69-3 リュウジ、レイン、ルク
運転手ルックのライカが運転するリムジン。その、後部座席にて。
レインさんは、不穏なことを伝えてきた。
おれとイツカは顔を見合わせた。ピンとくるものがあったのだ。
「会わせるべきでないって……もしかして」
はたして、レインさんはうなずいた。
「ああ。
ルク・タカシロ。
彼はまだ生きている、『と聞いている』。
……ここからは、わたしたちだけの内緒話にしてほしい。父には伝えないでくれ。すくなくとも今はまだ。
伝聞形だったのはね、」
静かに語られたのは、なんとも切ない親心だった。
仕事を口実に家に寄り付かず、レインさんを生きたくぐつとして冷遇までした、本当の理由。
リュウジ・タカシロ氏はそうしながらも、未来への懸け橋をつなぎ続けていた。
周囲には、あえて『誤解』をさせたまま。
ただ一人、信頼する盟友――イワオ・ゴジョウ氏だけに真実を託して。
そんな話を、レインさんはこう締めくくった。
「わたしはダメな息子だからね。せめて、それくらいはかなえてあげたいのさ」
おれはまだ、伝聞形ってとこにつっこんでなかった。
こんな先回りのできる頭脳の持ち主が、どうしてダメなわけがあるだろうか。
けれど、そこは突っ込むべきじゃないと感じて口をつぐんだ。
今はまだ、それは問うべきじゃない。すくなくともおれたちは、そう判断したのだ。
レインさんは小さく、すこし哀しく笑うと、表情を引き締めた。
「ルクは、わたしたちに似た容姿で、銀髪。瞳はガーネット色であるらしい。
もしも彼に出会ったら、話を聞かずにとにかく逃げてほしい。
君たち二人は『超越者』。その気になれば、いくらでも逃げられるからね。その隙は、ライカ君や、イワオさんたちがうまく作ってくれる。
もちろんわたしが一緒にいるときは、わたしも協力するよ」
「って、レインはだいじょぶなのかよ?」
「だいじょうぶ……と言いたいところだけど、情けない話、わたしにはまだ大した権力はないんだ。
だからしばらく、ユー君の私邸に身を寄せる予定だよ。
直接にタカシロの息のかかる場所よりは、ライバル党首のもとに逃げ込んだほうが、今はむしろ安全なのさ。
いざとなったら、ライカくんが守ってくれるけれど……
ライカくんが戦う羽目になるのは、できるだけ避けたいからね」
運転席のライカと後部座席のレインさんは、バックミラー越しに優しく視線を交わし合う。
その様子には、互いへの全幅の信頼がにじんでいる。
「俺、ルクにも会いたい」
だってのに、やっぱりやつはのたまった。
苦労した割にすげえみじかい!!
妙に違和感ある→余計な情報ぼろぼろこぼしまくってるー!!
直前で削り申したorz
次回、それよりエキシビ見ようぜ!(爆)
10/31ハロウィンサンデーに向けて、リアル日付とだいたい連動していく予定です。
どうぞ、お楽しみに!




