7-2 やってみよう!『ミライツカナタ』VS『うさもふ三銃士』!
こちらにも告知を……
第49話(Bonus Track_5_3-2 【今日も】イツカナ雑談スレッド【ダラダラ語ろうぜ】https://ncode.syosetu.com/n4864ft/49/ )の後半がなくなっていることに昨日気付き、急遽コピペしなおしました……
ちょうどお読みだった方には、混乱されたことと思います。大変申し訳ございませんでした!
『うさぎ男同盟』のみんなについて、資料や映像はすでに見ていた。
だから、全く何も知らないわけじゃなかった。
ミズキはプリースト技能、ハンター技能ともハイレベル。王都ノーブルで聖騎士としてつとめ、対戦相手にも優しく接する『戦場の聖母』として人気が高かった。
ソーヤは『グルメハンター』として鍛えた体力と、正確な剣さばき、鋭いアイテム投擲が強み。食のためだけに単身ヴァルハラに足を延ばしてきた、イツカなみのフリーダム男だ。
シオンは明晰な頭脳から情報屋として名を成し、直接の戦闘力は高くはない。しかし錬成には天性のセンスがあり、頼れる前衛さえいれば、強力な魔導士になる。
そこまでは一応、知っていた。
しかし何の調整もなく、ぶっつけで戦ってみた結果は恐ろしいものだった。
開戦一番、ミズキが抜刀。自らに神聖強化。
同じく抜刀、ミズキにむけて駆け出すイツカには、ミライが神聖強化。
さあ、前衛同士で斬り合いか? という局面だが、やはりそうはならなかった。
ミズキはスキル『超跳躍』を発動。白い法衣をなびかせながら、大きく大きく跳ねる。
そうしてイツカの頭上を抜け、おれたち後衛を狙ってきた。
ミライはおれに神聖強化、おれは両手で『抜打狙撃』。
エアロボム500が二発、防御姿勢をとったミズキに着弾、炸裂。
ミズキはダメージを受けたうえ、空中で体制を崩す……が、もちろんこの程度で仕留めることはできない。
総計1000程度行くはずのダメージは、しっかりとした防御と強力な神聖強化の効果で329まで軽減。
直後に使われた回復によって、完全に拭い去られてしまう。
同時に、白いズボンに包まれた脚がするどく宙を蹴る。
『超跳躍』+神聖強化で強化された脚力により、ミズキの身体はぐるりと回転。
距離こそ削られたものの、ノーダメージでの着地を決めたのである。
ミズキのプリーストとしての能力は高い。ハンターとしての修練も積んでいるため、ダメージが通りにくく、回復量は大きい。
さらにはうさぎ装備で身軽さも兼ね備えているとか、もはやチートと言っていいレベルだ。
さきほどハヤトも言っていた。『もしこの学園がマトモだったら、とっくの昔に四ツ星になっていておかしくない』と。
もっともとうの本人は、笑ってそれを否定したのだけれど。
そんな謙虚なつわものは、着地と同時に地を蹴って、再びこちらに向かってきた。
今度は跳ねることなく、まっすぐ地上を駆けてくる。
おれは足元に描かれた土の初級錬成陣に、足でパワーを流し込み、暴発させた。
ミズキの突撃を予想し、試合開始直後から足で地面に描いていたのだ。
ひとつ、ふたつ、三つの土の爆発がミズキの視界を奪い、足元をすくい、衝撃を与える。
同時に両手の魔擲弾銃を連発。装填されていたエアロボムののこり、計六発を打ち込んだ!
けれど、それも、ミズキはしのぎ切った。
かわし、防ぎ、回復を連発し、耐え抜いたのだ。
土煙の中立ち上がったミズキは、そのはなだ色の瞳は、おれをまっすぐ見つめる。
そして、優しく微笑みかけてきた。
その姿は、凛として美しかった。
色素の薄い髪や肌。純白の法衣もクリーム色のロップイヤーも、なにもかも土埃にまみれても。
それでもいっそう清らかに、そしてどこかはかなげに。
慈愛すらにじませる姿からは、底知れぬ余裕を感じる。
これが、『戦場の聖母』。
おれはひねくれているから平気だったが、うしろでミライが息をのんでいる。
「ミライ?」
「はわっ?! だ、だだだいじょうぶ!
ほんとに聖母様みたいで綺麗だなって思ったけど、だいじょぶだから! 見とれたりなんてしてないからっ!!」
「もう、ミライくんまで……俺男だよ? 綺麗なんかじゃぜんぜんないって」
「あわわわ! ごめんね!! 悪気じゃないから!! えっと、えっと、イケメンだからっ!!」
軽く呼びかければ案の定、あわあわと大慌て。ミズキはくすくす微笑を零す。
「うんうん、わかってるから大丈夫。
……ミライくんはほんとにかわいいね。
シオンもだけど、戦うのやめて連れて帰りたくなっちゃう」
「うん、わかる。ミライもシオンもすっごいかわいい。
連れて帰ってお菓子あげたくなっちゃうよね」
「ええええ?!」
するとフィールドの向こう側からもやんやと声が飛んできた。
ミズキ同様単騎で切り込んだイツカと、イツカからぴょんぴょん逃げつつボムを投げつけるシオン&ソウヤ組からだ。
「もー二人ともー! オレはかわいくなんかないってばー!!」
「賛成一票ー! ミライさんはかわいーい!! シオはかわゆーい!!」
「ぴゃ?! やめてよソーヤくんまでー!!」
「っていうかおなじじゃんかー!!
もー、もー、ソーやんのいじわるー!!」
ソウヤがシオンをからかうと、その怒り? の矛先はイツカに向いた。
三倍ペースでボムを投げつけられ、哀れイツカは半泣きだ。
「どっちでもいいから俺に当たらないでー!! ミライっ回復っ!! 回復してええ――!!」
「あっはい! 回復!! 回復!! 神聖強化!! がんばってイツカ!!」
「っしゃあ! 待てこらソーヤあ!!」
「はーっはっはー、その程度で俺を捕まえられるとでも? ホレホレ、捕まえられたらモフっていいぞーってぎゃー!! シオなんで俺をねらってくるのっ?!」
「ソーやんモフられちゃえ! でもってオレもモフるっ!!」
「ちょっまっいやああ!! ふたり同時はむり! ふたりは――!!」
「あわわわ! ソーヤくんだいじょうぶ?! ヒー」
「だめええソーヤは敵ー!! ヒールは俺にしてミライ――!!」
なんだかもうむちゃくちゃになってきたそこらをしばし眺めて、おれはミズキに提案した。
「えーと、再開、しよっか?」
「そうだね、うん♪」
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