Bonus Track_60-2 なかよし、騎士団創始者カルテットと突然の参加希望者!~ミライの場合~<SIDE:月萌>
ルーレアさまとの待ち合わせまでには、少し間があった。
ニノとイズミの、ご用のためだ。
ふたりはイーストパラダイスとノルンの街を救った功績で、イーストパラダイス・グループの名誉会長・副会長になった。
学業優先、おしごとはイベントに出る程度で、としてもらってはいるものの、プランナー、デザイナーとして優秀なニノはすごく忙しい。
けれどそろそろ覚醒のため、集中して取り組まなくちゃいけない。
そこでグループに迷惑が掛からないように、場合によっては名誉会長・副会長職をいったんお休み、もしくは退職することも……と、相談に行っているのだ。
その間のこりのおれたち――ダイトくんとタマキくん、コウくんとシロウくん、そして、おれとミズキの六人は、ちかくの喫茶店でお茶待機だ。
コーヒーカップをテーブルに置いて、ダイト君がため息をつく。
「ホント、ニノさんはすごいですよね……まだ学生なのにもはやヤンエグじゃないっスか。
剣振るっきゃ能のない俺なんかとは、大違いですよ」
「ど、どうしたんですかダイ。アンタがそんなしおらしいと、調子狂うじゃないですか。
……昨日はあんなにはしゃいでいたのに」
タマキくんがいつもの調子の中にも、心配をにじませる。
そう、ここには『騎士団創設者カルテット』がいる。
四人は昨日の定例試合で三ツ星昇格を決め、急きょこの合宿に参加決定したのだ。
素直なコウくんがすぱっと言う。
「ダイはすごいよ? 俺らまだまだサシで勝てないじゃん!」
「まあダイの装備は我らでブラッシュアップしたからな。サシで勝ててしまったら逆に拙いのだが」
「ちょ、しろーさん?」
「つまりいまのダイは、単純にやぶることのできない、総合的に強い戦士ということだ。
それはシンプルに誇っていいことと思うが」
シロウくんがちょっと独特のフォローをすると、タマキくんもちょっとだけいじっぱりな言い方で励ます。
「そうそう、そうですよ。アンタは単純馬鹿くらいでちょうどいいんです。
うだうだ考えることは俺たちに任せて、とにかく突貫してくれればいいんです。
それは俺たちの中で、アンタにしかできないことなんですからね」
「えーと……褒められて、る?」
ダイトくんが小首をかしげると三人は口々に。
「褒められてるよ!」
「これが『つんでれ』というやつだな。」
「えっ」
「ち、ちがいますからただの事実ですからっ! 誤解しないでくださいねダイもっ」
「お、おう……」
賑やかにわいわいする四人を見ていると、おれもほっこりしてしまう。
この四人は零星救済や、騎士団の財務基盤のためにと、だれよりたくさん寄付を重ねてくれてた。
だからこそ、応援もたくさん、集まってくれての、昇格だった。
いつも仲良くミズキをささえて、おれにまでよくしてくれるすてきな四人組が、みんなに愛されているのは、すごくすごくうれしい。
心ひそかにお祈りした。四人が、覚醒できますようにと。
もちろんミズキもニノもイズミも、そして、できるならば、おれも。
* * * * *
今日の強化合宿は、三ツ星四ツ星の未覚醒のひとが、覚醒にせまるためのもの。
二ツ星のおれとミズキは、本来なら対象外だ。
けれど、みんなは言ってくれた。
『ふたりは本来とっくに四ツ星になっていいほどの功績をあげてるんだから!』
『後進が遠慮しないですむためにも、ここで覚醒目指しちゃってくださいよ!』
ミズキはたしかにそうだけど、おれはただ、みんなのお手伝いをさせてもらってただけのはずじゃ……?
そう言ったら、全月萌的なイベントで、あれだけみごとにオープニング・アクトを成功させといて何言ってんだよ! と言われてしまった。
それも、一か月前までド素人だった少年が、めっちゃ必死に頑張って、と。
たしかに、あの一か月。おれはわれながら、めちゃくちゃがんばった。
だから、おもいきって、参加させてもらうことにしたのである。
いまごろ、ハルキくんたちはマウント・ブランシェ。ナナさんたちはシークレットガーデンだろう。うまく行ってるといいのだけれど。
と、ミズキの携帯用端末に、通信が。
「あ、シャスタさまからだ……はい」
ミズキがスルッとおれたちのテーブルを聖静籠で包み、通話に応じる。
画面の向こうのシャスタさまは、ちょっとほっとしたようで、こうお願いしてきた。
『おお、間に合ったようじゃの。
突然だが、コトハとフユキをそっちに加えてもらえぬか』
ダイって連呼してると某朝のアニメの主人公を思い出してしまいます(爆)
次回、ソリステラスサイド。視察二日目、全体的にうさうさしいです。
どうぞ、お楽しみに!




