Bonus Track_65-4 ごめんね、『虚無』~ステラの場合~<SIDE:ST>
こんなの、女神としちゃダメだって思う。
でも、ちょっとだけ。ちょっとだけ、いいよね。
イツカと、カナタ。わたしに元気をくれた、すてきなふたり。
その顔が見たくて。声が聴きたくて。
だから、そっとのぞいた。
女神の星鏡を使って。
映っていたのは、戦う姿。
なに、これ?
何が起きているの?
どうなっているの?
耳を澄まし、周囲を探れば、戦ってるのはイツカとカナタだけじゃなかった。
まちで、ひとが。
ステラのひとたちが、戦ってる。争ってる。
まるであのときみたく。
わたしが秘密を明かして、みんなが怒って、国が割れた、あのときみたく。
どうして?
なんで、こんなことになってるの?
わたしのせい? わたしが、イツカとカナタをよんだせいなの?
そうだ、わたしのせいだ。
わたしはまた、またまちがえた。
なんて、ダメなんだ。
わたしは女神、失格だ。
百年間、たおれていたけど。反省したはずだったのに。
なのにまた、おんなじことに――
やっぱりだよ。
わたし、きえてしまうべきだっんだ。
あなたがわたしのもとにあらわれたときに納得するべきだったんだ。
ねえ、『虚無』。
身を任せれば、ふんわりとラクになった。
とおく、ソレアの声が聞こえてくる。
「ちょ……ステラ! 何やってるの?!
ねえ、ねえってば!!
そんな、どうすれば……そうだ。
イツカ、カナタ!
ステラが大変なんだ。ステラを助けて!!」
今回と前回、足して二で割ったらちょうどよい分量……!!
風雲急を告げる次回、シグルドの処遇とソレア様からのSOS!
お楽しみに!!




