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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_15 歌と羊とエンジェルティア 

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15-7 くろねこイツカと、おにぐんそう~ライカのにゃんにゃん☆ブートキャンプ~(2)

 BP4025の赤いポップアップ。カラン、とイツカブレードが落ちた。

 黒い軽武装に包まれた手と足が、ぶらん、と垂れ下がる。

 そのまま、見えない手に引き寄せられるようにして、イツカはライカの腕の中に収まった。


 残りHPは3。ぶっちゃけ人質に使うつもりだろう。ならば再優先事項は、イツカの回復だ。

 しかしアスカの回復ヒールは、ライカが先手を取って発動した退魔円陣キャンセル・サークルにかき消されてしまう。

 おれはマジックポーチをさぐり、ライカとおれたちの間の地面に上位回復ハイパーヒーリング煙霧薬弾・ヴェイパーを投げた。


 見た目は緑色の、猫用のおもちゃのボール。

 それが地面に転げると、ふしゅーっというかすかな音とともに、薄い緑の霧が半径50mの球状に立ち込めた。

 中に込められた上位回復薬を霧状に吹き出すクラフト、徹頭徹尾『モノ』であるこれならば、退魔キャンセルには止められない。

 もっともライカも回復してしまうのだが、そこはなんとかできるところ。

 イツカが自力で動けるようになるまでの時間を稼ぐため、おれたちは動き出した。


「それさ、うちの子なんだけど?

 っていうか何したのいま?」

「あとでゆっくり教えてあ・げ・る☆」


 おれが投げかけた言葉に、ライカはいたずらっぽく笑った。

 斬り込んできたハヤトをいなして、また笑う。


「あれー、いいのハヤトー? そんな調子で、もしもイツカに当たったら死んじゃうよー?」

「お前なら知ってるだろうがよ! こんなときイツカがどういうかっ!」

「あ、そうね。はい。」


 ハヤトにむけて、何気ない調子で、イツカの体が投げ出される。

 しかしその速度が問題だった。つまり――

 あっと思ったときには、イツカとハヤトは折り重なって倒れていた。

 残りHPは二人とも0。問答無用の戦闘不能だった。


「マルチ・パ……」


 つづいてアスカが『複数完全マルチ・パーフェクト・復活リザレクション』を発動する間もなくダウン。

 鋭い踏み込みで距離を詰められ、退魔円陣キャンセル・サークル強化バフを食われたうえでの一発K.O.だった。

 ならば、隠し玉を出すほかない。おれは左右の魔擲弾銃オーブ・ランチャーにつけておいた『ひみつのスイッチ』をぽちぽちと押し、おもいっきり空中に投げ上げた!


「あれ、カナタってば降参おてあげ? もしかしていちばんにモフってほしい?」

「いや、そういうわけじゃなくってね……」


 一秒、二秒、ファイア!

 ボタンを押してきっかり三秒目、宙を舞う魔擲弾銃オーブ・ランチャー二丁が一斉掃射を行った。

 もちろんその銃口はライカの後ろ49.8mの地表に向いている。

 つぎつぎと地表で炸裂した八つのボムは、ライカの背中に爆風を重ねてお見舞いし、赤のポップアップをはなやかに打ち上げた。


 しかし全てが終わったとき、目の前にいたのは余裕のライカ。

 おれの喉元には、ライカの手刀が突き付けられていた。


「ねーカナぴょん。ちょっと面白かったんだけど、なにやったの?」

「後でゆっくり教えるね?」


 もちろんおれはホールドアップだ。

 この状況と力量差で勝てるとは、さしものおれも思えない。


「そ、……こまでっ!」


 ミライが半泣きの声で試合の終わりを告げる。

 おれたちが最初にしたことはもちろん、ミライをなだめてやることだった。

 そしてミライがしてやったことは、離れたところで耳と目をふさいでしゃがみ込んでるレイン理事の肩を叩き、「おわりましたよ?」と言ってやることだった。




「えーと……おわったのかい? ほんっとうに、おわったのかい?」

「ほんとだよ! もうだいじょうぶだよ、レインさん。

 こわくなーい、こわくなーい。ね?」


 優しいミライはよしよしと彼の頭をなでてやる。

 いい年して中学生(しかも可愛い)によしよしされるのもどうかと思うが、ガチで涙目になっている顔を見てしまうと笑う気にはなれない。

 シミュレーションバトルモードは解除され、おれたちは再び無傷でそろっている。こわごわとそれを確かめたレインさんは、心底安堵に満ちた様子でため息をついた。


「ほんっとにバトル、ダメなんですねレインさん……」

「だって痛そうだし、怖いじゃないか。

 ……それにきみたちのような人類の宝が傷つくかと思うと」


 その言い様に、アスカがチクリ。


「『ワスプ寄せ』はつけたのに?」

「すまない、逆らえる立場じゃなかったんだ……」

「あー……うん、もう言わないでおくよ。しばらくはね?」

「ありがとう」


 しおらしいレインさんの様子に、アスカもわだかまりを棄てたよう。

 二人が握手を交わせば、ハヤトは若干微妙な顔に。

 ライカはばふっとハヤトの肩を抱えて、いつもの陽気な声を上げる。


「さーさーそれじゃー生徒諸君!

 まずはいったんログアウトしてプリン休けーい!

 リアルの君たち、今ぐでぐでだからね。

 ライカせんせーからの講評はそれからでーす!」


 はたしてログアウトしたおれを待っていたのは、激しい動悸と疲労感、そして全身にまとわりつくいやな汗の感触だった。

 審判役だけのミライはそこまででもないのが救いだが、イツカとハヤト、アスカもみるからにグロッキー。

 おれたちは満場一致でいったん解散。

 それぞれの部屋で身支度を整えてから、学食でのプリン休憩をとることにしたのだった。


突然ですが、近日中に前日譚(投稿日・タイトル未定)を上梓したい所存であります!

ここまで読んでくださっている方、これからお読みいただく方に、よりこの作品を楽しんでいただけるように……

また、そちら単体でも十分に面白く、読みやすいものを目指して計画を練っております。

この作品の投稿もこれまで通りに続けますので、どうかよろしくお願いいたします!


次回新章突入です。覚醒めざすチーム編とマウントブランシェ探索編を1-2部分ずつ、交互にお送りすることになるかと思われます。お楽しみに♪

(え、ストック……フタツクライアルヨ……?)

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