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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_58 旧ソリス国領の視察と合宿と!

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633/1358

58-2 輝く海のご予約と約束!<SIDE:ST>

 少し歩こう、と促され、浜を見下ろす防波堤を歩きだす。

 磯のにおいと、活気に満ちたにぎわいが、風にのり流れてきた。

 行く手にあるのは、にぎわう朝の漁港だった。

 木と石でつくられた素朴な外観の突堤に、色とりどりの釣り船が次々戻り、網や木箱に入った魚がどんどん水揚げされていく。

 リアルで見るのははじめてで、ちょっとドキドキしてしまう。


「すげー……すっげー!!

 初めてナマで見るこんなのー!」


 イツカはテンション上がりまくり。キラッキラのお目目からは『俺もあれやりたい』ビームが出まくっている。

 パレーナ八世は微笑まし気にくすりと笑った。

 そして優しくねこみみ頭を撫でると、ちょっぴり茶目っ気をまぶした口調で言ってくれた。


「観光客用だが、体験ツアーがある。

 まだ暗いうちに起きねばならないし、酔っても船から降りられないが、それでもやってみるか?」

「え゛………………

 っでもやってみたいっ!!」


 早起きは苦手なイツカだが、それでも好奇心には抗しがたかったようだ。

 やってみたいとキッパリ宣言。


「決まりだな。

 ソリス領視察、最終日の朝に予約を入れておこう。

 カナタたちはどうする? 正直に言うと結構きついから、無理はしない方がいいが……」


 気遣ってくれる気持ちに感謝しつつ、おれも名乗りを上げた。


「お心遣い、ありがとうございます。

 おれも行きます。ここでしかできない体験ですし……

 イツカを放し飼いにするといろいろ心配ですから」


 実のところ、『シエル・ヴィーヴル』のメンバーをつき合わせるのは悪いと思ったのもある。

 軍人相手に失礼かもしれないが、それでも小中学生くらいの子やおれたちとそうかわらない少女や、おれたちより強いだろうけれど女性であるひとを、当人の意思を無視して漁船に乗っける神経はおれにはない。

 それくらいならおれがイツカのおもりを、と思ったのだが……


「ではおともは私が。

 ご安心ください、こう見えて日々鍛えております。お邪魔にはなりません」


 背後に控えていたマルキアが、さらりと名乗りを上げてくれた。


「女性には大分きついぞ」

「これも鍛錬です」


 余裕の笑みでウインクまでされると、すみませんありがとうございますっと頭を下げてお願いするよりほかはない。

 隊長自らきつい仕事に手を上げる。かっこいい、素直にそう思った。


「俺は、……」

「ハーちゃんも興味あるなら行ってきなよ。

 おれは確実にめっちゃ酔うからやめとくけど」

「………………大丈夫、なのか?」


 ハヤトは心配そうだが、どっちかというと『こいつを放し飼いにして大丈夫なんだろうか』という顔にも見える。

 アスカはちびドール(また新しく作った)二人を両肩ににししと笑う。


「だーいじょぶだって! バニーちゃんとなっちゃんつれていーこでお留守番してるから! 安心してって、ウワキなんかしないからさっ」

「げほっ?!」


 ハヤトが盛大にせき込めば、パレーナ八世は声をあげて笑った。


「本当に仲睦まじいのだな、月萌のバディどうしは。

 安心してくれ、お前たちの間に割り込めるものなどそうはいない」


 いつの間にか、地元の人たちも周りにいて、陽気な笑い声がおれたちを包んだ。



 そんなわけで、ソリス国視察最終日、ここに戻って来たときは、漁業体験ツアー・朝市ごはんと温泉つきのよくばりセットが決定した。

 しごとのあとの魚はとびっきりうまいからな~と皆さんにすすめられ、今からワクワクである。

 しばし気軽な交流ののち、そろそろということで解散。おれたちは来た道を逆にたどってコテージのほうへ。

 見下ろす浜べには、マリンレジャーを楽しむ人の姿も増え始めていた。


 さきとはまたちがう陽気な声が、こちらにも聞こえてくる。

 このなかには、旧ステラ国領から来た人もいるのだろう。

 しかし、きらめく海は分け隔てなく、楽しむ人々を見守っている。

 思わず口をついた。


「……いい場所ですね」

「私はあくまで、その当時を伝え聞くのみではあるが。

 当時は漁民たちにも、ずいぶんと苦労を強いていた。

 戦闘に従事していない者たちへの攻撃は行わないよう、そんな取り決めは互いに結んでいたが、それでも避けようもなく累が及ぶこともあったのだ。

 けれど二つの国は手を結び――このまぶしい光景がうまれた。

 たとえ長き戦いの歴史が背後にあるとしても、ひとしくこの海を愛する笑顔を見てしまえば、もはや敵と憎むことなどできはしない。

 この平和を守るためなら、私は身命を賭す。我が仲間たちも、総力を挙げて戦う覚悟でいる。

 イツカ、カナタ。お前たちは、私の希望でもある。

 きっと『グランドマザー』を説得してくれ」


 もちろんおれたちの返事はひとつ。

 しかしそんな感動は、五分しないうちに吹っ飛ぶことになる――とあるヤキモチ焼きのこだわりによって。

不詳日向、船どころかゲームでの視点変更すらやりすぎると酔います……orz


あやうく『ひと悶着』を入れ忘れるところでした(我ながら姑息!)

次回、ライスシャワーをまきたくなる光景。どうぞ、お楽しみに!

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