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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_53 ソリステラスの女神たち

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53-8 策士の試練!『シエル・ヴィーヴル』専用ラウンジの惨劇!

本日ちょっと(いやだいぶ)はやいですが投稿させていただきます!

 ステラマリス城から基地に戻ると、今後に向けた短い打ち合わせをして解散した。

 マルキアは報告などのしごとへ。ナツキとバニーは仮の身体の調整のため一足先にラボへ。

 おれたちふたりはというと、五分でいいからということで『シエル・ヴィーヴル』専用ラウンジに拉致られた。


「……で」

「で!」

「「あんたの本命はだれなのよイツカ!!」」

「へあっ?!」


 そこで何が起きたかというと、これだ。

 モテモテ黒猫野郎はクールな赤とホットな青の美少女に挟まれて、ただいま絶賛詰め寄られている。うんうん、両手に花とはこのことだ。おれは微笑ましく見守る。


「だからっ!」

「証拠は挙がってるのよ。

 女神セレネと、ルナ・タチバナとは交際中。マル姉さまもあんたを気にしてる」

「さらにはソレア様ともあんなにラブラブで!」

「「一体だれを伴侶にするつもりなのよあんたは!」」

「伴侶にするって、……そもそもそんなの、俺だけで決められるもんじゃないだろ?」

「「うぐっ」」


 なんと驚くべき正論だ。やつへのご指導をお願いしたユーさんも、これを聞けば喜んでくれることだろう。

 だが、美少女たちはめげない。

 どちらかといえば冷静そうな、赤髪の少女が質問を修正した。


「じゃ、……じゃあ質問を変えるわ。

 イツカ的に一番の、ただひとりのパートナーといったら誰?」

「そりゃカナタだけど」

「ええええええええええええええええ!!」


 サラッと帰ってきたのは、正しいんだけど限りなく間違った答え。

 室内が少女たちの叫び声に包まれた。


「あの、その、はい、ええ」

「悪かったわねイツカ。私たちあなたのことを誤解していたわ!」

「詰め寄ったりしてごめんね。わたしたち二人を全力で応援するからね!」

「え、マジ? ありがとな!」


 顔を真っ赤にしてキョドる『グリーン』――ヴェールさん。

 うれしさを隠せない様子で謝る『レッド』――リンさん。

 エキサイトしまくりから一転、すっごく優しい目になった『ブルー』――マールさん。

 そして無邪気な笑顔で返事する黒子猫野郎――うん、やっぱり駄目だった根本的なところで。やむなくおれは事態の解決に乗り出した。


「あの、みなさんちょっと待ってください!

 なんか誤解があるみたいですけど、これはただ」

「いいのよ、照れ隠しなんてしなくって」

「照れ隠しなんかじゃないですリンさん」

「間違ってない、間違っていないわっ!」

「ひととしてのあり方じゃなく事実関係の認識が間違ってるんですマールさん」

「公私ともにすべてをゆだねあうパートナー……尊いですっ……!!」

「すべてはゆだねてませんしパートナーでもありませんヴェールさん」

「イツカが相手なら、あたし、譲れるよ……うん、譲れる……」

「だからジュディもそういうことじゃ」

「カナタさん、お話が」


 と、ホワイト君がキラーンと眼鏡を光らせておれの腕を引いた。

 そのときおれは気がついた。

 これは――今朝考えていたことを実行に移す、またとない好機だと。


 イツカとおれが『できて』いるなんてのは、一万歩譲っても一兆歩譲ってもあり得ない、つまりどこまでも完璧な一点の曇りとてない誤解だ。

 しかしその誤解で、ひとりの少女とひとりの少年が、幸せになれるなら。

 おれはすかさずそれに応じた。

 

「そうだった!

 ホワイト君、君とちょっと、二人だけで男同士の話がしたいんだけど!」

「望むところです。行きましょうか」



 そうしておれたち二人は速攻、ミーティングルームへ向かった。

 その後にどんな惨劇が待つことになるのかも、思うことなきままに。



「いいですね」

「うん」

「『イツカさんとカナタさんとが実はできている』という誤解は、あえて完全には解かないでおく」

「そうしておれは、演技をはじめとしたホワイト君の恋の応援をする」

「そのかわり僕は、カナタさんにできる限りの便宜を図り、情報提供も行う」

「名づけてずばり、『傷心のジュディをホワイト君がなぐさめて、そのままラブラブになるぞ大作戦』!」

「ですね! ……あっ、よければ僕のことはレムって呼んでください。ホワイトって呼びづらいでしょうから」

「おれのこともタメでいいよ。難しかったらそのままでもいいけど」

「この口調、クセなんです。僕のが年下なので、お気を使われずに」

「了解。よろしくねレム君」



 そうしてラウンジに戻ったホワイト君――改めレム君とおれは、事態がとんでもない方向にぶっ飛んでいることを目の当たりにした。

 ラウンジのドアを開け、一歩なかに入ったとたん、猫耳をぺったんこにしたイツカが泣きそうな顔ですがり付いてきたのだ。


「カナタあああ!!

 お、俺たち、バディだよなっ?!

 レ、レムに惚れちまったからって、のりかえたりとかしないよな?!」


 その後ろでは四人の女子たちが、そろって華やいだ様子でこっちを見ている。

 隣のレムくんはとみると、眼鏡半分ずれた状態でフリーズしている。


「………………ごめん、何言ってるかぜんっぜんわかんないからちょっと時系列に沿って説明してくれる?」


 おれは思わず、笑顔で全力の圧を放っていたのであった。

前々回、前回と、大事なところでいまいちよろしくないミスが続き、反省モードです。

今回は一晩おいたので大丈夫、そう信じたい……って、内容とのギャップ(爆)

いつもお付き合いくださる皆様に、心よりありがとうございます。精進しますm(__)m


ともあれ、次回は隊長に許可をもらって一日目終了です。お楽しみに!

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