8-5 カナタの『責任』
あの『マッドスライムの洞窟』から生還してすぐ。
おれは、神聖魔法を習いにいった。
町の教会に通い、ミライにも教えを乞うて、回復をはじめとした初歩の魔法を身に着けた。
同時に、投てきスキルにも磨きをかけた。
どちらも、イツカのため。やつがまた、回復用ポーションを拒否って来た時のためにだった。
でも、あれ以来そんなことはなかった――そう、この間の対ルカ戦の特訓までは。
そこまで考えて、おれは気が付いた。
あれってもしかして、この件が原因なのではないかと。
つまり、おれがイツカに荒療治を施したせいで、イツカの深層心理には……。
ならばおれは、その責任を取らねばならない。
おれは、隣でみゃーみゃー言ってるイツカを振り返った。
「イツカ」
「ふぇ?」
「だいじょぶ。おれがおまえをがっちり仕込むから!!
もうポーションむりやり飲ませたりしない。そんなの必要ないくらい、最初っからしっかりばっちり的確に仕上げる! だから」
優しく肩に手を置いて、安心して、と伝える。
するとイツカはなぜか、青い顔をしてかぶりをふった。
「がっちり的確じゃなくていいですっ!! てきとうに!! ある程度適当にしてっ!!
ほらっアイドルってちょっと下手くらいのがウケるってえらいひとも」
「うん、わかった。レモン・ソレイユよりちょっと下手ぐらいだね。
まあそれでも正直道のりは長いけど……」
「ちがああ!! 標準的に見て!! そのへんの歌手よりもってこと!!」
「…… いや、それでも長いよ?
だってお前、ぜんぜんど素人じゃん」
そういうとイツカはがくっとうなだれた。
「カナタ、たのむから俺にやさしくして……ひととしてふつうのレベルでいいから……」
「……え?」
こいつは一体何を。
首をひねれば、ノゾミ先生が言った。
「涙目になったらやめてやれ。」
「そうなる前にやめて!!」
インターネットの調子が悪いです……
とりあえず投稿しますが、まだミスが残っているかも。お許しくださいm(__)m。
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