表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_35 究極隠しダンジョン『天空神殿』を攻略せよ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

367/1358

35-1<Root_Orange_1> そらのかなたでシュラババンバン!(3)

 基本的にこの隊は、イコール奥殿のバトルを行うパーティーであるといってよかった。


 前衛にイツカ、ミズキ、ハヤト。

 遊撃がおれとルカ。

 後衛プリーストがミライ、ルナ、アスカ。

 今回も3Sのみんなには来てもらっているし、ライカもハヤトの剣として参戦だ。


 黄金の双頭龍戦のメンツから、アオバとミツル、ケイジとユキテル、ニノとイズミがいなくなった構成、といえばいいのか。

 最初の二人は第一パーティー、つぎの二人は第二パーティー、最後は今回お留守番だ。


 本当を言えば、第一パーティーのレン、第二パーティーのクレハとチナツにも今回は休んでいてほしかった――というのもうさねこの専業クラフターたちは、おれたちのための武具・道具開発や、その関連での業務引継ぎで、特に忙しさが増していたから――けれど、『鍵』を提示しに来なければならないので、仕方がなかったのだ。


 はやく強くなって、月萌杯を突破して。少しでも休ませてあげたい。

 いや、今は、はやくイベントクリアすることで、か。


 けれどまさか、このときにはおれたちの誰も、思いもしなかったのである。

 この場に来たことで、かれらが非常に重要なイベントに遭遇することになるなんて。



 とりあえず目の前の問題は、ハヤトだ。

 魔物がくればしっかり戦ってはくれるのだが、どこかうわのそら。

 アスカやおれたちが話しかけても、ライカがちょっぴりきつめにおちょくっても「……おう」とか「ああ」しか返ってこない。

 それでも奥伝門前の間にはたどり着けたのだが、そこでアスカが言いだした。


「ハヤト。

 悪いけど、この先のバトル。君は外れてくれないか」

「ああ。……はっ?!」


 ぼうっと返事をしてしまってから、ハヤトは我に返る。

 ちょっと待て、とアスカを見るが、アスカは容赦しない。


「はい、聞いた。

 控えの間でみんなと待ってて。そこは安全地帯のはずだから」

「ちょ、いや、ちょっと待てアスカ! 俺がいないと前衛が」

「チアキとトラオが入ってくれることになっただろ。心配ないよ」

「いや、それは、……そうじゃないとは言わないが」

「『ハブられる程のことをしたか』って?

 しちゃってからじゃ遅いんだ。

 今回は失敗できないミッションだ。これだけの人数でミッドガルドにはそうそう来れない。予算的にも、スケジュール的にも。

 それを考えれば、今の状態の君はラストバトルから外さざるを得ない」


 冷静に、軍師として、リーダーとしての顔で説くアスカ。

 ハヤトは少し鎮まったのか、先ほどよりは静かな声で、仕切り直しの質問を口にした。


「アスカ。お前は……」

「おれは行くよ。

 心配ないって、みんな信頼できるメンツだろ?

 いま君が解決すべきミッションはこれじゃない。

 冷たいようだけどいまは少しでも、気持ちの整理をがんばってほしい」


 アスカはやや芝居がかった様子で歩を進める。さりげなく、絶妙な距離を取る。


「おれならすぐに戻るよ、心配しないの」


 そして微笑みだけを投げかけたとき、横合いから青い光がさしてきた。

 みれば、おれたちがやってきた扉と同じ壁面、少し離れたところに、青く四角い光がともっていた。

 おれたちの見る前で、光は蒼の扉となる。

 口を開けた扉からわらわらと入ってきたのは、「えっ、でも」と心配げに後ろを振り返るチアキと、チアキをなだめすかして連れてくる第一パーティーのみんな――ただし、レン以外の。

 気になったおれたちは、蒼の扉の向こうをのぞこうとしたけれど、扉はすぐに固く閉ざされてしまう。


「ねえチアキ、レンは?」

「レンは、シャスタさまに呼び止められて、さっきの広間に残ったの。

 むちゃなこととか、失礼なことしないか心配……」


 チアキはしゅんとシェルティーの耳を折っている。

 ルカが驚きあきれた様子で問う。


「ええと、やられたりしないか、とかじゃなく……?」

「ううん、それはたぶん、だいじょぶ。

 僕にはわかるの。シャスタさま、レンのことだいすきだもの。

 レンも昨日テラフレアボムの最新型用意してた。いまならわかる。あれ、シャスタさまのためにつくってたんだ。

 ……僕、結局レンの役に立ててないや。

 テラの試し打ちだって、頼まれてないし。

 さっきも、いいからって部屋を出されちゃった。バディとして、役者不足なんだ……」


 いつになくしょんぼりと、悲しいことばを連ねるチアキ。

 そんなことないよ、このあとのバトルのためだから、という言葉も、チアキの憂いを晴らしてはくれない様子。

 最後にシャシャさんが「ちょっと、二人だけで話させてほしい」と申し出て、二人は部屋の隅っこへ。

 おれたちは盗み聞きをしてしまわないよう別の隅っこで、第二パーティーを待つことにした。


ぶ、ブックマークを頂いておる!

ありがとうございます!!


次回もカナタ視点で続きを。一気に二人分解決編です。おたのしみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ