49-5 ホンモノ・ノ・ミライ
お召しかえを終えたふたりは、ちょっと照れながらもうれしそうに現れた。
ミライはボウタイの優雅な白のドレスシャツに、スッキリとした黒のズボンとシューズ。
ソナタは、マウントブランシェの青空のような、ブルーのドレスとシューズ。
「かわいい~!!」
シスターズの三人がそろって歓声を上げる。その様子からして、たぶんこれはまっさらのおニュー。
可愛いのでまとめてスクショを撮っておく。
ミライのエスコートで、ふたりはなかよくステージへ向かう。
もうそれだけで可愛くて仕方ないというのに、小さな階段を上るときのラブラブっぷりときたら、生きててよかったと思ってしまう尊さだ。
もちろん動画はばっちり撮ってあるけれど、やっぱりスクショも撮ってしまう。
ステージの真ん中にたどり着いた二人。
微笑みをたたえてまっすぐに見つめ合う。すんなりとホールドを組む。
最初の一音が流れると同時に、迷いのない一歩が踏み出された。
雄大な雪の山肌が、そよぐ緑が彩を添える、まっしろな野外ステージ。
一組の恋人たちが踊っている。
いたりあうように、戯れるように、二人だけのひとときを。
おれはもう、スクショを撮ることなんか忘れていた。
流れるワルツが、青い青い空に吸い込まれていく。
やさしい日差しが降り注ぎ、やわらかな風が緑の香りを運んでくる。
ここがゲームのなかだなんて、いったいどうして思えるだろう。
おれは目の前のちいさな幸せを、曲のおわりまで見守り続けた。
はたして二人は大きなミスとてなく、楽しそうに踊り終えたのだった。
ハイ、こちらが本物の未来/ミライです。
未来のミラ……ごほんごほん。
種明かしは次回! どうぞ、お楽しみに!!




