Bonus Track_17_2-2 オンラインラジオ・ニノとサクラの『よくわかる! 天使と契約のヒ・ミ・ツ♪』~後編~
Part3.ミルクアイスはOKで、羊毛アクセはなんでだめ?
ニノ:チアキのミルクアイスについては、うさぎまんの場合とちょっぴり違ってな。
チアキがミッドガルドにいる頃つくったアイスが、『天使』になった『あと』商品化されたパターンなんだ。
サクラ:ふむふむ。
ニノ:そのとき、アイスがよく売れるようにと、天使のチアキが冒険者時代に作ったアイスだよー、といって売り出した。
もくろみ通りアイスはたくさん売れて、エアリーさんはレシピの作者であるチアキに『分け前』を送ってくれるようになった。
けれどこっちも結局『ミッドガルドの人が作ったレシピを、ミッドガルドの人が使って、お礼のTPを払う』って形だよな?
だからこっちもモーマンタイなわけなんだ。ここまでいいかな?
サクラ:モーマンタイ!
んん、そうなると、今回の羊毛アイテムがミッドガルドで売れてもTPもらえない理由って……
レシピ作ったみんなが、もうとっくに天使様だったから?
ニノ:エクセレント!
俺がPart1.で言った、『天使』がミッドガルドと関わる場合のルールを思い出してみよう。
『干渉は最小限』『無償奉仕』『世を乱さない』。
これの二番目、『無償奉仕』のために、俺たちはミッドガルドのレオナールにレシピを譲っても、それで作られたアイテムがどれだけ売れても、いっさいお礼を受け取ることはできないんだ。
それはたとえ、レオナールが『高天原の天使の設計したアイテムです!』と宣伝することで、売り上げが上がったと認められる場合でもだ。
サクラ:うおお、厳しいでんな~……
Part4.強化羊毛アイテムを、それでも売れるヒ・ミ・ツ!
ニノ:確かに厳しいけど、これは仕方ないんだ。
もしもみんながコレをどんどんやったら、ミッドガルドはめちゃくちゃになるからな。
そんな事態にならないよう、そもそもミッドガルドにレシピを送る前に手続きやら、審査やらがしっかりある。
ただただ『すごい強力なアイテムができましたからミッドガルドで売りだしたいです!』というのでは、ほぼ認められることがないんだ。
サクラ:なんてこったい……
ってことは、今度の羊毛アイテムもヤバくないですかせんせー?
ニノ:ふっふっふ。
こいつについては立派な大義名分があるのだよ。
むしろ運営としても絶っ対に審査を通さなくちゃいけない危機が、いまミッドガルドに潜んでいるのだ!
サクラ:それは!
ニノ:ずばり!『エアリー牧場のひつじミルククライシス』だ!!
サクラ:詳しくお願いしますっ!!
ニノ:エアリー牧場のひつじミルクにとんでもない強化効果があることは、これまで知られていなかった。
山奥の牧場に住み込んで、毎日ミルクを飲みながらお手伝いをするなんてプレイヤーはそうそういないからな。
……というかそんな『のんびりスローライフ』をやりたいような奴が、Aランク超の奥地にあるエアリー牧場にたどり着くことがなかったんだ。
だがチアキとトラオは幸運にも、エアリーさんに連れられて牧場に行き、そこに住み着いて知らず知らずに腕を上げ、ここ高天原にやってきた。
そこからいろいろあったが今、ふたりはすっかり話題の剣闘士。二人の活躍を支えるのが『エアリー牧場のひつじミルク』であることは、一部ですでに知られている。
今後これがより広く知れわたれば、チアキが心配した通り、いや、それ以上の混乱がミッドガルドに巻き起こりかねない。
その抑止力として求められるのが、俺たちの作った強化羊毛アイテムなんだ。
さらには『シャスタの霊水』も併せて出せば、対策はほぼ完ぺきと言っていいだろうな。
サクラ:なるほどなるほど!
……でも、エアリー牧場はやっぱり、あぶなくない?
すっごい強くてよくばりなプレイヤーが、ミルクも羊毛も独り占めしようとして、エアリー牧場に乗り込んだりするなんてことは……
ニノ:あー。そうなったら普通に討伐依頼が出るな。
土地の守りの女神ふたりをぶっ倒す悪人とか、もはや名実ともに大魔王だからな!
サクラ:それはたしかに!
ニノ:つかその前に、チアキたちに救助要請が来ると思うけどな。
仲間が世話になったひとたちだ。いざとなったら、俺も加勢するつもりだぜ!
サクラ:そのときはサクラもいこうかな!
ニノ:ああ、よろしく。くれぐれも無理のない範囲でな?
閲覧ありがとうございます♪
次回は「歌」サイドでの挿話的な一話。
しろくろのふたりとレモンちゃんが登場、イツカやアオバの過去もすこし語られます。
お楽しみに♪




