
乗り物を堪能したら、園内のしばふでピクニックだ。
もしケーキバイキングの予約がこの日なら、もうひと遊びした後そちらへ。
『世界の敵』となったいま、おれたちの預金口座は凍結されている。
当面は、手元の現金が頼りだ。
そのへんをやっておいてくれたのは、なんとイツカ。
恐ろしすぎて考えないようにしているが、いまおれとイツカはとんでもない額のお金を隠し持っている。
星降園にこっそりおいてきた分も含めると……いや、やめよう。
まさか、小二のときの脱走経験がこんなところで生きるとは。世の中、何が起きるかわからないものである。
そんなわけで今日の軍資金は、おれたちのお財布からも出させてもらうことにした。
どこぞのお調子者は『きょーは半分俺たちのおごりだから! いっくらでも駄菓子かっていいからな――!!』なんぞとのたまわって、カナン先生にゴチンされたりもしたけれど、おれたちは意気揚々と街に繰り出したのである。
評価をいただきましたようです! ありがとうございます!!
読まずに評価はできないので、うれしさひとしおです!
さて、なんでこんなにのんきなのか。ひとつには、土日は軍も休みだからです。
イツカナを前のめりに狩りに行きたい人もそんなにいないので(強いのわかってる&非戦闘地域)
次回は、月曜に向けていろいろ準備する人たちの様子……の予定です。
どうぞ、お楽しみに!!




