表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_16 歌と羊とエンジェルティア(2)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

150/1358

Bonus Track_16_1-1 探索隊、マウントブランシェ入り!~チアキの場合~

2020/02/09

何か所かエアリー「さん」になっている場所を修正いたしました。


2020/02/10

フユキくんがフォローしてくれるた。→フユキくんがフォローしてくれた。

「チアキにレン、ちょっとぶりね。トラオもひさしぶり!

 みんな仲良く元気そうでなによりだわ。

 そちらはお姉さまと、婚約者さんと、お友達ね。

『エアリー牧場』のあるじのエアリーです。どうかみなさん、よろしくね」


 通話コールで事情を話したら、エアリーお姉ちゃんはこころよくむかえにきてくれた。

 まちあわせは、まえとおなじ。山麓の町ムートンの、生産者ギルド。

 お姉ちゃんの服装は今日も、ひらひらふわふわした、青と白のエプロンドレス。

 僕はなんだかほっとしたけれど、レンとトラオくん以外のみんなはおどろいてる。


「さ、さむくないんですか?!」

「えっ? ぜんぜん平気よ?

 あなたたちこそ、この季節にそんなに着込んで、暑くないの?」

「えっ」

「えっ」


 そんなやりとりもあったけど、お姉ちゃんを手伝って買い出しをすませると、僕たちは荷物を背負ってマウントブランシェをのぼった。

 調子の戻った僕とトラオくんは平気だったけど、他のみんなには厳しいみたいだ。

 荷物もあるし、ツバメ装備のサリイさんにとっては、寒さと風がことさらきついようだ。

 火を操る技で暖を取り、リンカさんとトラオくんにフォローしてもらいつつ進むけど、顔は真っ青。

 寒いとは一度も口にしないけれど、細い体が震えてるのは僕にもわかった。

 みかねてエアリーお姉ちゃんが下山をすすめる。


「ねえ、サリイ。ツバメのあなたには、この山はやっぱりきついと思うわ。

 あなたの覚悟はほんとに、素晴らしいと思う。

 でも、やっぱり辛すぎるんじゃないかしら?」

「大丈夫です。

 マウントブランシェのことは調べてきました。こういうものだって覚悟して準備してきた。

 探索の足手まといになるなら、牧場でエアリーさんのお手伝いだけでもしていきたい。

 そう、決めたんです」


 けれど、サリイさんの意志は固かった。

 サリイさんは、きちっと調べて、きちっと準備するひとだ。

 そうして、決めたことは絶対にやり遂げる。

 僕がレンと組んでの、はじめての試合もだから、『ふつうに』やってたら絶対に、勝てなかったはずなのだ。

 エアリーさんは、そんなサリイさんをぎゅっ、と抱きしめる。


「わかったわ、サリイ。

 そのかわり牧場についたら、一番風呂にはいってね。約束よ?

 ペース上げるわ! トラオ、全力で守ってあげるのよ!」

「もちろんです!」


 トラオくんがサリイさんの肩を抱く。

 ハルオミくんとアキトくんが、トラオくんに歩み寄る。

 ふたりの装備はカモシカと、原種のアハルテケ馬。

 過酷な山地もどんとこいのふたりは、頼もしく申し出た。


「トラオ。

 俺荷物もっと持てるよ。

 だから、サリイさん抱っこしてあげなよ」

「残った半分は俺もらうからさ、遠慮なく♪」

「お、お、おう。

 わりぃな、二人とも……」

「えっえ、ちょ、そそんないいいってばっ!!

 そ、そ、それよりリンカの荷物持ってあげてよねっ。

 リンカも、か弱い乙女なんだしっ……」

「あ、それは僕がもつからだいじょうぶだよ!」


 それには、僕とレンが立候補する。


「そーそ。なんだったらリンカはオレが抱えていくかー?」

「それはいいアイデアね、レン。

 なぜって、荷物よりもわたしのほうが軽いもの♪」

「……マジに?」

「サイレントケー」

「すみませんごめんなさい軽いですリンカさまっ!!」


 コントになりかけたところを、ノルウェージャンフォレストキャットのフユキくんがフォローしてくれた。


「ったく、無茶すんなカレドニアガラス。

 お前にだってここの気候はきついだろ? リンカ姐さんは俺に任せろ」

「お、おう……」

「真面目な話、いざとなったら肩を貸す程度でいいわよ。ありがとうフユキ、それにレンもね」


 そんなふうに助け合っていけば、ひつじ牧場はすぐそこだ。

 牧場のある場所はふしぎに少し暖かく、年中緑の草が尽きない。

 その緑色がみえたとき、僕たちはそろって歓声を上げていた。




 広ーいお風呂、そして絶品のおやつを満喫すると、僕たちは本題に入った。

 エアリー牧場のひつじミルクをもっとたくさんの人に飲んでもらうため、僕たちはすこし我慢できるようになりたい。そのために、ミルクにかわる、元気の源を探したい。

 そう伝えるとエアリーお姉ちゃんは、泣けるくらいにうれしいことを言ってくれた。


「チアキ、トラオ。

 あなたたちのことは、わたしの家族と思ってるわ。

 そのふたりに我慢をさせて、他の人たちにミルクを売りたいなんてことは、わたしはちっとも思ってない。

 いっそのこと天使なんてやめて、うちの子になってくれてもいいのよ?」

「気持ちは嬉しいですが、そういうわけにも……」


 トラオくんが、申し訳なさそうに言う。僕も同じ意見だ。


「そうよね。

 天使をやめるには莫大なTPがいる。

 なにより、ふたりにはむこうの世界に、血のつながった家族がいて、かなえたい夢もある。

 そのためには、ここでしかとれないミルクを生命線にしてるわけにもいかない。……

 わかった。協力するわ。

 ミルクに代わる、元気の源。

 一つだけ、心当たりがあるの」


 お姉ちゃんは、にっこり笑って教えてくれた。

 マウントブランシェの奥深く、人知れず眠る神秘の洞穴。

 その最深部に眠る『シャスタの泉』のことを。


「この山を流れ落ち、大海に注ぐシャスタ川。

 その源流が、シャスタの泉なの。

 マウントブランシェの生き物はみんな、この水の恵みを受けているわ。

 もちろん、うちのひつじたちも、ひつじたちのミルクもね。

 つまり、ミルクにふしぎな力を与える『なにか』は、泉のなかに眠っているはず。

 神秘の洞穴、シャスタの最深部にね」


 けれど、こうもいっていた。


「ただし、そこはこの辺でも特に魔力が濃いところだわ。

 だから魔物も強いし、魔力にあてられて、体調を崩すかもしれない危険な場所なの。

 だから、くれぐれも無茶はダメよ。

 ここをベースキャンプにしていいから、ゆっくりと探索してみて」


閲覧ありがとうございます!

今日の私は……昨晩ヒャッハーしすぎて頭が回らない!

(訳:『賢者からのおくりもの』にご紹介いただけてしまったためにニャーとかミャーとか興奮していたので……ありがとうございますっ(何度も言うスタイル))


次回、さらにゆるーくダンジョンへ。

一番の敵は、寒さと空腹(※仲間の)!

どうぞお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ