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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_28 ふたつの再訪

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28-3 激闘、目覚めし黄金龍!

 観客席が埋まってゆく中、事前情報から決めていた通りに位置取りをした。

 女神ルーレアから30mほど距離を取り、大きく左右に二つに分かれる。


 おれたち右翼はわりとオーソドックス。

 前衛はイツカ、ハヤト、イズミ、ニノ。

 ハヤトが盾役タンク、イツカとイズミが攻撃役アタッカー、ニノがフォロー役。

 後衛はミライとアスカ。足も速く、神聖魔法での守りも固い二人だが、いちおうおれが最後の砦としてその前に位置取りをする。


 なお今回のイツカは『ぴょんぴょんにゃんこブーツ』こと、斥力発生ブーツを履いているので『斥力のオーブ』でのジャンプアシストはなし。それでもいちおう、右の魔擲弾銃オーブ・ランチャーには六発を装填してあった。


 一方左翼は少し変則的だ。

 後衛のルナ、ミツルの両プリーストが飛べるので、後衛のためのガードが不要。つまり、ほかが全員前衛なのだ。

 前衛は、ケイジ、ユキテル、ルカ、アオバ、ミズキ。

 ケイジとユキテルが主に盾役タンク、ルカとアオバが攻撃役アタッカー、ミズキがフォロー役といった構成である。


「……その布陣。最初からホンキでいっていいってことだね。

 ありがとう。しばらくぶりにのびのびやれる!」


 ルーレア様はうれしそうに破顔すると、かっとばかりに目を見開いた。

 美しいエメラルドの瞳が、ゆっくりと金色に燃え上がってゆく。

 同時にオレンジを基調とした女神姿も、炎のようなオーラに包まれゆらゆら揺らめき――

 パーン、という爆発音とともにオーラがはじけた後には、事前情報通りの、双頭の黄金龍。

 背には大きな龍翼を広げ、四本の脚でがっしと地面を踏みしめて立っていた。


 ハヤトが剣の姿のライカを抜刀し、のどをのけぞらせて遠吠えをする。

 同調するのはケイジ、ユキテル、ミライ――イヌ装備のメンメンだ。

 いつもはひたすらかわいらしいミライも、今こそはと勇ましく声を上げる。

 すると四人の頭上には、銀狼の頭部をかたどった紋章エンブレムのエフェクト。

 特殊スキル『友群強化パック』の発動だ。


 これは、イヌ・オオカミ系の装備をした者が、おなじくイヌ・オオカミ系の装備をした仲間と一緒に使うもの。『ひと群れの仲間』として、簡易的な精神感応とともに強化を共有しあうためのスキルだ。

 つまりこれを使うと『お互いの状態がわかる』『誰か一人に強化をかければ全員に反映され、くらった弱体化は全員に分散されて弱められる』ようになるという、とんでもなく便利で強力なしろものである。


 残念ながら、おなじイヌ科でもきつねのニノは相乗りできない。それでもノリで『戦咆哮バトルクライ』。イツカとアオバのねこねこコンビもそれにならい、ルカとミズキも大きく剣を掲げた。


 おれの目から見ても美しい、神秘的な光景。観客席が静まり返る。

 敬意を示すように、黄金の龍も大きく吠えて、試合開始のゴングが鳴った。



「『トランスファー』!『セイクリッド・フルブレッシング・オール』!『トランスファー』!!」


 ハヤトがダッシュ。先陣を切りながら、立て続けにスキルと魔法を発動。

 自らのもつMPを2だけ残してライカに移し、最低限のMP消費で『セイクリッド・フルブレッシング・オール』。

 おれたち全員にその効果が出る――虹色のオーラのエフェクトとともに、神聖強化ホーリーインフォース漸次回復リジェネーション状態異常防御イミューンオールがまとめてかかる――と同時に、ライカからMPを自分に戻す。

 そうしながらも、黄金龍の飛ばしてきた岩礫をライカをふるって払い落とすという離れ業を見せた。


 そんなハヤトに、アスカが惜しみなく神聖強化ホーリーインフォース

 ケイジとユキテルも追って飛び出し自己強化サンシャイン・ブレス

 これらの強化が『友軍強化パック』ですべて累積したところで、ミライがおれたち全員に神聖強化ホーリーインフォース

 身体と思考から重さが消えた。なんというか、一気に10くらいレベルが上がったような感じだ。


 それでも、これでやっと、黄金龍と互角だ。

 盾役タンクの三人が前脚、ときにはしっぽによる超重量級の攻撃をしのぐ一方、プリーストたちとミズキは回復ヒール神聖強化ホーリーインフォースを連発。

 おれは強化のポーションを三人に投げまくる。


 攻撃役アタッカーたちは、主に頭部狙いで順調にダメージを稼いでいく。

 左翼では、ルカとアオバが空中と地上から盛んに斬撃を飛ばして。右翼ではイツカとイズミ、ニノまでが跳ねまわり、駆け回りながら斬撃と銃での猛攻をかけて。


「ケイジ、盾役タンクを代わろう! 君には『グレイ・ゴースト』があるから!」

「そうだな。頼んだ!」


 ふいに左翼、ミズキが言うのが聞こえ、ケイジの姿が視認しづらくなる。

 大丈夫、ハヤトとユキテルの姿ははっきり見えている。彼らにポーションを投げれば、効果はケイジにも及ぶ。そもそもミライたちレベルならば、ノールックでも神聖魔法を掛けられるのだから。


 おれは一瞬だけ『超聴覚ハイパーオーディション』を発動、黄金龍の体力を推し量る。

 現状、残六割。いいペースだ。

 しかし同時に気が付いた。黄金龍の頭上に現れた金色のポップアップ。パワーチャージだ。

 二つの口元に、小さな金色の光球が生み出され、急速に光の粒を集め始めた。


「来るよ、ブレス――!!」

「っしゃあ――!!」


 左翼ではルカとアオバが思い切りよく下がり、ルナとミツルの前につく。

 ケイジが盾チームに復帰、ユキテルともどもミズキの神聖強化をもらって防御態勢。


 右翼ではハヤトがアスカの強化を再び受け、ライカを押し立てて盾となる。

 その一方、イズミは大きく跳ねて退避。ニノも『ブレス・レジスト』の護符を発動したのち一目散に走って退避。


 だが、おれとミライは見逃さなかった。イツカが鋭く、黒の尻尾を振ってきたのを。

もうちょっとだけ続くんじゃ(言ってみたかった)


次回、決着! イツカはぴょんぴょんにゃんこブーツでムーンサルト・バスターを決められるのか?

どうぞ、お楽しみに!

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