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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_54 おれたちの、なすべきこと

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54-1 月の女神の告げたこと<SIDE:月萌>

2021.04.25

どっちのイツカナかわかりづらいかと思い、サブタイにSIDE表記を足させていただきましたm(__)m

 思い出す。

 もう半月は前になるだろうか。今回の作戦が決まってすぐ、『前倒しでの情報提供のために』と、セレネさんの方から呼び出されたときのことを。

 セレネさんは、自分ではポーカーフェースと思っているだろう、おれたちから見れば痛々しいというほかはない顔で、おれたちに頭を下げたのだ。


『まずは、詫びさせてほしい。すまない。

 これから話すことはお前たちに、酷く衝撃を与えることになろうかと思う。

 ……許してくれとしか言えぬが……』

『セレネ、セレネ』

『謝る必要なんてないですよ、セレネさん。

 おれたちもう、だいたい察してましたから。

 現実感は、正直まだまだ……ですけどね』


* * * * * 


『くぐつ』は(ほぼイコール)本人だと、月萌でもそういうことになっている。

 ただ、一般的なくぐつは飲み食いができない。それをもってくぐつは本人『代理』と判定される。

 逆に飲み食いができれば、それはまさしく本人と判定されるのだ。


 なにがいいたいかというと、ラボの片隅で眠っていた、おれたちのためのくぐつ。今回の作戦のためにアスカが魔改造したおかげで、ライカ同様、おいしくものを食べて飲めるようになっていた。

 よってこのセカイ的に言えば、ソリステラスに行ったのも本物のおれたちなら、こちら月萌に残っているのも本物のおれたち。

『虚無』フラグメントの分離処置に当たって、当然『くぐつ』であることは明らかになるけれど、そこは一応、問題にはならない……のだ。


 おれ的に言えば、当然このおれが本物。しかし、向こうも向こうで本物だ。

 おれたちがもといたセカイではこういうのはなかった、と思う。百歩譲ってあるとしても、SF作品の中だけのはず。

 まさか、このセカイ自体がすでにゲームなんじゃないだろうな。そう思ってとりあえず、うとうとしているイツカをモフってみた。

 いや、よく考えたらこの猫耳はティアブラシステムで具現化させたゲームのアイテム。これではだめだ、思い直したおれは、イツカのほっぺたをつねってみた。

 はたしてもちすべのいい感触とともに、イツカは声を上げた。


「いひぇえええっ?!

 にゃんだよカナタ、起きてるってば! 夢じゃないから!!」

「……そう、だよね」


 そうだ、これがいまのおれたちの現実。

 公務の合間にふたり、『ゼロブラ館』の居間で向かい合って、受験勉強をしている。

 たとえこの部屋の外に信じがたいことがちりばめられていたとしても、これがリアルなのだ。


「これが現実だって、信じられないとか?」

「……うん」


 信じがたいほどのリアルチート野郎は、そのチート性能を正しく発揮しておれの戸惑いを察してくれた。


「正直言うとさ、俺も」

「マジ?」

「ああ。

 五歳でここに出てきてから十年、ずっと暮らしてきたけどさ。

 ご飯食べて、お風呂入って、ときどきケンカもして。

 けれどときどき、これはマジで現実なのか? って思うときはある。

 リアルにVRを重ね合わせて、ゲームと現実を融合して、魔法みたいなことを現実にして……

 かと思ったら、それを管理してたスパコンが、人類育成計画とかいって全人類強制参加でウォーゲーム始めちまったとかさ」

「……うん」

「さらにはいま俺たち事実上増えてるとか……ほっとくと世界が滅ぶとかさ」



 軍師チームがセレナ・タカシロの陰謀を嗅ぎ当て、作戦が決まり。

 情報公開主義のソリステラスへの渡航が決まってすぐ、おれたちはセレネさんから、彼女の知る限りを聞かせてもらった――約束の第三覚醒はまだだったけれど、前倒しで。


 正直なところを言わせてもらうと、それはおれたちにとってほぼ『答え合わせ』だった。

 おれたちはすでにあの帰り道で、感づいてしまっていた。

 ときに敵国工作員、ときに『観光客むがいなべつじん』として現れる彼女らは、実は真の意味での敵ではない。

 つまり、彼女らの上、女神たちもみなつながっている。

 イコール、月萌とソリステラスのVR戦争は、ただしく『ゲーム』なのだと。


 それをうかがうことができるような状況を、そのままにしているということは――

 セレネさんは、気づいてほしい、助けてほしいのだと。


 青空のように大きく、少女のように小さなSOSを、彼女はあちらこちらで放っていた。

 大人のしがらみで身動きが取れなくなる前の若者が、解決のために動き出せるように。


『この地に生きる者たちを皆『アースガルド』に送るまで、我らは戦いを続けねばならない。

 それは人の子が担うにはあまりに重い責と私は思った。故に、私は民にそれを伏せた。

 我と人との仲立ちとなる神族三家と、彼らの認めし者以外には。

 だが、我が国の発足より月日は流れ、人と世の有り様も変質した。

 七つの罪の申し子――3Sの出現は、世のゆがみへの警告。

 人の子らはいま、それすら戦いの力に変えているが、そのようなことを続けておれば、この世界は破滅を迎えてしまうことだろう』


 セレネさんはそう、おれたちに告げた。


やっとこの伏線回収できましたっ!!(ノД`)・゜・。


次回、これからの目標再確認とモフモフ!

どうぞ、お楽しみに!

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