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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_36 プラチナムーンとソードマスター

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36-5 破戒僧はプリーストに萌える

 その日はそこからゆっくりと過ごし、翌日からおれたちは本気を出した。

 まずはともかく、武具の改良修理を終えることである。

 みんなの手も借りながら、ここまで練り上げてきた理想形をカタチにしていった。

 ブーツにアーマー。アクセサリー。


 その一方で、簡単な手続き等も一部代行してもらいつつ行った。

 まずはもちろん『月萌杯』参加申し込み。

 そして、ソレイユ家、クゼノイン家へのお礼状したためだった。



 ルカとライムは、自分でいうのも恥ずかしいが、おれをめぐっては恋敵ライバルだ。ソレイユ家にいくとなれば、ライムに有利すぎることになる。

 しかしクゼノインでは、タカシロが力押しできた時に耐えられない可能性もある、ここは現役エクセリオンもいるソレイユを頼る方が確実と、ミズキからは申し訳なさそうに言われた。

 ルカは大丈夫と言っていたが、ライムはそれでも迷ってしまう。

 事態を解決してくれたのは、プリーストや聖騎士たちの機転だった。

 まずはルナが言い出した。


「じゃあ、わたしたちもソレイユ家で雇ってもらおうよ。青田買い。ね?」

「あおたがい……」

「それに、るかも知ってるでしょ。雇ってる子に手を出すのはあまりよろしくないんだよ。

 そういう意味では、るかが断然有利になる。ね?」

「ふえっ?!

 ちょ、……だめよっ、そしたらライムが今後ずーっと不利すぎるじゃない!! そんなのずるいわっ、だからその、……」


 自分が不利になるのは一向に構わない、たくましくもけなげなルカ。

 ミズキがミライの肩を抱きつつ、優しく微笑みを向けた。


「じゃあ『月萌杯』がおわって落ち着いたら、クゼノインの用心棒として転職してもらうってのはどう? ミライが卒業したら、もちろんミライも合流で。

 俺はカナタに手なんて出さないから、安心でしょ?」

「――っ!!」


 ルカとルナはなぜか、さっきまでとは違う調子で顔を赤らめた。

 後ろで聞いてた若干名の女子(一部男子も)がなぜかざわつくが、ここはスルーだ。うん。おれはなんにもみてないきこえてない。


「あのっ、えっとそれじゃ……それで、いいならっ……」

「ありがとう、ミズキくん。ライムちゃんもありがとう!」

「お、おれも、やとってくれるの? イツカとカナタと一緒に、ミズキたちの用心棒、やっていいのっ?」


 しどろもどろのルカにかわり、ルナが二人にお礼を言った。

 その一方で、ミライもわたわたうれしそう。


「どういたしましてですわルナさん。ね、ミズキさん」

「ええ、ライムさん。

 ――ミライは俺のバディでしょ? ミライさえ嫌じゃないなら、俺からお願いするつもりだった。

 形としては用心棒になっちゃうけど、ミライたちとはもちろんずーっと、対等の仲間で友達のまんまだよ。いいかな?」

「うん! うんっ! すっごくいいです!

 よろしく! よろしくねミズキ! わーい!!」


 笑顔でどういたしましてをかえすライムとミズキ。

 返す刀でミズキはミライをスカウト。ミライはいっぱいの笑顔でミズキに飛びつく。

 その背中では、くるんと巻いたチョコしばしっぽが、ちぎれんばかりにパタパタパタ。

 ほっこりほっこりのその場面に、アスカが幸せの雄たけびを上げた。


「はー! やっぱし聖騎士およびプリーストっていいなー!! もえもえー!!」

「だからアスカもプリーストだから!!」

『破戒僧だけどねー!』

「ぐうの音しかでねえっ……!!」


 もちろんほぼ総員がツッコミをいれる。

 さらにライカが先手を取ると、その場は笑いに包まれた。



 そんなこんなで当座の身の振り方を決め、先生に相談。

『とりあえずライム案件てことで採用』『落ち着いたら改めてお話を、ミズキ案件ということで内定』という愛あるアバウトをかましてくれたソレイユ・クゼノイン両家にお礼のお手紙をしたためて。


 そうして、錬成、錬成。

 イツカが先に動きだせるよう、イツカの装備のブラッシュアップを先にしたのだが、驚くことに全部で半日かからなかった。

 ここにきて最初にイツカブレードをアップグレードしたときは、たっぷり一週間かかったのに。

 いまのおれは授業もなく、心強い仲間たちもできるところを手伝ってくれるとはいえ、これはとんでもない。


 あまりの無双ぶりに『もしかして』と思い、イメージ内でエアロボム錬成を行ってみたらできてしまったときには心底驚いた。

 アスカは苦笑して『カナぴょんもやったか~。うっかりへんなもんイメージしてできちゃうと危ないから、プラチナムーンはそのために錬成陣を描くんだよ』と教えてくれた。


 アスカの錬成陣は恐ろしいばかりに精確。術式の組み立ても周到だ。

 ふだんのアバウト笑顔からは想像もつかぬほど。

 それが理由なのと問うと、アスカはぽつりと言った。


「土曜にしたハナシね。わかりやすくするために言い方いじってあったけどね。

 ほんとは『逆』なんだ。

 どんな天才だってさ、ぜんぜん失敗しないとか、むしろおかしいじゃん。

 管理派が干渉してたのは、オリジナルボムの錬成じゃなくて、『そこまで』の方。

 おれの錬成の成功度を、ずっと『盛られて』いたんだよ。

 そうしておれを慢心させて。いい加減なやり方でオリジナルさいきょーボムなんか作るように仕向けて。そこまでおぜん立てを整えてから、ハシゴを外したんだ。

 それを思い出すとさ。何があろうが絶対100%の成功率をもたらす精度を。そう考えてしまうんだ。

 オーバークオリティはわかってんだけどね」


 けれど、自分からにっこり笑って、気分を切り替える。


「さーさ! つぎはカナぴょんの装備だよ!

 気合い入れてがんばろー!」

「おー!」


 もちろんおれも、ニッコリ笑って声を合わせた。


休日の方が忙しいワナ……。


次回はきっと修行風景が描けると思います! おたのもうします!!

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