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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_42 動き出す、新たな毎日!

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42-1 『マザー』との謁見と小さなデジャブ!

すみません、ラスト一行のコピペが抜けておりました。

正しくは↓

 まるっきり、友達に向けるようないいぐさとまぶしい笑みで、一応上司であるところ『の女性のほほを小さく染めさせるのであった。』

「ふたりとも、緊張しないでだいじょぶだからね。

 ただちょっと広いだけで、今日はこわいおじさんたちはいないから」


 白の礼服のミソラ先生がいたずらっぽくそういうと、これまた白のメイド服に身を包んだライムが、上品にくすくすと笑う。

 おれもおもわず笑ってしまった。


 だってこの先に待っているのは、月萌ツクモエ国の最高権力者たち。

 その正体はおれたちの『ずっ友』と、イツカのカノジョ(未満?)であるとはいえ、この国ではこれ以上に怖い人々はいないはずなのだ。

 まあ、かくいうおれたちも、いまやそのはしくれなのではあるが。

 イツカが笑いながら軽口を飛ばす。


「えー? センセたちの『ごしゅじんさま』じゃねーの?」

「お前、俺がトウヤをそう呼ぶところとか見たいのか?」


 ノゾミ先生は、黒のスーツがますます黒く見える笑顔で威圧。イツカの猫耳がペタン! と倒れた。

 ちなみにミソラ先生とライムは『あーそれ見たかった!』『一度だけでも言っていただくべきでしたわね♪』と手を取り合って盛り上がっている。

 たぶん実際にそれをやったら、トウヤさんは確実にすっごい微妙な顔になると思う。そう考えるとちょっと見たいかもしれない。

 ノゾミ先生は察したのだろう、おれのほうにもゴージャスすぎる笑顔を向けてきた。


「カナタ。お前はこいつらのようになっちゃいけないぞ。

 さ、そろそろ時間だ。セレネたちが待ってる」


 その言葉に、おれたちはもう一度背筋を伸ばす。


「わたくしはここでお待ちしておりますわ。

 ……行ってらっしゃいませ」


 するとライムはやさしく微笑んで、大きな扉を開いてくれた。



 高天原中枢部、月萌国会議場、『天の間』。

 天座つきの議場であるここは、謁見を伴う公開式典の場としても用いられる。

 ニュース映像では何度か見ていたが、足を踏み入れるのは初めてだ。

 高い天井をもつ大広間のしつらえはどこか、ミルドの街の大聖堂をほうふつとさせる。

 式典用に整えられたタピスリーと花と燭台が、豪奢な趣を添えていることも、ミルド教会での『戦士昇格の儀』を思い出させた。


 もっともいまここには、客席はない。

 正面にあるのは女神ティアラの像と祭壇ではなく、セレネさんの座す御簾つきの天座だ。

 さらにはその左右にエクセリオン――もちろん仮名『ソアー』もいる――たちがひかえていること、おれたちの付き添いがノゾミ先生とミソラ先生であることが、主な違いだった。


 祭壇に向けて敷かれた青の絨毯の上を、先生たちに付き添われ、エクセリオンたちと幾多のカメラに見つめられ、まっすぐ、静かに、ゆっくり進む。

 御簾の前まで行くと立ち止まり、教わった通りに深く頭を下げた。


『面を上げよ』


 すると、すぐに透き通る声が響いた。

 言われたとおり顔を上げれば、スルスルと御簾が上がり、その向こうにいたセレネさんの姿が明らかになった。

 どこかかわいらしくも、すっきりとした青のドレスと白の靴。サラサラ流れる水晶色の髪には銀とクリスタルの髪飾りをあしらい、月のモチーフをあしらった天座にゆったりと座している。

 『マザー』の名にふさわしい、慈愛に満ちた笑みを浮かべた彼女は、小さな頭をうなずくように垂れ、おれたちを迎えてくれた。

 小さな姿の国主は、包み込むような瞳でおれたちを見下ろし、静かな口調で問いかけてきた。


『よく来てくれたな。

 まずは改めて聞こう。『月萌杯』突破者である、おまえたちの『願い』を。

 知っての通り、『これ』はいかなるものであろうと、この月萌国のかなえるべき指針となる。

 心して発するがよい、その声を』

「はい。

 俺たちは、この国からΩ制をなくしたい!」

「心ならずも最下層に落ちてすべてを失い、不幸になる者を生み出さない。誰もが幸せにあれる国を、実現したいんです」

『うむ、しかと聞いた。

 ……よき答え、よき望みだ』


 対してセレネさんは、目を閉じ深くうなずいて、おれたちのことば、伝えた願いをかみしめてくれた。

 そして、ハッキリと約束してくれた。


『我はかなえよう、その願いを。

 このツクモエの『マザー』が、その存在をかけて約束する』


 そしてセレネさんは席を立った。

 ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。


『この月萌の隅々まで、完全にそれが行き渡るには、三年はかかろうな。

 それまではこき使うぞ、強く美しいわが友らよ。

 学び、戦い、歌い、語り。汝らの夢の旗手として大いに力を尽くせ。

 ……我らとともにな』


 最後は親しみを込めた微笑みで、両手を差し出してくれた。

 腰とひざを曲げ、謹んで小さな手を両手でつつむ。

 イツカのやつは、ちょっとどきどきした様子でその手を見ていたが、やがてぎゅっとにぎってニカッと笑う。


「へへっ。

 これから改めて、よろしくな!」


 やれやれ、今日もこいつはいつも通り。

 まるっきり、友達に向けるようないいぐさとまぶしい笑みで、一応上司であるところの女性のほほを小さく染めさせるのであった。

イツカは女神ティアラもデレさせています。

まあ、同一人物なのですが。


次回、さっそく始まる御前会議。

大人の思惑が絡む展開に……なる、のか?

どうぞ、お楽しみに!

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