62-2 チーム合同ミーティング、そしてアスカへのお願い<SIDE:ST>
「そう、ヴァレリア殿下とエルナールに……。
ふふ、アツアツだったでしょ?」
「え、ええ……」
ここはステラマリス第三基地のミーティングルーム。チーム合同のミーティングが始まったばかりだ。
メンツはおれたち月萌勢と、『Bチーム』。休暇返上のレムくん。
さらに今回は、複数チームで情報を共有するため、まとめ役であるマルキアが出席している。
彼女は『シエル・ヴィーヴル』だけでなく、いくつかの隊を取りまとめる偉いさんだったのだ。
ステラ領軍総司令官は、彼女の伯父さん。そして、彼女自身も優秀。とくれば、若くしてその立場にあるのもうなずける。
めいめい好みの飲み物を手に、円卓につけばすぐにミーティングは始まった。
まずはおれからステラ様とのお茶会の様子を。『Bチーム』のメンバーから、その前後の様子を報告。
となると当然、あのイレギュラーな出会い。そして、その二人のことが話題となるわけであって。
「あの二人は『六柱』の筆頭とそのサブ。けれどあのとおりだからね。町の人たちにもとても親しまれているの」
「わかる! リアもエルナールもいいやつだったからな!」
イツカがもろ手を上げて賛成。やつが言うならまず間違いない。というか、おれもそう思っていた――レムくんも『Bチーム』の人たちも同感だったようで、その場の雰囲気がふわっと明るくなる。
「来週『ヴァレリア殿下』にお会いしたなら、きっともう一度驚くわよ。
さてそれじゃあ、つぎはレム。そちらの首尾を聞かせて頂戴」
「結果から言えば、上首尾……といったところです」
レム君が言うには、案の定、シグルド氏はほぼ全面否定。
それでも『幸運』のラックバフをもらって現地へ行ったこと、それを『何らかの形で役に立ってやるため使用しようと思っていた』ということ。
そして、入院中のはずのメイ・ユエ氏と、その事実を知らぬまま同道していたという証言は得ることができたのだという。
「もちろんこれらを、まるっきり素直にうのみにはできません。
何らかの形で役に立ってやれないか、かれらはスポーンエッグも使えないからと言っていましたが、この言葉、前半と後半でべつの対象を指していることも考えられます。
あの男は運なんてものをこれっぽっちも信じていないのです。
また、メイ・ユエ氏の件も、彼がとうに承知していた可能性は大いにあります。
つまり、メイ・ユエ氏の入院が遅かったためにその事実を知らなかった、という状況を共謀のうえでつくっておき、彼女のくぐつに3Sフラグメントの運び屋をやらせたというものです。
ただ。
入院に際して、メイ・ユエ氏が確かに本人であることは病院側が確認していますが、ソリスに行った彼女もまた、本人である可能性が高いようです」
彼女に双子の姉妹はいないという。よく似た親戚や、影武者もだ。
レム君の示したデータを見て、おれたちはうなった。
「……そんなわけで、次はメイ・ユエ氏のもとに聴取に行きます。
その際には、ミルルさんに同行を願いたいです。
彼女の休暇を奪うのは申し訳ないので、休暇明けに。
おそらくもう一度はメイ・ユエ氏のもとにゆくことになると考えられますが、その日が『六柱』との面会などと被る可能性もありますので、イツカさんカナタさんにはそちらを優先していただければと」
するとアスカが挙手した。
「て、ことはおれとかはご一緒してもいいのかな?」
「ええ、今日同様にお見舞い兼表敬訪問という形で。
これなら不自然ではありませんし……それにそれがかなうなら、お願いすることが出てくるかと思いますので」
アスカにお願いしたいこととはいったい。レム君は『ナイショです☆』といって教えてくれなかった。
もちろんマルキアには追って作戦を報告するはず。つまりおれたちを通じ、何らかの形で漏れてしまう危険を考えてのことだろう。
全部終わったら教えてね、とお願いして、おれは好奇心をなだめるのだった。
うーん、ネットが重い重い……。
うまく投稿できますように!
次回、月萌のイツカナ、休暇最終日。
どうぞ、お楽しみに!




