Bonus Track_66-4 おれはわるくない! シークレットゲストの正体!!
いろいろ……いろいろあって……遅れました……orz
画面に現れたのは、本体のおれたち……ではなく、そのアバターだった。
まあ、それをいうなら今ここにいるおれたちだって、アバターなんだけど。
頭の中の記憶とともに、体の覚えた覚醒も共有したおれたちは、まったく自然に第三覚醒を行使した。
おれは、〈シルウェストレ〉をまとって宙をかけた。
ステファンさんの足踏み、杖付きで発する衝撃でバラされてしまうことがわかれば、足元だけに守りを絞って突き刺さるような着地を決めた。
そうして、地表を各種ボムで『べれべれ』に。ステファンさんの衝撃攻撃を封じた。
よし、キレは戻っている。いや、むしろ出発する前以上だ。
おれたちが向こうでつんできた経験が、すべて余さず反映されていると言っても過言ではない。
イツカも百戦錬磨のパワフルな杖さばきと、絶え間なく襲いかかる衝撃にへこたれることなく、一歩も引かずに粘りぬいた。
ただ、イツカはやっぱりイツカだった。
ステファンさんの『守護者の鉄壁』をぎりぎり、抜けなかったのだ。
サクヤさんの『涙籠』を一刀のもとにぶった斬り、バトルフィールドを守る障壁すら突き抜けたあの時のようにすれば、ステファンさんを倒すことだってできただろう。
けれど、やつはそうしなかった。
剣が届く直前で止まってしまったやつに、ステファンさんは優しい『こつん』をくれて、ふたりの対決はお開きに。
そらとぶフリーダム大明神・ルリアさんが言い出すに。
『うーん、なんだかホンワカしちゃった♪
ここからまたデッドヒートやる気にはちょっとならないな〜。
ねえいっそのこと、抜き撃ちで勝負決めない?』
『負けませんよ?』
もちろんガンナー的には大歓迎だ。
おれは喜んでそれを受け、結果はドロー。
けれど、おれたちは互いに相手が勝ちだと言い合うことになった。
ルリアさんが言うには、ルリアさんの風刃と、おれのエナジーアローブレットがぶつかった地点が、ルリアさんのほうにすこしだけ近かった。
おれが言うには、そんなことを言える時点で、視力も投射スキルレベルも比べ物にならないほど上。
もはやらちがあかないので、最後はじゃんけん。
三本勝負の結果、軍配はルリアさんに上がった。
両手でバンザイ、満面の笑みでぴょんぴょん飛び跳ねる『女帝陛下』。
これは勝てない。色んな意味で。
おれは笑いながら、完敗を認めたのであった。
ライアンさん、タクマくん、ベニーさん、『リアちゃん』のバトロワは、ライアンさんと手合わせしてみたいタクマくんと『リアちゃん』がまずドンパチはじめ、それじゃあその間ということでライアンさんとベニーさんがバトルを始めると、ずるーいと(※ノリノリで)『リアちゃん』が全方位攻撃をぶっ放したのを景気に、全員が無差別攻撃をかましあうというカオス極まる展開となった。
結局最後まで立っていたのは、大人の意地を見せたライアンさん。
みんな後で手合わせをしようなとイケオジぶりを大発揮して、バトルを締めた。
小休憩をはさんでの次は、タクマ君・『リアちゃん』タッグとおれたちだ。
さっきまでのカオスはどこへやら、二人は鮮やかなコンビネーションを見せてくれた。
『一緒に3S倒したりしてるからなー、そのへんは慣れてんだ』だそうな。
斬りこむタクマ君、多彩なスペルで補助を担う『リアちゃん』。
そのバトルスタイルはおれたちにも似ている。
国内最強の六人としてそれなりの期間務めてきた二人だけあって、安定感もある。
『今回はあえて第三覚醒封印でやらせて!』ということなので、たぶん負けるなとは思っていたが、意外と粘れて結果はドローに。
「つぎはイツカとカナタがピンでか~」
「イツカはライアンさんとで、カナタはシークレットゲスト……ってだれ?」
「実はおれたちも教えてもらってないんだよね。
誰だったの、アスカ?」
「にしし~。ヒントは、きれいな女の人でーす!」
「爆発しろおお!!」
それおれ悪くない。悪くないよね?
ちょっぴりやさぐれかけたおれだが、野郎どもにけも化ボムを投げつける寸前に、驚きがおれの手を止めた。
対戦相手として現れたのは、和装風ドレスに扇子を携えた黒髪の女性。
なんと、メイさんだったのである!
全身痛いですが、ブクマいただけてだいぶ楽になりました。なによりの薬でございます^^
次回、カナタが天敵認定しつつも戦う機会のなかったメイ・ユエ氏とついにバトルです!
どうぞ、お楽しみに♪




