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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_48 踏み出された、一歩

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48-2 とまどいの登院!

家の用事で遅れ申した……!!

「マジか……」

「うらやましいな……」

「爆発し」

「オイめったなことを言うな!

 もし婿入りがかなったなら殿上人だぞ。俺たち程度アッサリ始末されちまうわ!」

「ひえええ!」


 翌日、水曜。

 国会についてみれば、そこはいつになくざわついていた。

 その中心は、そう、ハジメさん。

 彼と言葉を交わしつつ歩いているのは、かわいらしく清楚なオリエンタルビューティー。

 スタンドカラーのスーツをすらりと着こなした彼女は、ただし、二人いる。

 そう、ハジメさんは、メイリンさんと彼女そっくりの女性のふたりに左右をはさまれるようにして、すこしだけ参ったなあというような様子で歩いていたのだ。

 ちなみに腕を組んだりはしておらず、互いに節度のある距離感は保っている。

 あくまで、お見合いをすすめられたおとなどうし、といった風情である。


「いいですかイツカ君。あれが『ふつうに親しい大人の男女』の距離感です。

 ぶっちゃけ君は全体的に近いです。

 ただでさえイケメンは誤解されやすいのですから、まずはそこからでも気を配りませんとね」


 すると後ろからにこやかに話しかけられた。ユーさんだ。ちなみに……


「……てーとユーさんはちょっと近くね?」

「我々は仲良しだからいいんです♪」


 そう、この人、それよりあきらかに近い。

 まあ、間違ってはいない。この人からは下心も感じないし。しかし。


「そうとも! 私たちはなかよしだからああってなんでかわすんだいカナタくんんんんっ?!」

「あなたは下心があふれまくってるのでアウトですっ!」


 背後からうれしそぉぉうに駆け寄ってきた金髪イケメン野郎、お前はダメだ。

 おれがひょいと身をかわすとレインさん、勢いあまって駆け抜けていく。

 ユーさんはめっちゃ嬉しそうに手をパチパチ。


「おおー、速い速い。

 いやー、君たちはお友達も面白い人ばかりですねえ!」

「あ、おともだち……ええ……はぁ……」


 単なるお友達、というには複雑な間柄なのだが、というかこの人も知ってるはずなんだけれど。

 言葉を濁しているとイツカは言う。


「レインのやつさ、なーんかこう残念なんだよなー。

 悪いやつじゃないしスペックだって高いのにさー」

「いやそれお前に言われたくないと思うよイツカ……」 

「へ?」


 元祖残念イケメンはさっぱり自覚がないらしい。キョトンとこっちを見る。

 どうしたものかと思っていると、イワオさんの豪快な笑い声がすべてを吹っ飛ばした。


「わっはっは、レインも仕方がないな!

 あいつもずいぶん元気になったものだ。

 以前はもっと陰のある男だったんだが、あれから吹っ切れたのだろうな。

 なんにせよ、よかったよかった!」

「そうだな!」


 イツカがスパッと同意した。


「わっはっはっは……」

「わっはっはっは……」


 そうして響く二人分の豪傑笑い。

 おれはしばし、他人のふりをしようかどうしようかと迷うのだった。



 さすがに、会議中は『メイリンさんたち』は一緒ではなかった。

 しかし帰り道になると、さらにもう一人増えていた。

 このままほっておくと、数日内に21人に増えることだろう。いや、へたすればもっと増えるかもしれない。


「いやはや、見事なものですね。全員に自然体で平等に接していますよ。

 いっそこのままハーレムでも築かせてしまいますかね?」


 物陰から『見守る』ユーさんははればれと、いっそやけくそのようにそうのたまう。

 隣でイツカが素朴な疑問を口にした。


「なーユーさん、ハーレムって何人からなんだ?」

「お相手が複数からだともうハーレムだそうですね。つまりあれはすでにハーレム状態なんですよ、すでに」

「まじかよ!!」


 そこかしこから声が上がった。

 おれたち同様にハジメさんたちを『見守る』人々だ。


「まあ、あれが『お相手』だったらの話ですけどね。

 ……あ、カフェテリアに入りますよ。我々も行きましょう!

 さりげなく、極力さりげなくですよ!!」


 ユーさんのその言葉とともに、おれたちはそろりと動き出した。

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