表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_24 合宿と開発と

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

248/1358

24-1 山合宿のそのあとで!

 おれの着想は、予想以上の大当たりとなった。



 まず、マウントブランシェの山道とシャスタの洞穴を踏破したことで、参加者全員がレベルアップ。

 女神シャスタが『迷惑料』として持たせてくれた多くの泉水晶の原石、そして『シャスタの霊水』により、みんなの装備品も軒並みグレードアップ。

 もちろんおれはイツカのモフリキッドアーマー、おれの服とミライのローブをばっちり強化。

 最近、とくにイツカの防御力に心もとなさを感じ始めていたので、今回のこれはありがたいものだった。


 もっとも装備品で一番グレードアップしたのは、コトハさんのローブである。

 エアリーさんたち四人が『ビビッときて』全員突貫工事で作り上げたというそれは、ふわふわひらひらのエプロンドレス型にすることで、強力な魔力布を無理なく可愛くふんだんに使用した、準神器クラスの逸品だ。

 アクセントカラーは、彼女に似合うチャコールグレーと金。

 ダークグレーを基調としたフユキと並ぶと、なんともシックな好一対が出来上がる。


 もっとも当のコトハさんは『す、すごすぎてかわいすぎて……あんまりにもったいないですっ……!』と謙虚。

 昇格をかけた試合のときに着ますっ!! と当面は、いつものローブで頑張るようだ。


 昇格と言えば、レンとチアキ、フユキとハルオミはそれぞれ、二ツ星への昇格をかけた試合が決まった。

 もっともここまでの功績から昇格は決定事項のため、これらはエキシビションに近いもの。

 来週昇格したら、フユキは銃の開発のコンサルティングをすると約束してくれて、ハルオミはニノのお手伝いを始める予定となった。


 次の公演のネタにつまっていたシオンはというと「これっきゃない……これっきゃないよ――!!」とキーボードを打つ手が見えない勢いで脚本を書いている。

 ソーヤは今回のことで覚醒のヒントをつかんだらしく、シオンやミズキの世話をしながら「ふおおおおっ!」と、なんか気合を入れている。




 なお、ソーヤは今回ゲットした食材で『マウントブランシェ鍋・改良版』を作って幸せそう。もちろんご馳走になったおれたちもしあわせだ。

 いましも〆のおじやまで完食したおれたちは、美味の余韻に浸るしあわせタイムを満喫中。イツカをはじめとしたフリーダム勢はその場でおひるねタイムに突入だ。

 アスカはちゃっかりハヤトにもたれ、幸せそうにお腹をさすってこんなことを言う。


「ふいーしあわせしあわせー。

 もうこの鍋が自動でわいてくるマジックポットをつくるか、ソーやんを専属料理人として雇うか……夢は広がるなー」

「えー、ソーやんを雇うのはオレだもん! オレ、がんばって稼ぐもん!」


 するとシオンがうさ耳パタパタして対抗。ソーヤは両手を頬にあてて軽口をたたく。


「二人のうさメンに奪い合われるソーヤさん……ああっ、なんてメロドラマ!」

「あ、オレべつにソーやんをお婿にする気はないから。」

「ん、おれもー」


 するとシオンとアスカは一転、ニコニコとソーヤをいじる。ソーヤはさらに悪乗りだ。


「ひどいわシオ、あーちゃんっ! 俺の献身をカネで買うのねっ!!」

「それじゃあ俺には友情割引でお願いしちゃおうかな?」

「ミズキまでっ!!」


 ここまで全員うさぎ装備。食べていたのは熊鍋おじや。なんだかシュールな構図である。

 ともあれミズキは優しく微笑む。


「それは冗談として、今度『騎士団』のみんなにもご馳走してあげたいな。

 いつもがんばってくれるお礼に。あとで打ち合わせ頼める?」

「合点だっ!!」


 ソーヤがガッツポーズを作ると、ナナさんがまったりした顔で言う。


「それにしてもいい味だね~。リアルでこの味出る肉ってなんだろ~?」

「うーん。ソーヤさんが思うにやっぱ……熊肉+豚肉?」

「なるほど~、確かに熊肉単体というよりはそんな感じだね~」

「そーそ、もしお手頃にやりたければ熊の代わりに牛でもいい線行けるかも」

「いやーっ! メシテロはんたいー!!」

「食べ終わったばっかなのにおなか減っちゃう!! 今週末までダイエットなのにっ!!」


 料理上手同士のまったりグルメトークに、サクラさんとサリイさんから悲鳴が上がった。

 二人は今週末に海合宿に行く予定なのだ。トラオもそこに加わっている。愛する婚約者にきれいな水着姿を見せたいサリイさんにとっては、特に正念場だろう。

 まあVRだから最悪『表面換装マスクエフェクト』で何とかなるっちゃなるけれど、そこは気持ちの問題らしい。


「んっだよサリイー、おめーはトラオと今夜にでも」

「それ以上言ったらおしりペンペンよレン?」


 あーあーやれやれといったふうにレンが言い出すと、すかさずリンカさんが笑顔で制止した。


「トラオくんと……?」

「??」


 ミライとチアキはきょとんと小首をかしげている。よしよし、ミライの純潔を守るためならやむをえまい。おれも笑顔で便乗した。


「今回はおれもリンカさんを手伝おうかな。もういっそこの場で」

「ぎゃー!! なんでもございませんリンカ様カナタ様っ!!」


 レンがその場を全速力で逃げ出して、『うさねこ』熊鍋ランチパーティーは解散となったのであった。

ちょいと遅れました……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ