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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_45 がんばれミライ! ダンスと昇格!

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Extra Stage_クリスマスツリー・パニック!(上)

十二時間遅れの……しかも半分だけのクリスマス企画となってしまいました、すみません!

明日残り半分を投稿いたします!

「っしゃ――!!

 きょねんはダメだったけどことしはやるぞ――!!」

「おれたちもことしはDランクだもんね!!

 よーし、がんばろー!!」

「おー!!」


 おれの前でイツカがさけぶ。

 やつのとなりで、ミライも気合をいれている。

 そのとなりでおれも、景気よくこぶしを突き上げる。


 おれはいつになく、ちょっぴりハイになっていた。

 だから、言い忘れてしまったのだ。

 何より大事な、一言を。



 それは、小学校二年の冬のこと。

 ようやく戦績の安定してきたイツカは、ちょっとした見回りや小型の討伐をこなす、かけだし剣士として。

 ミライは教会でお手伝いをする、みならいプリーストとして。

 おれは、町の錬金術教室に通いつつ作成依頼を請け負う、初級のクラフターとして。

 ひとりでできることは自分で。一人で難しいときには頼りあい、友達同士ゆるゆると遊びながら、実績を積んでいたところだった。


 このころのおれたちは、いわゆる『ライトユーザー』でしかなかった。

 学校の友達と遊ぶこともあるミライ。

 ハートホスピタルに入院している妹たちの世話をしたいおれ。

 そして、あるきっかけから『リアルも大事に』とログインをすこしひかえるようになったイツカ。

 そんなおれたちだったけど、毎年クリスマスシーズンに開催されるDランク向けボーナスイベント『クリスマスツリーをハントせよ!』は魅力的だった。


 期間限定フィールド『生ける(リビング)もみのき(ファーツリー)の森』で、トレントの変種であるリビングファーツリーを倒すと、多めの経験値と景品引き換えチケット、魅力的なランダムドロップをゲットできるのだ。

 おれが狙っているのは、景品引き換えチケットでもらえる雪の結晶をかたどったブローチ。

 ミライは、かわいいオーナメントをゲットして、教会のツリーを飾りたいとはりきっている。

 イツカは『どうせなら大当たりゲットしようぜ!』と言っている。

 三人三様、ウキウキしながらおれたちは、『生ける(リビング)もみのき(ファーツリー)の森』に足を踏み入れた。

 するとすぐ、のそのそと歩くもみの木を一体発見した。

 イツカが歓声を上げる。


「あっ! いた、リビング……なんだっけ?」

「ええっと、リビング……」


 かわいく小首をかしげるミライ。おれは思わずよしよしと頭を撫でてしまう。


「リビングファーツリーでしょ?」

「あ、うんうんそれ!」


 するとイツカも小首をかしげてこっちを見る。


「ふぁーつりー……ってそんなにフワフワしてるか、あれ?」

「さあ?」


 とぼけたことを言いながら、ちょっと撫でてほしそうな目でこっちを見るやつも、手を伸ばしてよしよししておく。


「まいっか! いくぞー!」


 しかしやつはすぐに気を取り直して突撃。


神聖強化ホーリーインフォースー!!」


 ミライは手にした杖をその背に向けて、神聖魔法を発動。あえかな虹色の光がイツカを包む。

 おれは大きく振りかぶり、今回のために仕入れた特殊なボムを投げた。

 おれの手から飛んでいく水色の玉は、時速120kmでイツカを追い抜き、リビングファーツリーの胴体で炸裂。

 炎を上げない爆発で、先制ダメージを与えた。


「てやああっ!」


 そこへイツカが剣の一撃を加える。

『突撃にゃんこ』の攻撃は当たればデカい。歩くもみの木は光の玉となって消える。

 あとには赤とグリーンで彩られたプレゼントボックスが浮遊していた。


「はああ、やったあ!」


 無傷での勝利に、ミライがほっと小さくガッツポーズ。


「カナタ、いまのボムどうなってんだ?! バクハツしたのにバクハツしないからびびった!!」


 イツカはというと、おどろいたようすでおれを振り返る。 


「これはね、『エアロボム』っていうんだ。

 火薬じゃなくて風のチカラをこめた粉が入っててね、それがはじけてダメージを与えるんだ。だから……ってこらー!!」


 しかしやつは、みなまで聞かず再び突撃。

 ずばんとばかりに、次の獲物を斬り倒していたのだった。


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