53-5 謁見、ソリステラスのトップ2!
初めて見るソリステラスの女王は、落ち着きと若々しさを兼ね備えた妙齢の女性だった。
金の髪には、星を思わせる宝石のティアラ。ドレスは白と金銀、クリームイエローをうまく配したスッキリ寄りのデザイン。つゆ草色の瞳がワンポイントとして映えうつくしい。
その装いは威厳全開でも親しみ全振りでもなく、バランスをうまく取ってあるあたりに、周囲とおれたちへの気遣いが感じられた。
このひととは、どこかしらちょっと似たものを感じる。おれは好感をもって異国の女王に相対したのであった。
「申し上げます。特務ユニット『シエル・ヴィーヴル』、月萌国特使ホシミ氏、ホシゾラ氏両名をお連れ致しました」
白の詰め襟でキメたマルキアが、ビシッと敬礼。後ろに続くジュディたちも、同時に敬礼したのが気配でわかった。
つい雰囲気にのせられそうになるが、ここはそのまま。おれたちはソリステラスに仕えているわけではないのだから。
お呼びがかかった後、一歩進み出て紳士から淑女への礼を。
対してソリステラス連合国女王、そして女神様は、みずから玉座を立って迎えてくれた。
「ホシミ様、ホシゾラ様。よくぞいらしてくださいました。
わたくしはソリステラス連合国女王、ステラマリス十二世でございます。
貴国月萌と、われらソリステラスはけして友好的とは言えぬ現状にも関わらず、お力を貸して下さる広き御心に、国を代表して御礼を申し上げます。
そして、このような形でお招きすることになったことに、お詫びさせて下さいませ。
両日中にもわが娘エルメスが、貴国との休戦協定を締結してまいります。
その暁に改めて、平和特使としての歓迎式典を行わせてくださいませ」
優しい笑みとともに頭を下げ、握手の手を差し出してくる。
一国の元首としては丁重すぎるほどの態度だが、無理もない。
ステラマリス家はもともと、ステラ国の王家。守護女神ステラの安否は、まさしく死活問題なのだ。
おれたちはつぎつぎ握手に応じる。
イツカは確定的にため口ぶったたきそうなので、あらかじめ黙っとけと申し渡してあった。よって返事をするのはおれである。
「温かくお迎えいただき、ありがとうございます、女王陛下、女神様。
以前エルメス皇女殿下がたよりお話を聞いてより、ずっと気になっておりました。
ですからもちろん、ステラ様との面会は、式典以前であっても構いません」
「ありがとうございます!
これまでもいろいろと手を尽くしてきたのですが、ステラ様にとりわたくしたちは守るべき者。それに気を遣わせてしまっていると、ますますお心のいたみを増させるばかりで……。
ステラ様が臥せってしまわれた原因は、わたくしたちの弱さにあるというのに」
一瞬声を弾ませた女王ステラマリスだが、最後には金色の長いまつげを伏せ小さくため息をついた。
そのさまは気品に満ち、ため息が出るほどの美しさ。さすがは本物の女王様――でもだいじょうぶ、流されたりはしない。
真珠のうさみみ飾りにそっと触れて、おれは問いを発した。
「詳しくお聞きしてもよろしいですか?
月萌のマザーからは、激務に倒れたとやんわりとしか聞かされていないのです。
私では主観が入ってしまうだろうから、と……」
「まあ……青き月の女神様は、ほんとうにお優しくていらっしゃるのですね!
わかりました。お話ししましょう。
ですが、賓客であるあなた方に、立ち話をさせるのも気が咎めます。
ガーデンテラスにお茶の席を用意してございます。まずはそちらに参りませんか」
「はいっ!」
女王ステラマリスは今度こそ笑顔になり、魅力的な提案をしてきた。
するとおれの横と後ろのにゃんこが二匹、勝手に返事をした。
イツカとナツキだ。もう猫耳ぱふぱふ、お目目キラッキラである。
まあ、しかたない。特に今朝のナツキは、イツカの内側からのごはんタイムだったのだし。
相手がレイジたちならなさけよーしゃなく笑いとばすバニーも、ナツキを優しく撫でながら、いただきましょうよと援護射撃。
もちろんおれに否はなかった。
うそおおブックマーク! いただきました!(∩´∀`)∩
ありがとうございますっ! がんばれますっ!!
次回、女神ステラが倒れた理由。どうぞ、お楽しみに!




