66-4 これはおしごと♪ インターナショナル・テストバトル!(2)
うわあああ、我が家のネット環境が機嫌を損ねておりまして遅れました……!!m(__)m
2021.09.26
誤字報告ありがとうございます!
先頭データは→戦闘データは
「よっしゃよっしゃー! 手加減はいらないからね!
えへへへ、カナタとも空中戦してみたかったんだよね! うー、ワクワクするー!」
心底嬉しそうにご指名をくれるルリアさん。
彼女はイツカとは数回バトルしていたが、おれがメインでお相手をするのは地味に初めてだったりする。
おれも飛んで跳ねての機動力型だが、さすがに彼女には一歩劣るだろう。
がんばります、と笑顔で返しつつ考える――さて、どうしたものか。
また、おれがルリアさんと、となると、必然的にイツカとステファンさんが当たることになる。
はじめてのマッチング。彼女の戦闘データは少ないため、正直ほぼ未知数だ。
超攻撃型のルリアさんを相手しつつ、そちらも見てやるには。
剣と杖とを掲げあい、あいさつをかわす二人を眺めてしばし思案する。
もっともゆっくりと考えこむ猶予はない。すぐに、はじめの声がかけられた。
ルリアさんの両腕が翼に変わる。背の翼とあわせ二対の飛行力で、あっという間に制空権をかっさらう。いきなりの本気モードだ。
それをみたイツカ、反射的にそっちに行きかける。
「イツカ。こっちはまかせて。
マジにあぶなくなったらたのむけど」
「お! おう!」
愛すべき黒猫の騎士のリアクションにちょっとほっこりしつつ、軌道修正してやる。
するとイツカは素直にステファンさんに向けてかけてった。
「はう~んかわいいなーもー。
サーヤがイツカを騎士にしたいって気持ちわかるわー!」
かわいいもの命のルリアさんがもえもえする。
そういうルリアさん自身も可愛いのだけれど。
せっかく翼にした腕がもとにもどっちゃってる。きれいな両手をほっぺたにあてて、ニッコリ乙女のポーズ。
うん、やりづらい。こんな女性(しかも見た目美少女)にいきなり鉄砲撃ちこむとかむりだろう。
そんなわけでおれはちょっぴりけん制を仕掛けた――
「あげませんよ?」
だが、ルリアさんはつよかった。
「だーいじょうぶ、とったりしないよ~!
イツカとカナタは二人で一つだもんね。
だからふたりセットでゲット! これなら問題ナッシンッ!!」
「問題しかありませんから!!」
すでに、イツカとステファンさんは打ち合いを始めている。
ステファンさん、落ち着いた様子でまったく後れを取っていない。
まるで打ってくる先がわかるかのような的確な防御は、ことごとくイツカの攻撃を止めている。
ルリアさんは誇らしげに笑う。
「ふふふ、ステファンは強いよ~!
『森の守護者』だからね。あの鉄壁防御はあたしたちでも簡単には抜けない。
あれで植物生やし始めたら、あたしじゃもう手が付けられないわね!」
「え、ステファンさんも生やすんですね!」
「そりゃーもーわさわさとね!
さっカナタ、あたしたちもはじめよう♪」
「ええ。それじゃあ――『玉兎抱翼』!」
正直本気モードのままなら、『卯王の幻想園』展開も考えた。けれど、萌えのあまりモード解除してしまった女性を相手に、それは野暮ってものである。
両耳を大きな耳翼にかえて、おれもふわりと飛び立った。
「ふふ、紳士的だねカナタ?」
「数少ない取り柄ですからね。それに、ヒントもいただきましたから。
もし『卯王の薬園』発動していたら、まんま崩されていたでしょうし」
「カナタくらいのチカラがあればそうそう『奪取』されることもないと思うけど。
でも、そうだね。『森』はステファンに力を与える。
『王子』と『騎士』が、互いに力を与え合うように。
『蒼穹』があたしのチカラを引き出すようにね!」
ルリアさんの翼に、無数の風の刃が宿るのが見えた。
おれは双銃『サツキ』『ウヅキ』を抜いた。
ブックマークをいただけたという、衝撃の事実……!!
ありがとうございます。本当に励まされます(*^_^*)
次回、せっかくのっているのでこのまま、バトルの続きをお届けいたします。
どうぞ、お楽しみに!!




