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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_24 合宿と開発と

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24-3 むしろ逆に、もしくは、のぞいちゃいけない深淵

ちょっと遅れました……(スライディング土下座)

「こんな場でだがいいか、武器開発の話。

 まず聞くだけでも聞いておきたいんだ」


今回の日曜茶会は、ヴァルハラフィールドのパーティールームで開催だ。

 乾杯後のにぎわいのなか、フユキはさっそくおれたちに話しかけてきた。

 おれたち――おれとレン、そしてシオンに。

 コトハさんは少し離れた場所で、気にしないでくださいというように微笑みを向けてくれている。おれもありがとうと笑顔を返した。


「おー! 待ってたぜフユキー!

 オレ銃火器は専門じゃないからな、カナタのだったらお前がいないと!」


 そうしている間にも、向かいの席でレンがガタッと立ち上がる。

 背中の黒の翼が、根元だけ軽く開くようにハタハタ。いそいそと椅子まで引いて、もはやウキウキ感丸出しである。


「それはありがたいが、この場合は弾薬に銃を合わせる選択もありだと思うぞ。

 ともあれ、どこまで進んでるんだ? たしかテラフレアボムを作るって言ってたよな?」


 熱いお招きを受けたフユキはクールな顔で腰かけた。それでも背中の灰色しっぽは対面のおれでも見えるほどふっさりふさりと揺れている。おもわずシオンと顔を見合わせてふふっとしてしまう。


「おう、いまは基本に帰って分子デザインの面からだなー。

 代表的なパターンを網羅して、そっからのバリエーションでシミュレーション……ってプログラムをシオンに書いてもらって走らせてんだ。

 でもっていくつか候補は出たんだがこう、『これぞテラだぞゴルア』っつうか、頭一つ抜けた感じのはまだなんだよな……」

「そうか。とりあえずそいつのデータ後でもらえるか。銃の方の改良案をいくつか出しておこうとおもうんだが……

 カナタ、お前いまの魔擲弾銃オーブ・ランチャーにどの程度のこだわりがある? 最悪バズーガのようになってもいいのか、今のままで運用するか、それによっても変わってくる」


 この場合は『装備の方におれを合わせる』という選択肢もあるけれど、まずは素直に答えることにした。


「そうだね、おれけっこうチャカチャカ取りまわす方だし力もそんなに強い方じゃないから、あまり大きいのだとしんどいかな。それだったら、すなおに普通のボムとして投げるよ。

 銃だったら、無茶を承知で理想形いうと、インベントリから直スパッと取り出して発射できるやつとか、その場で好きな弾を錬成してなんてのあったら無敵だよね」

「どんな状況でも『瞬即装填フラッシュ・ロード』が可能な銃と、切り替え可能な錬成銃か……もはやロマン武器だな。いや、……」


 するとうしろからとんでもない言葉が聞こえてきた。ライカだ。


『あのさー。それぶっちゃけインテリジェントアームならちょろくない?

 ぶっちゃけおれの弟ちゃんね!』


 今日はおとなしく制服ブレザー姿だ。ネタ切れだろうか。

 それはおいとき、おれたちは突っ込んだ。


「って作るのがそもそも無理ゲーだからアスカ以外!!」

『ぬーん。アスカはいまこづくり禁止されてるからにゃー』

「ぶっ?!」


 いま一瞬とんでもない単語が聞こえた気がした。気のせいにしようか。気のせいにした方がいいよね。と思ったら当の本人が現れて、流れるような動きでライカを逆さづりにした。

 アスカは今日もいい笑顔……だが、ちょっぴり苦いものも混じっている。


「はいはいここまでワンセットねー。

 ……表現はあれだけど、内容は間違っちゃないんだ。

 実はライカ作ったあとちょっといろいろあってねー。これ以上神器作るよーなら即刻『月萌国立工廠つき研究所』に召されるって言われてんだ。

 おれが作りたいのはハヤトやきみたちのためのアイテムであって、よー知らんαのためのものじゃないからね。そのためにはしばしおとなしくせざるを得ないってわけなのさ。

 こないだ言おうかと思ったけど言いそびれてね。期待させてたらごめんね。

 そのかわりボーダーライン以下のものならガンガン作るから!」

「まじか。」


 なるほど、先日イツカブレードを強化するか、それとも『ライカの弟』がいいのか聞いてきたのは、『おれに後者は作れないよ』と釘を刺す目的もあってのことらしい。

 納得していると、レンがあ、と声を上げた。


「そーだ!! そーだよこれだ!!

 なあアスカ、お前油断するとボムも無茶苦茶なのできるって言ってたよな?

 神器にならないレベルとか各レベルで油断して作ってみてくれよ、で、そいつを解析して再現方法を探る! こいつが一番の近道じゃねえか?」

「それだああああ!!」


 声を合わせて叫んだおれたちに、ほかの仲間たちもなんだなんだと寄ってくる。

 それは明日海合宿に行くメンツもだ。


「うわあああ! なにそれ楽しそー!!

 くっそう、チナツさんが二人いればいいのに!!」

「あれっ、それならあーちゃんが暴食対策フード作ればよくなかった?」

「サクラ、人生にはのぞいちゃいけない深淵があるんだよ……」

「えっ? どうしたのナナちゃん、顔がまじめだよ?」

「…………。」

「…………。」


 会場はときならぬ沈黙に包まれた。


ブックマークが……増えているように見える……これはまさか……VR?!

(和訳:ありがとうございます!!)


次回、海合宿開始! ほぼ確定! お楽しみに!


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