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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_37 かの国からの、来訪者

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Bonus Track_37-3 広すぎ貸し切りラウンジとおれたち~イズミの場合~

 この週末は、ノルンでちょっとした式典がある。

 まずはそれに顔を出し、軽く接待を受け、ひとやすみしたらダンジョンへ。

 みちすがら戦闘と採取。最後に隠しダンジョンでルーレア様とバトル。

 その後、アイテム補充と換金とを、チボリーさんとこで。


 そんなスケジュールだった。

 ワーカホリックのニノには、いいリフレッシュの機会になる。

 もちろん参加者たちの強化にもつながるし、鉱石を中心とした必要なアイテムの採取もできる。


 そんなわけでおれたちはいま、『RDWラビットドリームワールドホテル』の貸し切りラウンジでしばし休憩中。

 以前ここでパークビュー・スイートルームを提供してもらったときには、広すぎてすごすぎてくつろぐどころじゃなかった。

 そのため、今回は『宿泊の予定もないので』とニノがお願いして、ラウンジにしてもらったのだ……が。


「やっぱ広すぎ!!!!」


 トラオとサリイさんはさすが良家の子女と言うべきか、一ミリも動揺していない。

 広いとこ大好きなアキト・セナはわーいだし、意外なところではソーヤとシオンも割と平気なようだ。

 狐耳を折ったニノが解せないと声を上げる。


「つーかイエネコとアナウサギーズはなんで平気なの?!」

「あー。ウチわりと何でも広かったから」イエネコ(トラオ)がちょっとだけ照れ臭そうに言う。

「ソーヤさんはその筋じゃ有名だったからな! えらいさんとこにお呼ばれもしたもんよ!」ライオンラビット(ソーヤ)はニッと笑ってサムズアップ。

「オレはね、いざとなったらソーやんを盾にさせてもらうから!」ネザーランドドワーフ(シオン)は可愛くにっこり。

「おい?」

「その間に錬成魔術でなぎはらうし!」

「そういう観点っ?!」

「オレには、なんかあってもソーやんがいるもん。もう、怖いものはないから」

「……シオー!!」


 ソーヤは感極まってシオンを抱きしめる。そうか。


「ニノはおれをそこまで信用していない、と……」

「ちょっとまってどうしてそうなるの?! 違うよ違うからねっ?!」

「よーしよーし。とりあえずカップルスイート三部屋借りとくかー」

「だな!」


 すると、アキトとセナが悪乗り風に言い出す。それで気付いた。


「ごめん、おれまた誤解されるようなこと言ったっぽいね」

「あーいや、まあその、ドンマイだ。

 とりあえず最終打ち合わせしとこうぜ、みんな」


 ニノもみんなも優しく笑ってくれた。

 かくしておれたちは、ダンジョン攻略打ち合わせに入ることができた。



「前衛がトラオとソーヤ。

 センターアタッカーがサリイさん。補助回復がシオン。

 ニノとイズミは採掘。

 しんがりが俺とセナ。

 ルーレア様戦では、最初に護符を使ったら、それぞれバディでフォローしあいつつの遊撃。なるべく俺たちで注意をひいて、ソーヤとシオンが錬成魔術。ヤバくなったやつはセナが退避させて回復……っと、事前の打ち合わせでは決めていたよな。

 気になるところや修正点はあるか?」


 この中では一番仕切り上手のアキトが、決めていたことをてきぱきと出してくれる。

 最初にその視線が向いたのは、ルーレア戦経験者のおれとニノだ。


「イズミ、どうだ?」

「おれとしては異存はない」


 そう、今回はプリーストがいない代わりに特殊もちが多い。そして機動力の高いものばかりだ。よってタンクと全体補助役をすえて戦うよりは、そちらの方がいいと思う。


「俺もいいと思うぜ」

「あたしも賛成」

「とりあえずそれで行ってみっか!」

「うん、問題ないと思うよ!」

「了解!」

「よっしゃ!

 どうせやるなら勝ちたいし、がんばろうな!」


 明るいアキトの笑顔につられるように、みんな一緒にえいえいおー。

 すると不思議なもので、おれももう、このラウンジを広すぎると感じなくなっていた。



 ノルン西坑道のそとには、もうトロッコ乗り場が再整備されていた。

 トロッコは行ってしまったばかりのよう。おれたちはしばし待つことになった。

 なんとなく、話題になるのはハルキ君のこと。


「ハルキさ。あれ確実に、惚れてるよな」


 ぽつっとトラオが言い出した。


「どうしたらいいんだろうね……できるなら応援もしてあげたいけど……」

「さすがに皇女だろ。別の国の。厳しすぎじゃないのかな……」


 アキトが、セナがうーんうーんと腕を組む。サリイさんも目を伏せて沈思する様子。

 二ツ星、三ツ星のおれたちは、全てを明かされてはいない。

 ただ、『闇夜の黒龍』の真ん中にいた女性が、ソリステラスの第三皇女だろうということはどこからともなく伝わってきたし、その名が出るたびハルキが自覚なくため息をつくのも見ていれば分かった。

 ソーヤとシオンは黙り込んでいる。四ツ星の二人は、おれたちに言えないことも聞いているが、そのなかには、おれたちにしゃべるわけにはいかないことがあるのも明らか。

 ニノがドンマイ、と二人の背中を叩く。


 やがて、アキトが別の話題を持ち出した。


「ところでさ。トラオすげー人気だったな!」

「へ?!」


ギリギリで書き足ししてしまいました……


次回はもういっちょミッドガルド視点で行くと思います。お楽しみに!!

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