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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_60 旧ソリス国領の視察と合宿と!(3)

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Bonus Track_60-1 ふしぎなシャモアと、ごほうびタイム!~ハルキの場合~<SIDE:月萌>

 暑くもなく、寒くもなく。

 固くないけど、柔らかすぎない、絶妙の寝心地。

 ああ、天国。

 このままずーっと寝ていたくなる。


 でも、起きないと。

 だって、見ている。

 金色の角を持った、まっしろなシャモアが。

 はるか向こうの高みから。

 その目が言っている。『お前は俺になるんだろう』と。


 そう、そうだ。

 俺は、あいつになる。

 そのためには、こんなところで寝ていられない!

 全力で身を起こして――


「……あれ」


 そのとき、ぱっと景色が変わった。

 あの神々しいシャモアはもういない。

 そのかわり、緑の梢をバックに、ちょっと心配そうなみんなの顔が見える。


「あれ、俺……どうして……?

 クレイズ様と打ち合って、それから……」

「きーくん!」


 そのままの体制で記憶をたどっていると、ぎゅっと右手を握られた。

 兄貴だ。ちょっと涙目になっている。


「きーくん、よかった気が付いた!

 あのね、覚醒したんだよきーくん!

 剣と角が金色になって、武装は真っ白になって、すっごくカッコよかったんだよ!!

 でも、クレイズさまに一撃あげたら、オーバーヒートで倒れちゃって……

 ほんともう、むちゃするんだから……!」

「うん、そりゃーオミちゃんもだかんな?」


 すかさずまぜっかえしたチナツさん。みんなの間に笑いが起きた。


「きーくん、起きれる~?

 厳しいようならもうちっと横になってるといいんだな。

 へたにすぐログアウトするより、このなかで回復してからの方がたぶんいいんだな」


 兄貴の反対側にすわってたナナさんが、優しく声をかけてきた。

 その言葉にあらためて見回せば、俺たちのまわりは輝く黄金の草原になっていた。

 ナナさんの覚醒『かぴばらんど』だ――なるほど、さっきぶっ倒れたはずの兄貴がいきなり復活していたのも、これのおかげだったのだ。


「っていえっ! これ覚醒だし、維持したらナナさんがしんどいでしょ?

 俺ならもうだいじょぶですから、解除しちゃってください!」


 よいしょと身を起こせば、体が軽い。むしろここにきたときより調子がいいくらいだ。

 ありがとうとともにそれを伝えれば、ナナさんはやっと覚醒を解除。俺の頭をあったかい手で撫でてくれたのであった。



「ハルキは初めてじゃろ? 初めてのお客様はごちそう攻めにすることとクーちゃんルールで決まっておるのじゃ☆

 皆も遠慮なく食べてゆけ、楽しませてもらった礼じゃ!」


 ……ということで。

 ふかふかのラグの上、森の恵みのおやつを食べ放題。

 美男美女ぞろいの神獣の皆さんが優しく給仕までしてくれて、至れり尽くせりの歓待が始まった。


 冷たいココナツウォーターを喉に通し、とろぷるのマンゴーをほおばれば、生き返る心地がした。

 あまずっぱいできたてロベイラジャムと、森のベリーを使ったケーキはスイシャン(スイーツシャングリラ)のケーキよりもおいしいくらい。

 一通り満喫したところで、クレイズ様がごほうびをくださった。


「ではまず、ハルキに初回特典じゃ。『森の恵みの組みひも』を授けよう。

 そのまま身に着けるもよし、クラフターにクラフト加工してもらうもよし。好きに役立てるがよい。

 そうじゃな、このコハクとともにハンターズ・チャームを作るのもよいかもしれんな」


 俺の手の上に、青と緑の色合いの絶妙な組みひもが、次いでつやつや輝く琥珀があらわれた。

 兄貴が目を輝かせ、声を弾ませる。


「まかせて!

 そうだね、ニノと相談して、イツカのに似た感じにしようか。

 しっぽ飾りはさすがに厳しいけど、角とか剣とか、好きなところに飾れるの作るから!」

「うん! わー嬉しい! ありがとうクレイズ様、兄貴!」

「ふむ、身に着けるものにするなら真珠もつけるか。カナタが心の落ち着くお守りにしておるものじゃ。おぬしの役に立つことじゃろう」


 はしゃいでいたら、クレイズさまはさらにおまけも下さった。


「えっえっ、いいんですか?」

「どのみちやるつもりだったものじゃ。

 このなかの、誰に渡したところでお前に行くじゃろう?

 仲間たち全員からのプレゼントとして、とっておくがよい」


 茶目っ気あふれるウインク。みんなもうんうんうなずいている。

 とくに女子なら、ジュエリーは欲しいものだと思う。それなのに、ナナさんもユキさんも嫌な顔一つしない。優しい目をして譲ってくれる。


「ありがとう……みんなありがとうっ!」


 俺の胸はもう、いっぱいになってしまったのだった。




 そうして――

 ナナさんは、大地の加護を得るチャームを。ユキさんは、風の加護を得る羽根飾りを。

 兄貴たちクラフターは、たくさんの爪や牙、羽根やコハク、真珠、貝殻と角。そして南国フルーツ詰め合わせをいただいた。


「ひゃはー! こりゃーいろいろ作れるな! もちろん食材はソーやんに渡して……ってあれ、このツノ………………」

「おお、パラセクトディアのツノじゃ」

「ぎゃああああっ?!」


 チナツさんがこわごわ手に取ったものは、チナツさんが『Gのつくあいつ』より怖がるゾンビ鹿の角だった。


ミライ「きーくんたち、うまくいったみたいだね!

 そういえばおれたちのこともちょっと書くっていってたけど……」

ミズキ「うん、そっとしといてあげよう? 作者なりに頑張ってるみたいだから」

タマキ「なるほど、予告詐欺回避のための詐欺ですね^^b」


(↑……はい、頑張りの結果ですorz)


次回、ソリステラスサイド。ホテルのお部屋でまったりです。

そこにはなんと、おとなの猫さんが……?

どうぞ、お楽しみに!


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