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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_35 究極隠しダンジョン『天空神殿』を攻略せよ!

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Bonus Track_35_0<Part.0> まずはみんなでなぞときタイム!~チアキの場合~

所用で遅れ申した……!

誤字等ございましたら見つけ次第修正します!

 金曜午後の定例闘技を終えてすぐ、僕たち『天空神殿攻略隊』は体を休めにはいった。

 ミッドガルドにいくのは、明日、お昼ご飯のあと。

 マウントブランシェのふもとからは、チナツが召喚んでくれるロック鳥のルゥさんと、巨大蛇あらため碧龍のシャシャさんがのっけてってくれるから楽だけど……

 天空神殿は、完全S級対応の超難度ダンジョン。今から休んでおかないと、途中で疲れてギブアップ、ということにもなりかねない。


 たぶん僕は、エアリーお姉ちゃんとの最終決戦にはいかれない。

 今回はあくまで、イツカとカナタに試練を突破してもらって、神器を授けてもらうのが目標だ。

 そのわきをかためるメンバーにはいるには、僕はまだまだ力不足。

 アスカは「もしかしてってことがあるかもだから、しっかり準備しといてね」とは言ってくれたけど。


 でも、それでよかったのかもしれない。

 とっても強いエアリーお姉ちゃん。たぶんどこかの女神さまだっていうのは、むかしからうすうす感じてはいた。

 でも、僕にとってお姉ちゃんは、命を助けてくれて、平和な羊牧場で毎日たのしく過ごさせてくれた、優しい優しいお姉ちゃんなのだ。

 それに剣を向けるなんて、僕にはきっと……


 なんて考えてると、レンの姿がない。

 なにか勉強部屋スタチェンでごそごそやってるみたい。


 そうっとドアを開けると、ローブ姿のレンがこっちを向いた。

 レンのまえの作業台には、新型テラフレアボム『比翼』がひとくみ二本、きゅうくつそうに乗っかっている。

 なんだか色がちょっと違う気がするけど、さらなる新型だろうか。

 じゃなかった、それより。


「レン! あぶないよ、なにやってるの?」

「あ、いや、おう。なんでもねえ、もう終わったし!」

「もー……

 言ってくれれば、自習室までおんぶくらいしたよ?」

「そこまでさせらんねえって!

 だいじょぶ。もう終わった。テストはしねーでいいから」

「え、そうなの?」

「おう。

 さって、そんじゃ風呂入ってくるわ。チアキは昼寝しててもいいぜ」


 レンはそういうと、青い『比翼』をインベントリにしまって、すたすたと勉強部屋スタチェンを出ていった。


 * * * * *


 これが、きのうのこと。

 いま僕たちは、その『天空神殿』の前庭にいる。

 かためのクッションみたいな雲の上、きらきら光る不思議な神殿。

 エアリーお姉ちゃんは「それじゃまた奥でね!」というと、ぱっとテレポートで中に入っていき、行きだけ送ってくれる約束だったフユキとコトハさんは、エアリー牧場の隅っこに通じるテレポーターで帰還、ログアウトしている。

 ここからが、冒険の始まりだ。


 神殿の入り口は、三つ。

 梁のところに右から、I、II、IIIとナンバーが刻まれているだけで、ぱっと見たかんじ、どれも同じような作り。

 どの隊がどの道を行けばいいのか、この状態では見当がつかない。

 まずはヒントを探さなきゃ。と思ってると、アスカが声を上げた。


「たしかここにはメッセージプレートが……あったあった。

『一の道を守るは次女。

 二の道を守るは三女。

 三の道を守るは末の娘なり。

 己の特別の愛を受けし者にのみ、御前を行くを許すなり』

 もー簡単だよね?」


 ぴょん、とうさみみを跳ねさせ、いい笑顔。

 どうやらアスカはもうわかっているみたい。僕たちになぞ解きをゆずってくれたのだ。


「えーっとエアリー姐さんは長女確定として」

「シャスタさまはエアリーさんの妹だよな、何番目かはわかんないけど」

「うん、言ってたよね、お姉さんだって」

「言ってた言ってた!」


 トラオとアキトと僕、そしてレンは、最初に会った時のことを確認しあう。

 リンカさんもうなずいてくれた。


「そうね、わたしも聞いたわ。

 ただ、シャスタ様はクレイズ様の上、で間違いないと思うわ」

「……………………」


 チナツは必死の表情でぷるぷるふるえてる。ほわほわ南国少女の姿のルゥさんと、涼しげアオザイ青年の姿のシャシャさんに右と左からおおよしよしされている。

 そう、神獣のふたりにきいちゃえば一発なのだ。でもがまんしてくれてる。

 謎解きも楽しみの一つ。チナツはわかってくれてるからだ。

 あとで、僕のぶんのホットケーキ、分けたげよう。心を決めたところに、セナのほんの小さく笑いを含んだ声が響く。


「ありがとうチナツ。急ぐからもうちょっと待っててくれな。

 クレイズ様は最初に言ってた。『姉たちの懇意であろう』と。つまり上に複数のお姉さんがいる。三女以下というのは確定。いいんだよな、クレハ?」

「ああ。だがまだここで確定じゃない。これだけでは、ルーレア様がどのポジションでいらっしゃるかが推定できない」


 クレハが冷静に推論をまとめ、話を進める。

 これにこたえたのは、ルカさんとルナさんだ。


「ルーレアさま、言ってわよね。

『ねぇねぇたちとクレイズから連絡来た時はなんのエイプリルフールかと』って……」

「つまり、ルーレアさまは、クレイズさまの上。そして上に複数のお姉さんがいるので、四姉妹の三女になるわ。まちがってないよね、みんな?」


 かわいく確認を取ると、ケイジとユキテル、ミライツカナタもうんうんとうなずいた。


「ということで……はい、アオバくんまとめてー!」

「上からエアリーさん、シャスタさま、ルーレアさま、クレイズさま!」

「はーいせーいかーい!」


 アスカが先生みたいにアオバを指名。

 アオバは弟くんのほかに、妹さんと小さい弟さんがいるせいか、きょうだいパズルは大得意なのだ。スパッとまとめてくれた。



「ぷはー! やっと解放されたー!」


 チナツがぷはーと息を吐くと前庭が笑いに包まれた。


「よーし、そんじゃ行こうぜ! また、奥殿前でな!」


 イツカが元気に声を上げて、僕たちは動き出した。

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