Bonus Track_25_2 分け前会議をあきらめて~ミツルの場合~
ちょっと遅れました!
「……ごめん、付き合わせて」
「何言ってんだよ。
お前の問題はバディの問題。だろ?」
そして今日も、俺はあいつを探しに行った。
今日は海合宿の日。夜には分け前会議がある。つまり、俺の捜索に付き合ってたら、自主トレか睡眠時間、どっちかを棄てることになる。
だから俺は一人で行って、分け前会議をあきらめることにしたのだが。
アオバは俺についてきた。
『会議は、チアキとレンに頼んだ。
俺正直、素材のこととか難しいことよくわかってないしさ。
同期で、俺たちのこともわかってくれてる二人に頼むのが正しいと思ったんだ。
ミズキもおんなじ理由で、ソーヤとシオンに頼んでるっていうしさ!』
……といって。
「きかないの、アオバ。
……俺が、あいつに何、言いたいのかって」
「ミツルが聞いてほしいなら、聞くけど?」
「………………ごめん」
俺があいつに言いたいこと。
それはまだ、誰にも言っていない。言えない。
けれど、アオバは、みんなは、俺に力を貸してくれる。
分け前会議が終わったころに入ってきたメールには、『探し物・探し人が得意な神獣を呼び出せることになったので、その力を借りてみないか』とあった。
アオバはわがことのように喜んでくれた。
「マジか! さっそく頼んでみようぜ!」
「う、うん……!」
ここのところはユゾノさんたちも心配してくれている。
彼女たちとのコラボの話も延び延びになってしまっているし、ここは早く、何とかしたい。
早く、すっきりとして。
第三次合宿、昇格試合。全力でこなして。
そうしたらもうすこし、明るく笑える俺になれるんじゃないか。
そして、そうしたらもっと…………
そんなふうに、思うのだ。
次回、次なる神獣が現れる? お楽しみに!




