Extra Track うさねこ女子のバレンタイン・ティーパーティー!
今回、珍しく三人称にしてみました。
チョコケーキ制作風景は描けなかった……!!
「がが」を「が」に修正、一部表現を修正いたしました。
『暗黒のチョコ祭り』と呼ばれるイベントは、この月萌国にも存在している。
こと恋愛関係に淡白と言われる高天原在学生にとってもそれは、し烈なイベントだ。
なぜなら、高天原学園の男女比はほぼ7:3。
しかも、その中で目立った人気を集めるものはごく少数。
現学長のはからいで当日は『チョコフォンデュパーティー』が開かれるものの、それでも手作りを渡したい女子、渡されたい男子、はたまた逆チョコを渡したい男子や友チョコを渡したい女子の駆け引きというのは当然存在するのであり……。
「はー、まったくもう……高天原は淡白って聞いてたのに、一体どうなってるのよ?」
寮室の扉を後ろ手に閉めてため息をつくのは、さっぱりとしたショートカットに、背の高い少女。
制服の背中にはコノハズクの羽根が見える。
そして彼女が抱えているのはたくさんのかわいらしい箱。
「ユキちゃん、高校にいた時から人気だもんねー?」
「うん、なんでこうなるのかさっぱりわかんない」
「だって、かっこいいもの」
「えー、どのへんが?」
ニコニコと冷やかすのは、クリーム色のチワワの耳しっぽをもつ小柄な少女・サクラ。
ふんわりほほえむのは、眼鏡に狸のみみしっぽが特徴のおとなしそうな少女・コトハだ。
小柄なサクラがいたずらっぽく笑い、筆箱サイズの箱を差し出した。
おしゃれなリボンをかけた細長い箱は、見た目よりずっと重く、なぜかかなりあたたかい。
「そういうところ! はいユキちゃん、あたしたちから!」
「え、あんたたちまで?!」
「ふふー。あたしたちのはチョコじゃないよ?」
「あけてみて!」
おとなしそうなコトハの顔にも、おちゃめな笑みが浮かぶ。
「まーた、変なのじゃないでしょうね……うわっ?!」
箱を開ければあらびっくり。
芳醇な香りとともに飛び出したのは、チーズの黄色、トマトソースの赤、バジルの緑。
「こここここここれー?!」
「サップラーイズ! ピザでしたー!!」
「ってこれ……ナナー?!」
そういえば、姿が見えないと思ったら!
ユキが主犯の名をよべば、カピバラの耳しっぽをつけたちょっぴりふくよかめの少女が、のんびりニコニコと奥の廊下から姿を現した。
六人分のティーセットをのせたトレーとともに。
みればすでにととのえられたテーブルの上には、一口サイズのイチゴサンドとチョコケーキ、ピザとスコーンをもりつけた、アフタヌーンティー用トレーが鎮座していた。
「サプライズ大成功ー。さーさーすわってすわってー。
じきお姉さまたちもくるけど、それはユキのだから。あったかいうちに食べてねー?」
「も、もう……
ありがと、三人とも。
ホワイトデーは期待してね!」
「もっちろーん!」
そのとき、陽気にインターホンが鳴る。
もちろんやってきたのは、噂の『お姉さまたち』――サリイとリンカの二人組だった。
かくして、うさねこ女子限定のバレンタイン・ティーパーティーが、にぎやかに始まったのだった。
人間やればできるものですね……
こちらもバレンタイン企画ですが、昨晩はけっきょく着手できず、起床して全力で書きました。
うさねこ女子たちのわいわいにホンワカしていただければ幸いです!
え? 次回? 『青嵐公』とのかなりガチなあれですが何か?
(バトルというか、実戦レッスンです。ポテストの頃からの進化が……かけるといいです。お楽しみに!)




