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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_60 旧ソリス国領の視察と合宿と!(3)

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Bonus Track_60-7 地下闘技場の覚醒とパワーアップ!~コウの場合~(1)<SIDE:月萌>

『マリアージュ発生:プレイヤー・コトハとけも装備『ホンドタヌキのしっぽ』のエンゲージレベルが限界突破しました。

 スペシャルスキル『スイート・ミルキィ・レイン』が解禁されました』


 響いたのは、そんな声だった。

 フィールド全体に降り注ぐのは、優しい雨。

 真珠のようなあたたかな色合い、甘い香り。たぬきの毛のようにあたたかく、柔らかな手触り。

 ひとつぶひとつぶ、降り注ぐたびに回復していくのがわかる。

 TPも、HPも。

 そんな奇跡をひきおこしたコトハさんも、すっかり装いを変えていた。

 シックなチャコールグレーのメイド服ふうローブは、清楚なイメージを失わぬままにグレードアップ。白のフリルはさらに重なり、各所に繊細な金の縫い取りが施される。

 その背中には十字と翼の模様が浮き出し、まるっきり聖女さながらの姿だ。

 コトハさんは自分の姿を確認すると、眼鏡の下の目元をぬぐう。


「わたし……できたんだ……

 うれしい。これでもっと、助けてあげられる。

 ありがとう。ほんとうに、ありがとう……」


 なんて、なんて、けなげなんだろう。

 聖女だ。まさしく聖女だ。

 俺たちはこころまで奮い立った。


 ミズキさんとダイの動きに、キレが戻ってきた。

 しろーさんは立ち上がり、ふたたび狐火を。

 タマもまた浮かび上がって、バブルリングを飛ばし始める。

 俺は俺の描いた『幸運』の錬成陣に手を加え、ランクアップを図っていく。


「おいおい色男! お前それでいいのかァ?

 いとしの姫君にあそこまでさせといて、お前ができませんでしたじゃシャレんなんねェぞ?」


 狐火をはらいのけ、イズミの一撃をいなしたレイジが絶妙のタイミングで煽ると、フユキはやわらかな声でこたえた。


「……ありがとうな」


 そのまま、フユキも姿を変えた。

『ふしふた』で着ていた衣装を思わせる、貴族っぽい黒コート。

 背中にはコトハさんとおそろいの、十字と翼の模様。

 聞こえてきたシステムボイスは、意外なものだった。


『『森猫の耳』のスペシャルスキル『お姉ちゃんのためなら』が上位進化しました。

 スペシャルスキル『すべて、愛する者たちのために』が解禁されました』


 大事な時に空気の読めるしろーさんは、狐火をいったんストップ。

 イズミもその場で一度止まる。

 レイジが剣を構えたまま、それでも別人のように優しく笑った。


「その目。受け入れたんだな、そのありかたを」

「ああ。

 俺とナツキは、物心ついたときからずっとずっと一緒だった。

 いうなれば、ふたりでひとつ。

 いまさら完全分離とか、どだい無理な話だと気が付いた。

 たとえナツキが別の身体を得たとしても、俺はやはりナツキに助けてもらうし、俺も、ナツキを助ける。そしてふたりで、コトハを守る。

 ……そうしていこうと今決めた」


 場内のモニターに大写しになったフユキの顔。ふんわり微笑むその瞳は、はちみつ色とあかね色の、オッドアイに変わっていた。


「そっか。……そっか。

 あー。レイジさんもーなごんじゃったわー。かわいいナツキのうれしそーな声がきこえてさー。

 よーしここはさらにギア上げていかねーとなァ!」

「そこは和解でドローじゃないんかいっ!」


 立ち上がれるほどに回復した、ニノがツッコミを入れた。


「何言ってんだ上司ども。まだお前らが残ってんだろーが。

 お前らは、この世界をもっといいもんにしようとしてる。

 それは、ホンモノの正義だ。

 欲に負けて汚しちまった、俺のちっぽけな『セイギ』と違って。

 せめて、糧にしてくれよ。世の中もっとやべぇ奴はいくらでもいる。そいつらにあった時、お前らの正義をくじかれねェためによ!!」


 レイジの背中で、輝くようにまっしろな翼が広がる。


「オラ来いや! とりあえずお前らが覚醒するまでどんどんいくぜ!

 頼む、グリ! エンヴィ、ラスト!」


 大画面のなかのレイジの身体には、複雑な文様が描き出されていく。

 腕には黄色で。胴体と足に紫で。

 最後に、瞳に蛍光グリーンで。

 一言で言うなら――改造天使。

 一目でわかった。ヤバすぎると。


『ソアー』も月萌杯で同じようなことをやっていたが、体への負担を考えてだろう、ここまでの出力じゃなかった。

 けれどいま、目の前のレイジはそうしたリミッターを全ブッパしているのが明らかだ。

 ルーレアさまがあわてた声を上げた。


『ちょ、レイジ、それはやりすぎ!

 わたしは退くよ。ミズキたちもそっち加勢してあげて!』


外でイケメンがケンカをしておりまして遅れました。

ええ、茶トラさんと白黒さんです。


切りが悪いのでもう一回続かせてください……!m(__)m

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