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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_19 『守護者』の理由(2)

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19-3 第一楽章~お祭りの始まりだ!!!~(上)

2020.03.22

『その左はじ、つまり』を削除しました。

 ――かくして今。

 おれたちの耳元では、レモンさんのノリノリトークが響いている。


『はぁーい、みんな元気ー? レモン・ソレイユだよ!』


 携帯用端末ポタプレはだいたい『大人の手首から指先までサイズの大型のスマホ』のようなものと思ってくれるとちょうどいい。

 まずこれを横長に持ち、本体上面右はじにある大きなボタンを親指でぐっと強めに二秒押す。


『さっきのニュース、もう聞いたかな?』


 本体内部から軽く『カシャッ』という音がしたら、画面の両横、端っこの盛り上がったところを両手でつかんで、軽く左右に引っぱり広げる。

 するとあらふしぎ。携帯用端末ポタプレの背面プレートが真ん中から二つに分かれ、内蔵されていたヘッドバンドと、透明な画面部分がむき出しになる。


『『闇夜の黒龍』、ソリステラス連合国の工作員を名乗るなぞのグループが、高天原学園の校庭に人工衛星を落とすぞー! って言ってきたんだ。』


 二つに分かれた背面プレートをさらに引き出していけば、小さなスピーカーを擁した『スピーカーボード』になっているのがわかる。

 これを左右に引き出しきったら、円柱状の関節部分が姿を現す。


『それがいやなら、高天原にある第二衛星コントロールセンターまで止めに来い。

 来ていいのは生徒10人まで。ついでに引率の先生も一人だけいいってことだ』


 この関節部分を起点にして、スピーカーボードをこちら側に90度ほど曲げる。

 たったのこれだけで携帯用端末ポタプレは、イヤホン付きゴーグルというべき簡易ヘッドマウントセットに変形するのである。


『これは怪しいと思って、第二衛星コントロールセンターに連絡してみたらなんと!』


 スピーカーボードの上~後ろ側にかけては、内側に向けて湾曲している。

 ここを耳にかけ、ヘッドバンドを頭の後ろにまわして固定。


『センターは『闇夜の黒龍』を名乗る武装集団に占領。

 人工衛星『小夜見コヨミII』もジャックされてしまっていることが明らかになったんだ!』


 そうしてスピーカーボードの下、左右どちらでも好きな方からマイクを引き出せば、あっという間に装着完了。

 かくしておれたちの耳元で、レモンさんの美声によるトークが響いている、というわけなのだ。




『この『小夜見II』は、高天原の上空を飛ぶ多目的衛星『小夜見シリーズ』の次女。二番目の子だね。

 ほかの兄弟姉妹たちといっしょに、毎日いろんなデータを送ってくれてるよ。

 たとえば、みんなも使ってる『道案内アプリ』のマップ情報とかね』


 道案内などのナビアプリを使うさいには、携帯用端末ポタプレをこうしてHMヘッドマウント形態にして装着する。

 しかし、いまおれたちが使用しているアプリは、それによく似て非なるもの。

 フィールドバトルサポートアプリ。

 目の前、つまりゴーグル型画面のすみには、いくつかの情報画面インフォウィンドウが展開している。


『いまのところマップ情報の送信は、ほかのみんながカバーしてくれているけど……』


 おれの視界の左側には、まさしくそのマップ情報を利用したウィンドウが出ている。

 高天原全域の市街マップだ。

 おれたち出撃隊や、警備にあたる月萌ツクモエ警察、国軍の現在地が光の点で示され……


『もちろん、墜落しちゃったらおしまいだ。

 墜落現場になる高天原学園も、大変なことになってしまう』


 その下端では現在おれたちのいる番地、緯度経度もリアルタイムで更新されている。

 左下にある小さいものは、作戦フェイズと残り時間とを示している。

 作戦フェイズはI。時間表示は――


『犯行グループに予告された残り時間はあと、1時間37分。

 これは推測だけど、残り一時間となれば『小夜見II』の逆噴射はなくなって、一気に墜落ルートに入ると考えられている。

 そうなってから止めるのは力技となるだろう、できればその前になんとかしたいところだ』


 つまり、37分以内に、彼らを退け、『小夜見II』のコントロールを回復する。

 これが、理想の形という事である。

 そのため『縮地』を使えるノゾミ先生が現地へ先行。

 残るおれたちは、移動系スキルを使って後を追っていた。


『高天原学園の生徒や先生。学園の周りに住む人たちの、明日の笑顔を守るため。』


 もちろんただそれだけならば、視界の右側に展開する大きなウィンドウ、学園闘技場定例試合の放送画面――高天原の校舎を背に、イエローのステージ衣装をまとったレモンさんの姿が映し出されている――は不要だ。


 しかし今回の作戦において、これは絶対不可欠だった。

 なぜなら。


『そして、ほんのちょっと遅れてしまった、『おこんがー!』のデビューステージ、

 みんな大好きモモカとミクの初舞台を、たったいまから再開するために!!

 もちろんこれはライブ放送。正真正銘、生放送です!』


 彼女たちのみならず、実はおれたちも、この特別ライブ放送の出演者だからである!


 小さなウィンドウの中でレモンさんがさっ、と手を振れば、スラリとした指の先、幕を下ろしたライブステージが映し出されるのが見えた。

 打ち合わせ通り。出番がくる。おれは走りつつ、息を整えた。

ふ、ふえてたんだ……ブクマが……複数……

ありがとうございます。

むちゃぶり祭り、かっ飛ばしてゆきます!


次回、突入部隊と防衛部隊、そして今回のヒロインたちがハイテンションで映し出されます。

レッツパーリィ! お楽しみに!

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