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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_62 捜査に出会いに入れ替わり?! 特別休暇は大忙し!

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62-3 休暇の終わり、恋の始まり?<SIDE:月萌>

『それは私も同感です。

 ソリステラスの者たちも皆、願っております。

『星の子』たちが『ハートチャイルド』として生を受けてしまうことをなくしたい、と。

 私たちも代々手を尽くしてきましたが……

 ここまで、どうにもしてあげられず、無念の思いを重ねて来ました。

 お二人に、託させていただけますか。

 すべての女神の許しを得た暁には、『グランドマザー』に謁見し、プログラムの廃止を願っていただきたいのです。

 私たちも全力で支えますので、どうか』


 彼女は、まっすぐな瞳で頭を下げてきた。

 おれたちは、もちろんです、皆でともに実現しましょうと、握手の手を差し出した。


 * * * * *


 公務、といえるものが一度だけあった。

『マザー』の居城パレスたる水晶宮で開かれた、エルメス殿下とのお茶会である。

 しかし、すでに何度も会って話した間柄。さらに婚約者候補というのも形式上のこととお互いわかっていた。

 そのため、すくなくともおれたちにはおれたちには負担感のない、気楽な会合だった。

 おいしいパンケーキの話でアイスブレークの後は、『ハートチャイルドたちを助けたい』『子供たちの幸せのためにも平和を』という共通の願いを確認。

 最後はがんばるハルキ君の話題で盛り上がった。

 感触はわるくない。いやむしろ大いにいい。

 ほかの『ライバル候補』たちものきなみハルキくんの味方であり、実質もう決まったような状態といってよかった。


 そんなわけで、みんなのおかげで一週間、おれたちはすっかり羽を伸ばすことができたのだった。

 寝坊に朝風呂、おとっときパンケーキでのブランチデートから始まって、高天原の町をお忍び? でぶらぶらしたり、こっそり星降町に帰省、みんなと再会したり。

 ハジメさんとユウミさんが出会った海で海水浴をしようと思ったら、はやくもすっかり『恋人たちの聖地』と化していて断念。

 イワオさんが修行した山に挑んだら、標高からは思いもつかぬハードモードだったのも、また楽しい思い出だ。


 あした起きたら、本格的に再始動である。

 公務に、勉強。レッスンにトレーニング。

 それから、アイドルバトラーとしてのおしごと。

 しばらくはめまぐるしい日々が続くだろう。

 目下一番の楽しみは、仲間たちの覚醒試合観戦だ。



 ミライからのしらせでは、ハルキくんが覚醒をなしとげたとのこと。

 今週金曜、エルメス殿下に見てもらっての昇格試合だそうだ。

 これは行かないわけにはいかない。二人の間柄も順調のようだし、もしかしたらその場でプロポーズもあるのかも。

 今度は、『敵国からの工作員』は来ない。ハルキくんも、ハルオミも、こころおきなくカッコイイところを見せられる。

 矢も楯もたまらずライムに連絡、調整をお願いしたら、その時間に予定はなかったとのこと。

 おそらくほかの皆さんも、これを見越していたのだろうということだった。


 うれしいことはそれだけではない。

 週末の合宿からは覚醒ラッシュだったようで、いわゆる『トラオハーレム(広義)』にイズミとニノ、アキトとセナも覚醒達成。

 おれたちも第三覚醒を目指しているところ。みんなの覚醒技にインスピレーションをうけることも期待されて、大いに楽しみだ。


 ルカとルナ、そしてレモンさんは、クールタイムに出演することになっている。

 会場までのエスコートを拝命し、昼頃ライムと一緒にお迎えに上がる予定だ。

 アスカとハヤトとは会場で合流。

 できるなら早めに行って、みんなの控室に激励にも行きたい。

 ほんとうならおれたちも歌いたいところだけれど、今からではそれは厳しい。なるべく早く復調して、その次の週には恥ずかしくないステージを見せられるようになっておきたいものだ。


『ゼロブラ館』のベランダで星を見ながら、そんな風に夢を膨らませていれば、イツカが隣にやってきた。

 ほい、とティーカップを差し出してきながら、笑顔で言うには。


「やっぱおもっきし休んでよかったな!

 カナタ、すっかり元気になって。

 俺も元気になったけどさ!」

「そうだね、ほんと。

 イツカにも、すっかり心配かけちゃったよね。

 でも、こんなことしてくれるようになったなら、そのかいもあったかな?」


 受け取ったカップの中には、程よい温度のミルクティー。

 まったく、いつの間にこんなイケメンなことを覚えたんだか。

 笑いかければ、イツカは照れた様子で星を見上げた。


「た、たまには俺だって……

 いっつもカナタにばっかやらせるのもさ、その、アレだし」

「うんうん。これで安心してお前をお婿にやれるよ。で、どっちにするの?」

「げほっ?!」


 案の定、イツカはむせ返った。

 ちょーそれはおまえもだろーおまえこそどっちにするんだよーとにゃあにゃあ騒ぐ声をほのぼの聞きながら、おれは美味なるミルクティーをいただいた。


「どっちに、か……」


 そうしながらも、つぶやいていた。

 おれは、ライムが好きだった。

 それを自覚したのは、高天原ここに来る直前。

 けれど、最初のひと月はハイレヘベルな学園生活についていくため無我夢中。

 二月目に、ルカとルナに出会い。

 三か月目、ライムがおれに仕えるためにとやってきたのと同時に、ルカがおれに気持ちを抱いて……

 それ以降、二人はともによき友として、おれのそばにいてくれている。

 恋愛を考えることはまだ待ってほしい、おれが一人前になるまでという、わがままを聞き入れて。

 そのモラトリアムも、もういい加減に終えなければ。

 しかしそれは『月萌杯』より、『グランドマザー』との謁見より、はるかに難易度の高い問題。おれは思わずため息をついた。

二人のどちらかを選ぶ。こっちのほうが難問に一票です。ぬああああ。


次回、ソリステラスサイド。メイ・ユエ氏との面会です。

レム君は何を考えているのやら……? どうぞ、お楽しみに!

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