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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_53 ソリステラスの女神たち

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53-2 フリーダム! コンディション・レッドと紅の女神!

 よく通る朗らかな声。

 さっぱりとした、赤のショートカット。

 動きやすそうな、チュニック風の服装。

 誰かによく似た、すこしボーイッシュな笑顔をいろどるのは、キラキラ輝く、深い紅の瞳。

 両手を腰に、あははははーっと笑う様子は、こっちまでつられて笑ってしまうほど明るくさっぱりとしたものだ。


 それだけみれば、ふつうの元気なお姉さん。

 けれど、彼女のまとうオーラは、普通とは程遠いもの。


「えーと、ソレアさま、って、ソリステラス国のマザーのソレア様であってますか?」

「せーいかーい!!

 かたっくるしいのはめんどーだからソレアでいいよ。なんだったらタメでもね!」

「マジ? じゃソレアな!」

「おい!」


 のたまうイツカにおれは全速力でうさ耳パンチをくらわし、頭を下げさせた。


「いくらなんだって呼び捨てはないだろ! よそさまの女神様なんだぞ!

 すみませんこいつまだくそガキで」

「ガキだからこそ許されるんだよ。

 ってか、キミたちはひとりの女の子を救うためだけに、敵国に飛び込んできてくれた若き勇者。そしてボクたちの恩人となる存在なんだ。

 むしろボクたちが敬語使わなきゃなくらいだよ?」


 ……これは、おれもタメで行けということなのだろうか。

 いやいや、それはいくらなんでもだ。

 おれは一つ息を吸うと、紅の瞳に微笑みかけた。


「あなたは女神マザーとして、一国をおさめていらっしゃいます。

 だから、おれはそれに敬意を示したいです。

 タメでいくのは、もっと仲良くなってから……でいいですか?」


 女神さまはニッコリと笑う。

 どうやら、お気に召す答えだったよう。


「おっしゃー! じゃあさっそくバトろ! ごはん食べたら!」

「げほっ?!」

「マジいいの――?!」


 おれが思わずむせる一方、イツカはキラッキラのお目目で立ち上がり、ソレア様とがっちり同志の握手。

 その時おれは気づいてしまった。誰かに似ていると思ったら、イツカに似てるんだ。

 大小ふたりのイツカが二匹。でも一方はここの女神様。これはどうしたもんだろう。

 おもわずジュディとマルキアを見れば――


「まあ気楽に構えておいでよ。たまによくあることだから」

「えっ」

「うんうん。あ、いまのコンディション・レッドはちょっとしたドッキリだから!」

「えええ……?!」



 午前中に予定されていた謁見はまさかの、御前試合――というか女神本人との飛び入り親善試合スタートとなってしまった。

 彼女のチカラで、いまいた星都ステラマリスを飛び出し、陽都インティライムへ。

 方角にして南西へ。大陸をまたぎ、空を渡ってひとっとび。

 眼下の景色が、SFチックな街並みから船と橋で結ばれた海へ。やがて石造りのエキゾチックな街並みへと流れるように変わっていくのは、ひたすらに驚きだ。


「へへ、おもしろいでしょ?

 さっきいたのがもとステラ国領。ここからがもとソリス国領さ!

 ちなみに月萌はむこうだよ(とソレア様は左前方を指さした)。月萌がわからの鎖国結界で見えないし、行けなくなってるけどね」

「へー……」

「あっ、ちょっといきすぎた。戻る戻る」

「かそくどおおっ?!」



 そうして降りたったのは、インティライムの郊外にある『戦いの丘』という場所だ。

 ぶっちゃけ、なにもない。

 草木はとっくに吹き飛ばされ、かたい岩盤が露出した、白っぽい石舞台。

 海からの風と、そらから照り付ける太陽だけに洗われた、天然の闘技場だ。

 いや、闘技場というには、少々広すぎる気がしなくもない。

 少し離れたところに見える山肌や、そこに見える遺跡ふうの見物席からは、キロ単位の距離がある。

 ちなみに二層構造の席にはもう、色とりどりの服を着た人々がぎっしりと詰まっていた。


「うお、広いな! ってかあいつらあんな遠くで見えるのか?」

「あーだいじょぶだいじょぶ! 素で見える子もいるし、遠見映しのチカラも使うから。

 あっきたほらこれ、これで遠くから見れるんだ。まーだいたい当たったり壊れたりしないから気にしないでいーよー。きみたちんとこでいうはばたき飛行式小型カメラのようなものだから!」


 いつの間にか、周囲にたくさんの光る玉が浮いている。

 なるほど、こちらでもこうして遠隔観戦をするらしい。

 ちなみにイツカは捕まえようとぴょんぴょん駆け回っている。猫か。


「えーと、スピードはいずみん並み、パワーはハーちゃん並み、耐久度はケイちゃんで、回復はミーたんなみのを一回だけ使わせてもらおうかな。そっちは何でもありでどう?」

「おうっ!」


 けれどソレア様からバトルの提案を受けるとくりっと振り返った。

 ぶっちゃけどれも、強化バフを積む前のおれたちより上。全部そろえば完全にボスキャラだ。

 けれど。


「お願いします!」


 せっかく楽しむためにと設定してくれたハンデ戦。

 勝っても負けても、全力でいくのが一番だ。

 おれも覚悟を決めて、お願いしますと頭を下げた。

最初は移動中にヒャッハー☆と来る予定でした。

さすがにひどいんでこうなりました。

やっぱりひどいです( ̄∇ ̄;)ハッハッハ


次回、さくっとバトル! お楽しみに!!

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