50-4 第一部注目ポイント:ハルキくん代理出場!
金曜の午後にも、当然働いている人はいる。
けれど、その数が少なくなることは確かだ。
たぶん今日は、いつもの数倍少なくなっていることだろう。
なぜってこの定例闘技会では、『白兎銀狼』『しろくろウィングス』が卒業記念エキシビションを戦うのだ。
注目の要素はそれだけじゃない。
そのほかの出場生徒の入場時紹介は、この四人が持ち回りで行うという贅沢仕様。
いまもほら、デコデコスーツもまぶしいアスカが、マイク片手にフィーバーしてる。
『さーて! 次に出場するのは――!
山岳の貴公子、シャモア装備もバッチリ似合うカッコカワイイぴょんぴょんハンター! イジュウイン ハルキだ――っ!!
今回は前日に体調を崩した仲間のための代理出場!
しかもファイトマネーはお見舞いとしてあげちゃうぜという漢っぷりっ! これは応援しないわけにはいかない! ぶっちゃけ投げ銭とかファンレターとか投げ銭とか投げ銭ちょーヨロスコ!』
「ちょ、アスカさ――ん!! そんなに投げ銭連呼しないでくださいよ――!!
もー、恥ずかしい……」
顔を赤くして恥じらうハルキ君の姿に、黄色い(例によって一部野太い)歓声が上がる。
そう、この試合も、今回の注目ポイントのひとつだ。
ハルキくんはその頑張りと可愛さでただいま人気赤丸急上昇中。それが、仲間のためにと急きょ出場する。それもファイトマネーは見舞いだとっとけと言ったなんて、おれだって全力応援しちゃう案件だ。
「相手は……ん? およ!
みんな大好きスパイダーマンティスだ!!
なんてこった、しっかり二ツ星ようにチューンナップされてるぞ!」
一ツ星の単騎ハンターの代理試合は、二ツ星のハルキ君には楽勝すぎかと思っていたら、しっかり二ツ星レベルに調整ずみ。
それでも相手はふつうの中型一体、小型三体。いまのハルキ君ならば、ひとりで充分やれるレベルの相手だ。
はたしてゴングが鳴ると同時に、小型一体がすれ違いざまに斬られた。
ハルキ君の戦いぶりは見事だった。
残る小型二体は、自慢の脚力で大きく跳ねて、巧みに翻弄しながら一体ずつ倒し……
最後に残った中型と激闘。負傷しながらも見事に仕留めた。
ゴングが鳴って響いてきたアナウンスはなんと、彼の三ツ星昇格を告げるもの。
見れば投げ銭がすごいことになっていた。まあ、その一部はおれたちも投げたんだけど。
ありがとおおおおと叫んで手を振り、頭を下げるハルキくんにハルオミが駆け寄り、感極まった様子でぎゅうっと抱きしめる。
「きーくん……きーくん!
おめでとう。おめでとう。すごく、かっこよかったよ!
どうしよう、もう、泣けてきたかも……」
「ちょ、兄貴ってば! 泣かないでよ~、も~……」
けれどハルキくんもまんざらでもない様子で、最後にはふたりして仲良く頭を下げていた。
「カナタさ、ソナタちゃんが試合出たらああなりそうだよな……」
「うわあなる! 絶対なるよおれ! もう毎回ああなっちゃう!
どうしよう、ソナタに叱られちゃう!」
するとどっとあたりに笑いが湧いた。みればなんとあのはばたき式小型カメラのやつが、おれたちの会話を大写しで映していたのであった。
次回こそ本命出す。ことができるといいな……!
どうぞお楽しみに!




