Bonus Track_70-2 闇夜のカラスのナイショ話!~レンの場合~
『ふっふふー。つかみはオッケーってことで!
まずね、このことはくれぐれもナイショにしてほしいんだ。
というのは、ヘタにバレるとおれが消されかねないからね?
ま、このおれさまを消せるのはグランマちゃんのホンキパンチぐらいだろーけどさ? おっけ?』
心の声でのツッコミは、しっかりライカに伝わっているようだった。
頭の中に響く声でにししーと笑い、やつはいつもの調子でのたまわる。
ライカが消えるハメになることなんざしないし、どうして、どーやってこうして『通信』してきてるのかとかも聞くまでもない。オレはやつに問いかけた。
で、オレたちはどーすりゃいいんだ? と。
『まず、確認して。
いま、イツカナちゃんのこと考えて、敵だってキモチになる?』
いや。不思議なくらい元通りだ。お前がなんかしてんだな?
『せいかーい。おれたちライカ分体でつくるひみつネットワークを通じて、『ブラックムーン』のチカラを送り込んでるのさっ。
これはあくまで、冷静に話をさせてもらうためのもので、これがおわったらまた切らせてもらうよ。術者のイツにゃんたちの負担が大きいからね』
ここでオレは気づいた。『大神意』の攻略法に。
『おー、レンレンも気づいたね?
『大神意』の攻略法は、テイアブラネットが実現しているスキルを無効化することだ。たとえばブラックムーンを使う。たとえば、『ティアブラネット』の効果範囲外に行くとかしてね。
つまり根本的に現状を解決するには、難易度高い順に『グランマちゃんを翻意させる』『ティアブラネットを支えるノードをぶっこわし、チカラ技で影響力をなくす』『ブラックムーンで仲間を守る』ってことになる』
なるほどなるほど、つまりそれの全部乗せをやるってわけだな?
『そっ。
おれたちがやるのは、これらの複合技だ。
高天原の外とか、とにかくティアブラネットの影響力を脱したところに拠点を置く。
ティアブラネットを外してもダイジョブげなとこを見定めて、ノードをぶっこわしにいく。このときには、ブラックムーンでみんなを守る。
んでもって、決戦、と。
『大神意』を受けるまでもなくグランマちゃんと意志を同じくする人は、厳然としているからね。かれらやグランマちゃんとは、十中八九、戦わなきゃならない。そして勝たないとなんない。
ぶっちゃけけっこう、きつい戦いになると思うけど……』
もちろん断るわけがなんかない。
イツカとカナタの味方になるか、敵に回るか。そんなん答えは、いっこしかない。
チアキさえいいならば、すぐにでも飛んでいきたいくらいだ。
『おお、ありがとっ。ちあっちゃんもレンレンさえいいなら、て言ってくれてるよ。
んでも、飛んでいくのはちょっと待って。
近いうちにミソラちゃんは、緊急事態への対応って名目で、四ツ星、五ツ星の学園生たちをイツカナちゃんの元に向かわせる。そのときは、まあ適度にぶーたれつつ素直に乗って。
二人との戦いの場では、ティアブラネット敷設域が一時的に延長されて、高天原外でも『大神意』を受けちまうのは確定だけど……
逆にそのとき臨時に設置されたノードをドサマギでぶっ壊しちまえば、みんなはまるっと元通り。堂々イツカナちゃんの元に行けるわけさっ!』
なるほどなるほど。それは実に実に、面白そうな作戦だ。
闇の中、オレの顔に笑いが浮かんだ。
今日は日差しがポカポカしますね*^^*
作中はどっぷり真夜中ですが(爆)
次回、なぜかスタディサテライトで授業に出ているイツカとカナタ。
いったいどうしてこうなった?
どうぞ、お楽しみに!




